第15話 クローズドサークル
「神隠し……ってなんだっけ?」
楓がポツリとつぶやく。
「神隠しっていうのは簡単に言うと、子どもたちが
「そうそう! 今回行く予定の場所にも似たような伝説があるの!」
神隠しっていうと、天狗がさらってしまうというあれか。
「オカルト同好会としては確かに良いかもしれないな」
「さっすが夏樹! 話がわかるねー! それにね、伝説だけじゃなくて立地もすごいの! そこは離れ小島なんだけど、今は先輩の別荘になってる洋館しかないんだって!」
このメンバーの中に名探偵が居たら確実に殺人が起こりそうなラインナップだ。
「大丈夫?! この中に実は頭脳が大人な人が紛れてない!?」
現実にはそんな事件は起こらないだろうがやっぱりワクワクはしてしまう。麗華ちゃんはどうだろうか?
「神域っていうのは山をさしたりすることが多いけど、現代では建物なんかも含まれたり解釈が徐々に変わってるみたいね」
だめだ、恐怖のあまり壊れたラジオのように情報を垂れ流している。
「ちょっと麗華、大丈夫?」
「しめ縄による境界が……にゃーん」
「……ダメみたいですね。手遅れです。やっぱり私に乗り換えませんか夏樹先輩?」
「シャーーー!」
「はいはい、あざと可愛いわねー」
催眠術の後遺症なのだろうか。後輩たちのじゃれあいが可愛いのでとりあえず放っておこう。
「夏樹の後輩たち大丈夫?」
水野が若干ひいている。
「大丈夫、むしろ仲良くなれたみたいで嬉しいよ」
特に麗華ちゃんは友達がなかなか出来なかったみたいだからこういうノリが初めてで楽しいんだろう。
さっきの奇行もきっと盛り上げようとして、ピエロを演じているのだろう。決して、催眠術の副作用なんかではない。……大丈夫だよね?。
「まぁ、詳しくは今度話すけども全員参加で良いかな?」
「保護者の許可が取れたら連絡するよ。水野ありがとうな、すごく楽しみだよ」
「それなら良かったよ。全然最近構ってくれなかったんだから断られたら監禁してでも連れて行くところだったよ……冗談だよ?!みんなのその顔なに!?」
あの事件のことはみんなには公表してないのでびっくりした。……まさか、されないよね?離島でそれは
監禁というワードのショックからか麗華ちゃんが立ち直る。
「ふぅ……孤島に行くってことはお金結構かかりますかね?」
たしかに学生という身分では大きな問題点だ。
「大丈夫だよ。交通費も全部出してくれるし、来てくれるだけで良いんだって。先輩お金持ちでバイトも家の決まりでやってるだけなんだって」
なんだか気がひけるなー。
「お礼に麗華にゃんを見せれば良いんじゃない?」
「麗華にゃん? 楓さんは何を言ってるのかさっぱりわかりません。先輩もニヤニヤしてて気持ち悪いです!」
おや、顔に出てから気をつけなくては。
「わかった、ごめんよ麗華ちゃん」
「もう、仕方ないですね」
そうして、今日は解散となり、無事、皆親からの許可をもらうことができた。どうやら、向こうの洋館には、執事さんが居るのが許可を出す決め手になったようだ。
部屋でゴロゴロしながら計画を立てていたらつい眠ってしまっていた。
〜〜〜〜〜〜
夢の中は落ち着く、唯一自分に優しい世界だから。
やがて夜が明ける
あぁ、また朝が来る……
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お付き合い、ありがとうございました!
コメント、レビュー、☆お待ちしてます!
また読んでくださいね!
ありがとうございました!
いぬお
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