第3話 でかい



「すいません交代でーす!」

甲高い声が教室に響いた


「次の楽器行ってみよっか!」

「あっはい」

「何かやりたい楽器ある?」

やりたい楽器か…選べるんだ…

「あれ…でかいっすね…」

「あーあれ?チューバって言う楽器なの大きいでしょ?みんな絶対興味持つからねあれに」

「へぇ」

今案内してくれてるのはすっごい細身の眼鏡の人

頭良さそー

勉強教えてもらったらいいだろうなぁー…はかどるぜ!

「チューバできるって!」

「え、」

俺が考えごとをしている間に確かめてたのか


「どーぞー」

男の人だ

「あれ、"谷"くんじゃん!」

「え!成田!?」

「そうそう成田なりた!あと、先輩つけないと怒られるぞー!」

「ごめんごめん」

中学生になってからしばらく会ってなかったなー

スポーツクラブで一緒で…一緒にいろいろやったな

「谷!俺はいろいろ変わったことがありまーすそれはなんでしょう?」

「え?え?あ!」

「声変わりしとる!」

「正解ダァ谷と前一緒にいた時と…声が全く違うだろう??」

確かにめっちゃ高い声だったのに低くなってる

「すげー!変わりすぎでしょ!」

「そうだろそうだろ!」

「あは!」

「はは!」

「…」

「金管はマウスピースというのを使うんだ」

「いや、唐突すぎない?」

「交代でーす!」

「あ、」

「あっ」


つづく

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恋奏!(こいかな!) @tensuke0628

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