第14話 猫×人

 「何ですかこの状況は!?」


 絶対絶命だ! 女子高生を催眠術で操ると何罪になるんだ!?


 「にゃおーん、ペロペロ」



 手がくすぐったいと思ったらペロペロ舐められてるじゃないか。あかん! これ、終わったわー、なんかわからないけど、背徳的な感じがするし、また余罪増えたわー。


 「な、何してるの麗華!? 夏休みボケには早すぎるよ!!」


 どんな夏休みを送ったらそうなるんだ。こうなったら奥の手だ。


 「楓は、とにかくこっちを見ててくれ」


 「な、なんですか! 2人を応援しようと思ってたのに、こんなハレンチなこと部室でしてたなんて!……羨ましいです!!」


 なんか少し怒りのベクトルがおかしいが、今は時間が惜しい。


 俺は五円玉を手に取ると楓の目の前に垂らす。


 「あなたはだんだん眠くなーる」


 「なんてベタな呪文ですか! そんなのに引っかかるわけ……ぐーーーっ」


 おもっくそ引っかかってるじゃないか! そっちこそベタじゃないか!


 でも助かった。楓にはさっきの記憶を忘れてもらおう。


 指を鳴らして催眠術を解く。


 「あ、あれ? なんでもう部室に?」 


 楓は不思議そうにら辺りをキョロキョロしている。


 「ん? この感じは本当に催眠術にかかってたんですかね?」


 麗華ちゃんも正気を取り戻したようだ。


 俺の腕にしがみついた状態で。


 「な、な、な、なんで夏樹先輩の腕に!? やっぱハレンチな命令をしたんですね! 変態!! 最低です!!」


 「ごめんて! そんなつもりじゃなかったんだよ!」


 怒りつつも腕から離れない麗華ちゃんは可愛いけど、そろそろ部活をしなくては。


 「じゃあ、みんなも集まったし、そろそろまた色々実験をしようか!」


 「「はーい」」


 ガチャ  


 「失礼しまーす」


 再び、部室の扉が開くと不安そうに水野が入ってきた。


 「あ、やっぱりここであってたんだ! 部室棟なんて普段行かないから合ってるか心配だったんだよ」


 「水野じゃないか、どうしたんだよ?」


 「だから大事な用事があるって言ったじゃんか!」


 やばい、全然聞いてなかった。


 とりあえず立ち話もあれなので座ってもらう事にした。自己紹介をした後、いよいよ本題に入る。


 「あなたのことは知ってるよ。柳原さん、夏樹がいっつも麗華ちゃん麗華ちゃんうるさいんだよー」


 水野が机に突っ伏して、頬を膨らましている。背が小さく、ぱっと見、中学生のようだが、胸の自己主張が強いため、性癖に刺さる人が多いらしい。



 「それで、結局何の用だったんだ?」


 「あ、そうそう! バイト先の先輩がさー夏休みにウチの別荘に来ないかって誘ってくるの」


 「良かったじゃないか、中々ないチャンスじゃないか」


 「でも、そこの場所が問題なんだよー」


 「何が問題なんですか?」


 水野は身体を起こすと俺の方をじっと見つめて口を開ける。






 「ねぇ、みんなは神隠しって知ってる?」






 あまりに真剣な表情で話すから、この瞬間の水野は別人のように感じた。





✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


猫と美少女はいつの時代も相性ばっちり!!


読んで頂きありがとうございます!


レビューや感想を書いていただけたら嬉しいです!


引き攣ったよろしくお願い致します!


いぬお

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