第23話 想定外 (裏)
【訓練所】
あの試合から2年が過ぎた
最近は、徐々に魔物が活発になり強くなっている
俺の予想では、Sランク以上の魔物が現れてもおかしくない
だが、ミリスの特殊訓練のおかげで周りの生徒も強くなり、A級の魔物にも対処出来るようになっている
「ケンゴ、こんな戦法で強敵を倒せるの?」
フィナが不安になりながら言ってきた
「大丈夫だよ」
「次に出てくる魔物は、火と水に弱いはずだから」
俺が宣言しても、フィナの顔は不安になる
「ケンゴの言ってる魔物が本当に出で来るのかな?」
「都合良くホワイトドラゴンとレッドドラゴンが出で来るとは思えないだけど・・・」
確かに確信は無いが、俺が思った理由は、魔物が突然現れる場所である
この異世界の小さな離島を覗けば、一つの巨大大陸となっている
俺の住んでる場所は南の国サハマ、サハマの国から北側にアールマラッカの国が存在する
大陸の中心から東は大森林となり、人の開拓が困難な場所になる
ハサマとアールマラッカに挟まれながら西の小森林がある
西の小森林には魔物が少なく、狩りがしやすい動物がたくさんいて、開拓がしやすい場所でもあった
だが、アースドラゴンの討伐直前から未確認のAランクの魔物が急に増え始め、突然現れるので今では危険地帯になっている
小森林にいきなり凶悪な魔物が増えるのは不自然な状態なのだ
さらに魔物の種類もミリスが倒したブルードラゴンの形は蛇に近いと言っていた
俺が倒したアースドラゴンが亀の形をしていた
もし地球の転生者なら蛟、玄武、朱雀、白虎を知っている可能性の方が高い
なので白い虎又大型の猫、炎の鳥の魔物がいる可能性がある
だから転生者は召還のユニークスキルを、西の小森林に魔物を送ってる可能性が高く、特定の魔物を召還してるのだろう
その相手の行動に俺は不愉快であった
相手の召還者は、こだわって召還をしている
つまり、ゲーム感覚で召還をしているのだ
「ミリスが言ってたように魔力の向上とスキルの常時維持の訓練をしてれば強くなれると言ってたから頑張ろう」
フィナが頷き、空を飛ぶ訓練を再開する
訓練をしている時、騎士団の兵士が俺のところに来た
「例の魔物が小森林に現れた!」
「ミリス殿が先に向かってるので合流してほしい」
俺は兵士に質問する
「魔物はレッドドラゴンとホワイトドラゴンのどっち何ですか?」
兵士は悩んだ返答をしてきた
「一匹では在りませんでした」
「現れたのは二匹です」
「一匹はレッドドラゴンで間違いありません」
「ですが・・・二匹目の魔物は人の形をしています」
魔物なのに人の形をしている?
前世の世界の時、ゲームやマンガなどで魔物が人形に変身したりする場面がある
ほとんどが凶悪な強さで苦戦する内容が多いい
逆のパターンの可能性もある
人形から真の姿になり、凶悪な魔物になる可能性もありえる
人形は、要注意対象に変わらない
「フィナはミリスと合流して、レッドドラゴンを相手にしてほしい」
「俺は人形魔物を相手にする」
フィナが軽く返答する
「分かった」
俺とフィナは急いで目的の場所に向う
【西の小森林】
目的の所に付くと、騎士団10名がレッドドラゴンの進行を防いでいた
騎士団の少し後方にミリスとプリエルがいる
「無理に戦う必要はありません」
「防御と回避を優先しつつ、ゆっくりと後退するのです」
指示してたのはプリエルだ
冷静な判断で騎士を指示している
さすが姫様だ
プリエルの横にミリスがいたが、半泣き状態で行動をしている
あぁ、奥手なミリスには団体行動に付いていけないようだ
「ミリス、大丈夫?」
ミリスがこちらに振り向き、笑顔になる
「ケンゴ!」
「良かった」
「騎士をまとめるの私には無理だから、プリエルにお願いしてたの」
半泣きのミリスが可愛いと思いながら周りを見渡す
20メートル程のレッドドラゴンの裏から人影が出てくる
その姿は白い虎の顔、手足も獣の形をしている
それ以外は人の体だが、筋肉マッチョである
プロレスに出てきそうな、ホワイトタイガーマスク?
見た目に俺が驚いてると、虎マッチョが喋る
『オマエハ、テンセイシャカ?』
喋る事も驚いたが、日本語で話してきた!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます