第2話 始まり
「わ、私のこと呼び捨てにしてあ、あ、あ、あ、あ、愛してるって言ってください!!」
顔真っ赤にさせて5円玉はもはやブンブンと回ってしまっている。
こ、これは今更演技だとは言えなくなってしまった。バレたら絶対酷いことされる。
「れ、れ、れ、麗華、愛してるよ」
麗華ちゃんガッツポーズしながらピョンピョンしてて可愛い!!でもなんかこれめちゃくちゃ恥ずかしい!!
「ふへへ、このボイスレコーダーは家宝です。ふへへへ」
よだれを拭う麗華ちゃんは淑女とはかけ離れていたけど、なんだか親近感が湧いてまた好きなった。
「さて、えーと解除の呪文は指を鳴らすですよね?」
そうそう、早く解放してくれ!
「えいっ!」
カスっ
「えいっ!」
カスっ
みるみるうちに青ざめていく麗華ちゃん。
指パッチン出来ないんかい!!
フラフラとカバンへ近づくと、筆箱の中から三角定規を取り出して自分の首に当てている。
「もう世界の終わりだわ……最後に愛してるって言って貰えて幸せでした」
なんか首切ろうとしてる!?絶対無理だよ!落ち着いて!麗華ちゃん!くそっ催眠状態だから動くわけにもいかないし!
あぁめちゃくちゃギコギコしてるー!!
「痛いけど切れませんね……そ、そういえば別の解除方法があったような」
急いで別の本を取り出して確認をしているようだ。
「こ、これは……でも今なら良いよね」
他の方法ってなんだろう?
考えているとどんどん麗華ちゃんは近づいてくる。
「初めてなんですからね」
そして、ほっぺに温もりと幸せを感じた。
へっ!?
死ぬのか!?俺!?!?
いや、急いで催眠術がとけるフリをしなくては!
「夏樹先輩! ほら、起きてください!」
「おっ、わ、悪い。もしかして、催眠術かかってたのか? 記憶が無いんだよ」
嘘ついてごめんなさい!脳内メモリーに一生鍵付きで保管させて頂きます。
「そ、そうでしたか。夏樹先輩、ニワトリの真似したりしてて気持ち悪かったですよ」
安心したのか、いつもの麗華ちゃんに戻っているようだ。
「いやぁ信じてなかったけど本当にあるんだな」
俺はいつも通りの演技が出来ているだろうか。心臓が苦しいくらいドキドキしてるのがわかる。
「そうですね。これは大変興味深いです」
その後はさっきまでのことが嘘なんじゃ無いかと思うくらいらいつも通りに過ごし、帰宅した。
布団の中で考える。これって両思いなのか!?いやでも普段ボロクソ塩対応されるし、好きになってもらえる理由ないし。
それに、仮に両思いだとしても、なんでわかってたのかって事になるはず。そこで、催眠術にかかってたのが嘘だってバレたら嫌われてしまいそうだ。
俺はどうしたら良いんだー!!
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
ありがとうございました。
短めですが我慢できなくて投稿しました。
これから甘々ゆるゆるストーリーが進んでいきます。
もしよろしければコメントや評価をお願い致します。
また読んでいただけるのを楽しみにしています。
いぬお
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