第18話 自己紹介
「麗華、良かったじゃん! 夏樹先輩と応援してるよ」
そう言って俺の腕に抱きつく楓。腕に柔らかさを感じるとどうしても監禁されていた時の姿を思い出してしまう。そんなに抱きつかれると麗華ちゃん一筋の俺でも意識してしまう。
「そんなにくっつくと楓さんが汚れちゃうから離れた方がいいわよ!」
麗華ちゃんは、そう言って楓と俺の間に身体を入れ込もうとするが、ひ弱すぎて全く離れない。
「あはは、君たち本当に面白いね! 興味があるっていうのはそういう意味じゃないから王子様もそんなに怖い顔しないで」
そう言って手を差し出してくる日野さん。
「よろしくね、夏樹くん」
「あ、はい」
手を出して握手をする。
爽やかできっと良い人なのだろうが、キザっぽいところが気になる。麗華ちゃんをチャラい男から守らなくては。
「じゃあジョウジの方から各部屋に案内をさせるから荷物を置いたらホールに集合で。他のメンバーも紹介したいからさ」
そう言って日野さんは廊下を進み2階の部屋へと階段を登っていく。
改めて中を見ると豪華な内装だ。大理石の大きなホールには暖炉やソファが置かれている。
奥の部屋は食事をするところなのだろうか。重厚なテーブルに豪華な椅子が何脚もならんでいる。
客室は一階と二階にあるが、1階は高校生組、2階は大学生組となっている。
客室はホールから順に水野、俺、麗華ちゃん、楓の順になっている。廊下の突き当たりにはさっき日野さんが登った階段があるようだ。
「こちらがお部屋になっております」
「ありがとうございます。おじゃましまーす」
ジョウジさんにお礼を伝えて、部屋へと入る。
客室の中は赤を基調としたインテリアで少し落ち着かない。家具はベッドや小さなテーブルと椅子が置いてあるだけだ。トイレや浴室は共用らしく、ホールを超えた反対側の廊下の1階と2階に一つずつ配置されているとのこと。
荷解きが一通り終わったところでホールに移動する。
ロビーにはすでに全員集合していた。
「夏樹せんぱーいこっちですよー」
「悪い遅れた」
「それじゃぁ全員揃ったかな、まだ顔合わせしてないのは木田と金木さんかな?」
日野さんが名前を呼ぶとメガネをかけた女性と男性が前へと出てくる。
「金木って良います。日野くんとは同学年で、隣の木田くんも同じなんだ。今日は人数合わせみたいな形なってごめんね、気をつかうかもしれないけど、気にしないで良いからね。よろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げたせいかメガネを慌てて直している。
「えーと、僕は木田っていいます。ってさっきも言ってたか。うーん、特にないです、よろしくね」
「木田くん感じ悪ーい」
「そうだぞ!」
「えー?めんどくさいよー」
そう言って髪の毛をボリボリ掻いてる木田さんを楽しそうに二人でイジっている。
「じゃあ後輩諸君達にも自己紹介してもらおうか」
「夏樹って言います。一応オカルト同好会の部長をしてます、よろしくお願いします」
次に麗華ちゃんが挨拶をする番になった。麗華ちゃんは人見知りだから自己紹介が1番苦手なのだ。噛まないように
「どうも、やにゃぎはらです!……死にたいです」
めっちゃ噛んでた。
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
コメントや星をいただけるととっても嬉しいです!
きっと夜はラブコメの波動がすごいはず!
それまでお待ちを!
いぬお
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