第4会場

  ※一読してからご覧ください※

 少々長いですが、予防線であり警告です。

 

 あまり心が強くない方、商業は目指しておらず、自分の好きなものを書きたいだけの方は見ないほうがいいかもしれません。

 ベースが辛口で、しかも誉め言葉を選んで書いていません。

 一応、全ての作品を最低三回は読んで書いています。


 下記感想は全て「商業作品として作るなら」を前提としています。

 なので面白く見せる構造に触れている部分が多いです。

 ただまさに私自身のように、商業では絶対無理だよなという趣味作品を投稿している人もいると思うので、その場合はだいたい見当違いになります。

 性癖メインの作品とかですね……その場合は笑ってやってください。


 また、書き出し祭りの特性ですが、第一話としての書き出しよりもそこがピークの実質短編のほうが評価されますが、私の場合はあくまで「書き出し」の評価をしています。

 書き出し祭り部分の満足度の評価でなく、次の話が読みたくなるか、の評価です。

「何をどう楽しむ作品で、どこに向けたものなのか」がしっかり提示してある作品の評価が高めになっています。


 プロでない方の場合、前提となる居場所と情報量、理解度が違うので、納得できない部分も多々あると思います。

 でもいつかプロになって企画を立ち上げるときには、私の書いていることの意味が分かるかなと。

 プロ作家の場合は共感してもらえる部分も多いのでは。

 

 せっかくプロサイドとして参加するのなら、ただ褒めるよりは嫌われても何か掴めるものを提示できればと思い、筆を執りました。

 私にとって、真面目に誠実に向き合うということはこういうことだと思いました。

 ですので少々厳しい言葉が並ぶ部分もありますが、改善案や間口の広げ方も同時に提案させていただいております。批判は代案ありきですね。

 指摘点を踏まえて改善、もしくはほかの作品に活かすなどできると思います。


 感想はもちろん絶対にこうすべき、しなければならないという意味ではありません。

 一笑に付してもらってもいいです。所詮は一つの方法論でしかないです。

 しかし私が指摘するのは、音楽で言うところの譜面通りに弾くことに近いものです。

 まずは楽器の使い方、譜面の読み方を覚えよう。アレンジはそこから。

 

 私自身まだ言語化できていない部分も多いですが、これを読んだ皆様に何かきっかけを与えられれば。私のこれもまた、練習です。


 できればご自身の作品の感想だけでなく、すべての感想を読んで、気になったところがあればその作品を読んで指摘を見る……なんて使い方をしてくださると本望です。

 私自身も含めて、みんなでレベルアップしましょう。


 だいたい、自分より売れてたり先輩作家がいるだろう企画でこんな危険なことやっても基本得はないんですよ!

 絶対に角が立つし、嫌われるし、文量やばいしで何も得はありません……!(本音)

 だから逆説的に善意がなければできないと解釈していただければありがたいです。


 私にとっていい編集さんは、手放しでは褒めず、基本は味方でも作品作りでは対立して代案や新しい方向性を提示してくれる方です。

 みなさんにとってそうなれれば。敵ではありませんよ。



4-01 妖精シャン・デ・リディアと四人の守護者


 女性向けの逆ハーレムものでしょうか。

 魔術の形という設定面白いですね。

 どうしても魔法の種類(炎、氷、雷~)になりがちですが、形態で差別化できるのいいなと思いました。

 内容については不勉強なジャンルなので言及は特になし。

 私は対象ではないでしょうが、普通に読めて違和もなかったので、上澄みのほうなのかなと。


4-02 軽音楽部エース×××事件


 事件になっているということは、本人が証言できない状態、つまりは死んでしまっているという状態ですかね。そうでなくても意識は戻らない状態かな。

 みんなの中心の太陽が沈んで、周りの人間たちに様々な影響が起きていく……が想像できていいですね。『桐島、部活やめるってよ』みたいな群像にしても面白そうです。

 書き出しとしてとても上手だと思います。

 一緒にいたキラルはアリバイがある状態なので、二人で解決していくのかな。

 それを踏まえて、最初からキラルのキャラと人間性を立てているのも上手い。

 大きな特徴がない主人公にある種の狂気性があるのもいいですね。

 

4-03 婿養子先はド田舎でした ~都会っ子伯爵子息の、婚約者が居るから頑張れる畜農奮闘~


 こちらも「コミカライズするなら感想」にエントリーしてくださってますね。


 主人公の能力がないのをわざわざ強調して追放されているということは、何かしらの理由で何かしらの能力に目覚める前振りと受け取りました。

 話そのものがスローライフものだとしても、そのスローライフが上手くいく根拠はあったほうがいいです。なので最初の段階で主人公の栄達の匂わせはあったほうがいいと思います。

 そしてヒロインは主人公に隠された能力があることを知っているだとか、ヒロインだけは自分をわかってくれる強い根拠を仕込むとスマートな作りになります。

 

 結局のところ、スローライフものは「こういう人生いいよね」に面白さのベースがあります。

 なので自分を評価してくれる環境や優しい人々、理解してくれる伴侶の存在が重要なんですよね。バトルに繋げるのでも、その人々と環境がそのまま戦う理由になってくれます。

 何をするかはもちろん大事ですが、そこに至る構造のほうが重要なジャンルだと思います。例えばゲームで言うと牧場物語やどうぶつの森など、特定の物語があるわけではありませんが人気ですよね。あれは枠組みがしっかりしているからかなと。

 ただあれらはゲームですので、ライトノベル、コミカライズを意識するなら、主人公が何をするかが重要になりますので、主人公にできることの定義はしっかりしたほうが良さそうです。

 この作品をコミカライズする場合、小説部分の三話くらいは一話で使いそうなので、現状では正確に評価できませんが、単純に目を引いてわかりやすくするなら上記のようなことを意識するといいと思います。


4-04 新しい扉を開いたら


 自分の身に起きたら地獄やで……となる内容ですね。

 しかし現実によくあることなので悲しい。

 今回の書き出し祭りの中では異色の内容でした。主に設定ですね。主人公の年齢がかなり珍しい。

 お仕事ものライト文芸ジャンルですね。

 唐突な仕様変更がそのまま事件としてイベントにできますし、いいジャンル選びだなと思いました。

 ファンタジーにおける追放ものではないものの、感情の動かし方は同じ主人公の底辺状態からの成り上がりですね。

 内容的には何度もざまぁできるし、単純にお仕事ものとして作っていけるし、この作品とてもいいと思いました。かなり範囲が広くできることが多いので。


4-05 君が歌う、僕の詩。


 青春天才ものかな。

 最後まで上手くいく前提(もちろん紆余曲折あり)なら、最初の段階で主人公の才能の片鱗が見えていた方がいいです。

 居場所への不満はしっかり書けていて、そして変えてくれる人との出会いも書けていました。ただ変われるだけの根拠になる才能は必要かなと。

 主人公が高校生プロ作家だとか、作詞家の親の環境で下地があるだとか、実力があってもそれを活かす環境がなかった主人公が出会いで変わっていく……の流れがスマートかなと。


 ガールズバンドも主人公も言ってしまえばワナビ(言葉は良くないですが)なので、このままだと上手くいく予感がしません。

 何か足りない天才たちが出会って噛み合い、物語が動き出すワクワク感が必要ですね。

 まだ本編に出てきていませんが、ライバルにしても主人公たちが強くなることで強さが引き立ちます。

 ライバルはどうやらプロのようですし、現状の設定だと遠すぎるんですよね。対立できる状態にすらない。

 

 上記の感想はスムーズに上手くいく前提です。

 苦労を楽しむ系統ならば全然話が違いますので、参考程度に。とはいえ、ある程度才能の片鱗は見せる必要がありますね。

 作者さん、言葉選びや既視感などからブルー・ピリオド好きそうだなと感じたのですが、この設定のまま行くなら、あの作品のように、主人公の人生観を変えるだけの衝撃を入れるといいと思います。

 例えばガールズバンドの歌を聞いて声や演奏に感動し、思わず歌詞を考えてしまう……など。

 この声の人に歌ってもらいたいな……と主人公が思い、そこでクラスメイトであることに気づく、なんてすればラブコメチックなこともできますね。


4-06 Heaven's GRAVITY

 

 こちら木野先生の「コミカライズするなら感想」にラインナップされていますね。

 

 設定は「アップサイドダウン 重力の恋人」「エリジウム」あたりが似ているかな。アップサイドダウンのほうがこの作品寄り。どちらも日本公開は2013年の映画ですが、この近辺にフォロワー作品がたくさんあった気がします。

 有名なのがこの二つくらいで、ほかはみんな微妙だった気がする……。

 SFのメインストリームになれなかった理由を私なりに分析すると、結局どちらかの世界がメインになってしまうことが大きいかなと。設定が死ぬんですよね。

 ビジュアルも見慣れてしまう。

 対立構造が明確なせいでストーリーの幅が狭い……などかなと思います。

 

 コミカライズの場合、多くは書籍化を経由する、つまりポイントを取ることが前提です。コミカライズのみの場合もやはりポイントが要ります。たくさんの人に評価されたか、が会議を通るうえで必要なんですよね。残念ながらそういう時代です。代わりに間口は広がりました。そういう意味ではこの作品はジャンル的に不利に思います。SF……という段階で結構難しかったり。

 残るは企画からのスタートですが、漫画原作として言うなら、自分で綺麗なネームまでできるのが前提かなと。

 ネームでないといけない大きな理由は、文章ではこの作品の魅力を十全に伝えられないこと。

 設定的にビジュアル依存でビジュアルあり気なので、逆さまの設定を活かした構図などを作画者さんに正確に伝えられないと難しいかなと。作画するうえでかなりレベルが必要だと思います。なのに商業的な成功例はあまりないジャンルという。


 そして主人公の目的の明確化。

 巻き込まれて始まってもいいですが、何か大きな目的を一つ用意してあげるといいと思います。

 この作品のような世界側に複雑な設定がある作品の場合、多くは短期的な目標のクリアの連続にはなると思いますが、そのうえで、主軸になる目的を設定しましょう。

 前述の「アップサイドダウン 重力の恋人」は富裕層の世界と貧困層の世界で別れていて、昔に会った少女にもう一回会いたくて上に行きます。

 エリジウムは自分が死にそうで、上の世界なら治療ができるから、だったはずです。

 漫画は、というかエンタメは「誰が」「何をするか」で構築されます。

 主人公に行動理由がない作品はイベントの作りが大変です。

 

4-07 もしもわたしがあなたなら ~If AI were YU~


 この作品でもノストラダムスの大予言を目にするなんて……! 流行ってるんですかね?

 津島博士の娘が登場したところで〆。

 正直に言えば、この段階では何とも言えないなと。

 面白かったし先の興味もあるのですが、現状では何をする話なのかがわかりません。

 具体的には主人公は何ができて何をする気なのか、ですね。

 純文学系統ならジャンルの定義は野暮だったりしますが、これはエンタメなので主人公がすることへの期待は必要かなと。

 

4-08 宇宙戦艦アンタレス 反撃の狼煙

 

 銀英伝好きでしょ! と言いたくなりました。私は大好きです。

 好きだと仮定して、むしろ決めつけてしまいますが、文体が田中芳樹先生の影響を受けていないのは好印象です。

 あらすじ読んだとき、もしかして「ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムは~」なんて長々と舞台説明が来るのではと身構えました。


 率直な感想は、書き出し祭りではあまり日の目は拝めなさそうだなと。

 まぁミリタリやSFという段階で人を選ぶので……私は書きたい気持ちがわかるのでしっかり読ませていただきました。

 野戦任官で成り上がっちゃうのいいですよね。

 アドバイスは、この手の話を書く場合、もっとキャラの強さに舵を切るほうがいいです。

 恐れ多くも田中芳樹先生でさえ、今読めば正直読みにくいところは多いです。

 しかしそれでも読んでしまうのは、魅力的なキャラクターの魅力的なセリフがあるからです。

 書き出しは主人公の人間性に振って、細かな描写は次の話に全部投げるくらいの気持ちで書いてあるともっと良かったと思いますよ。まぁ、書きたいのは戦闘描写なんだろうなというのはわかったうえで提案です。

 多くの人間の評価が欲しいわけじゃないんだよ! がにじみ出てます。ロマンですからね、こういうのは。


4-09 ノベルデュエル・ブリーダーズ2


 素直に笑いました。

 これは書き出し祭り向けですね。インパクトもあるし面白かったです。

 絵面を想像すると少しホラーですがシュールさが勝る面白さでした。


 こちらの作品も木野先生の「コミカライズするなら感想」にラインナップされています。


 前述の範囲では褒めの感想でしたが、商業化したいのなら少し視点を変えて書かせていただきます。

 書き出し祭りの一作品としては全然高評価ですよ。本当に面白かった。投票しようと思っているくらい。


 しかし、これ、典型的な内輪のノリです。

 学校の一クラス、さらにその中の一グループでだけ流行っているギャグと同じです。外から見れば面白くないあれです。

 書き出し祭りだから面白いのであって、場所を変えれば評価が変わります。


 商業において大事なのは間口の広さです。

 言い換えるなら、「みんなが好きで、みんながわかるもの」です。

 なろうのランキングも同じですね。最大多数を狙える範囲で組み立てる。

 ランキング上位における一話が似通うのはそういった関係もあります。必要な要素と感情の動かし方にある程度正解があるからです。そして極力文字数を減らそうと表現を削るので余計に似る。


 小説家たちの鳴き声は面白いですが、これって小説家の界隈にいないと知らないし、また、その発言に対する背景ありきの面白さなんですよ。

 なろう作家がよく言うよね、を知っていないと笑えない。

 漫画を読む多数の人は小説家のことなんて知りません。まして小説界隈のことなんて存在すら知りません。

 コミカライズから原作小説に手を伸ばす人が圧倒的に少数派なくらいは、小説家に興味がないのです。

 なので題材としては不適格でしょう。厳しい言い方ですが。

 創作に関わる人と関わらない人、どちらが多数派かはわかりますよね。その中でツイッターなどのSNSで界隈に入ってくる人はさらに少数です。

 これが間口の狭さです。

 商業では難しい理由です。

 

 とまぁ厳しいことを書き連ねてしまいましたが、最初に書いた通りこの作品そのものは面白いです。

 作者さんに地力は感じますので、最初から商品化やメディアミックスは考えず、奇をてらわない設定で範囲の広い作品を書けば普通にプロになれると思います。


 ダメだなと思ったら捨てるのも大事ですよ。

 私も自分では面白いと思ったものを山ほど捨ててきました。

 十や二十じゃないですよ。

 偉そうに書いている奴もそんなもんです。気落ちせずに。

 

4-10 山祇様の今日の無茶振り


 ここでもノストラダムス……! 三作品目ですよ!?

 私が知らないだけでリバイバル来てたりします? 世界が滅ぶんですか?


 漫画的に言うなら、天狗は二話目からの登場でもよかったんじゃないかな?

 一話の〆は最も大事な引きなので、たった一日だというのにこれは大変そうだ……! と思わせる出来事で〆るとよかったと思います。


4-11 旅に出た。世界を巡った。君より素敵な人はいなかった。


 これきっと第四会場で一番好きですね。

 まだこの11作品目までしか読んでいないですが、なんとなく確信として。

 こういうデカダンが見られるとは思わなかった。

 古き良き空気ですね。昔はこういう作品がもっと多かった気がします。というか多かったです。

 おそらく構成や空気が似ているのだと思いますが、松井優征先生の短編漫画「離婚調停」を思い出しました。

 財産分与するため地球を半分に切る旅をしている神様のお話です。


4-12 和戸ミコトの不思議な事件簿


 そうそう、今はハーフをダブルって言うんですよね。でもハーフエルフはいけるっぽいです。エルフに人権はないらしい。すぐ奴隷にされますしね(自作自虐ネタ)

 今進めている企画でヒロインをハーフにしようと思っていたらそう言われ、設定を全て変えました。

 余談でした。


 助けて村に人殺し、でいいのかな?

 改行の都合で村にの部分が「むつらに」になっていたのでちょっと自信ありません。これスマホでも同じ縦読みできるのかちょっと気になる。私はパソコンです。

 友達が村にいてさ、なんてヒントをあらかじめ配置しておいてくれたら助かりました。知らない土地に一人で行くのは~とあるので、村だと推理できましたが。

 

 一番気になったのでひとまず縦読みから反応しましたが、全体的によくできていると思います。

 ヒロインもちゃんと可愛いです。

 主人公との関係性もしっかりできていますし、特に指摘する点はないと思いました。


 シャーロット・ホームズ自体はどこかで見たことある気がする!

 まぁ最新版はこれということで、被ったネタは気にせずに。

 

4-13 絶対喪失記憶ンジャーになりたくないんですが!?


 粗さとわかりにくいところはありますね。

 名前全般が少々わかりにくいかな。

 でも全体的にはしっかりしていました。

 設定が面白い。

 トンデモ設定ですが説得力がありました。

  

4-14 竜操令嬢アルメリア〜小悪党令嬢とドラゴンレース〜


 面白かったです。また投票を悩ませてくれる……!

 キャラ立ちはしっかりしているし、設定をバッサリ切り捨てて見せ場から始めるのもいいですね。

 プロかそのレベルの人かな。

 レースという題材がどう受け取られるか(一応主人公は令嬢なので、あくまで女性向けとした場合)によりけりですが、全然書籍化しても不思議じゃないし、賞によっても取りたいところがありそうです。

 作画コストはやばそうですがコミカライズなんかも映えますね。

 一つ気になるとすれば引きですね。

 例えばコミカライズだと小説三話分くらいで一話になりそうですし、一話と二話はレース、三話で回想くらい思い切った構成のほうがレースらしいスピード感を表現できる気はします。少なくとも私はレースの続きのほうが気になる。

 

4-15 最弱ステータスの武器使い ~装備の力で最強……ではないが、とりあえず頑張ります~


 オーソドックスなMMOもの。

 短編優位の書き出し祭りでは目立ちませんが、まさに書き出しと言えました。

 本当に書き出しで書くと埋もれちゃうんですよね。

 タイトルは最強と言い切っていいと思いますよ。苦戦するかも、を提示するメリットは特に感じられませんでした。

 最強の力でランカーを目指す流れのほうが面白いと思います。

 

4-16 花旦秘華物語 ~後宮で国一番の女優を目指します~


 こちら木野先生の「コミカライズするなら感想」に応募してくださってますね。


 まず最初に、私は後宮ものも中華系もあまり詳しくありません。

 ですので技術的なところには触れられそうにないです。

 個人的な印象としては語句の難易度や漢字の多さが気になるので、そこをある程度代用語句にした方がいいのではと思いました。人名含めてそもそも固有名称が難しいので、ほかの語句くらいは簡単にしてしまったほうが間口は広がるかなと。

 一人称ならともかく、三人称であれば現代の言葉でも特に問題ありません。無論、セリフに関してはダメですけど。


 しかし大筋の話は非常にシンプルなので理解しやすかったです。

 要するに天才女優ものですね。

 これならば成功例はいくらでもありますし、中華後宮ものも成功例はたくさんあります。

 話のポテンシャルは全然商業化狙えるのではと。

 女性向けでもある程度格式高めのレーベルになりそうですよね。なろう拾い上げよりも書下ろしメインのような。


 ビジュアル面の難易度について悩んでいるコメントが付いていましたが、書籍を経由し、イラストレーターさんのキャラデザがあるコミカライズの前提ならば何一つ問題ないと思います。

 ゼロスタートの企画からなら確かにキャラデザ指示は結構重要なポイントになりますが、書籍の挿絵であればイラストレーターさんに頼る部分のほうが多いです。

 イラストに関しては漫画家さんやイラストレーターさんの出力レベルに文字書きは絶対追いつけません。資料だって比ではないくらい持っていますし、その扱いも当然プロレベルです。なので文字書きのうちはあまり気にしなくていいのでは? 

 作家はあくまで面白い作品を作ること、印象的なセリフやキャラクターを作ることに専念すべきです。

 まずは打診をもらうことだけ考えましょう。商品価値があると誰かが判断すればどうとでもなるものです。

 先を見すぎだと足元がおろそかになります。

 受験勉強を始めた段階で、いきなり大学生活のことを具体的に考えているようなものです。まずは受かることから。


4-17 癒しの力を使えない聖女ですが、ガチヲタゆえ【漫画スキル】で奮闘しますぞッ!


 主人公が気持ち悪い(誉め言葉)!

 今時こんなステレオタイプがいるのだろうか……!

 全体的にハイテンションですんなり読めました。

 説明集にならない程度に情報が配置されていたのも要因でしょう。

 これもプロ作家の趣味作品な気がしますね。

 塩梅に慣れを感じます。


4-18 蛇婚姻譚-hebinoharakara-


 蛇の腹から、で主人公が耳を当てる様子、蛇の同胞はらからで最後の一文というダブルミーニングかな。

 全体的に不気味で厳かな空気で進行していました。

 食べちゃいたいほど好きだったという意味なのか。

 

4-19 仕様です!〜魔具師は今日も咆える〜


 結構エロ要素で攻めてくるな……! と思いきや、そういうことだったんですね。

 話の展望が見えないので、そこの定義をしっかりすべきかなと。

 それと、マナーとしてエロはあまり入れないほうがいいかと思います。

 このレベルなら別段問題なさそうではありますが、自分のアカウントではなく、書き出し祭りのアカウントでの投稿になりますので、何かペナルティがあれば企画そのものが潰れます。

 私はノクタ出身で著作もエロの絡んだものばかりです。しかし書き出し祭りではエロに繋がるものは絶対投稿しません。

 肥前先生はもちろん、毎度楽しみにしている参加者の方々全員に迷惑がかかる可能性があるからです。

 それに一通り読む方は多く、そしてその中には女性も多いです。

 誰に読ませるのか。その意識は忘れないようにしましょう。

 

4-20 闘京デスティニーランド


 彼ら自身が頂獣……ということですかね。

 タイトルから夢の国を想像しましたが、夢のない国でした。

 

4-21 化け猫お兄さん、修道女に恋をする。


 聖女ノーチェとの絡みを書いてほしかったかな。

 メインはノーチェだと思うので、あらすじにあるような「悪い人」を見たかったです。


4-22 「私、勇者のお嫁さんになる!」と言って王都に向かった幼馴染が帰ってきた


 主人公が勇者だってことですね。

 それが実力を伴ったものなのか、救われたヒロインが主人公を勇者だと思い込んでいるだけなのか。

 おそらくまだ書き始めの作者さんだと思います。

 第一話の段階では主人公の視点に絞り、最後にヒロイン登場(主人公から見て)で〆ていいかなと。

 視点移動はせず主人公の一元視点で統一し、ヒロインから色々直接聞くほうが気になる引きを連続できますよ。


4-23 魔法が使えない俺は異世界で最強を目指すができるのか!?


 ハリーポッター的な魔法学園ものかな……?

 こちらもまだキャリアがない方だと思います。

 一番それを確信したのはタイトルですね。目指せるのか!? が日本語的には正しいです。

 ぶっちゃけ、今時転生転移は秒で終わるのがベターです。珍しかった時代ならともかく、そこに文字数を割く理由がもうありません。

 転生転移という語句だけで、何かを手に入れて成り上がっていく話だと予想できるスタートラインなので。

 いきなり学校からスタートし、そこで魔法が使えないことを馬鹿にされて、そこから成り上がりを目指す作りがいいと思います。

 学園の生徒全員を見返す(ざまぁ)できる作りですね。

 ハーラントの役割をヒロインに変えてしまえばもっとラノベっぽくなります。

 ハリーポッターがそれこそこの作りに近いので参考になるかと。


4-24 俺はラブコメを信じない


 最後ぶつ切り!?

 〆られていない以上、さすがに書き出しとしては評価できませんね。

 無自覚ハーレムということなんだろうなとは思うのですが、視点が群像的でちょっとわかりにくいかな。

 

4-25 あなたを呪いたかったんじゃないの


 面白かったです。

 書き出し祭りそのものの〆の作品としても上々ですね。

 受けた印象は、連載の二話目まで入れて、その二話目が途中で切れてしまった感じ。

 もう少し先の展開まで書かれていて引きになっていればもっと強かったと思います。

 もしくはラーラに正体を明かすところで〆。個人的にはこれですかね。

 別に4000文字使い切らなくてもよかったかなと。

 

 

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