第21話 偽称 (表)

あーやっぱりそうなのね


なんとなく弱いなーとは思ったのよね


「私と結婚を求めてるのに、見下すような態度もあったけど本当の目的は何なの?」


「それにAランク偽証してるでしょ」


ルガールが這いつくばりながら、うろたえる


「何を言っているのか分からんな」


あくまでも白を切るつもりらしい


何も話さないルガールの間にザウナが声をかけてきた


「ルガール様もうあきらめましょう」


「・・・ルガール様は魔力が全くありません」


ルガールが遮る


「やめろ!話すな!」


凄く慌ててるが、かまわずザウナが話す


「ケンゴ君とミリス先生が、ランクの偽証を疑ってます」


「もう、隠し通す事は無理です」


ルガールが地面に顔を向き、沈黙する


「・・・ルガール様は元から戦士としての才能も、魔導士の才能も有りませんでした」


「そして、弟のハイナムには魔導士としての才能が有った為、ルガール様は爵位の引き継ぐことが危ぶまれました」


「その為、裏金で入学後、ランクの昇格を得られましたが、いずればれてしまう恐れがあったので、魔力が低いミリスが威力の高い魔法を使えることを知り、調べていました」


「ですが、調べても意味が分からず困った末に、ミリスと強制結婚をした後に知識を得れば問題ないと思ったようですが、ルガール様の邸宅を破壊した後、村外れに住んでしまったので、魔物がいる所では、近寄れない状態だったようです」


「その後、どうしても魔法を使えるようにしたかったルガール様は、私の変身スキルに惚れ込み、孤児院だった私を養ってくれました」


「私は変身魔法でミリスの姿に変身をして、家に不在の時に、技術書の本を調べてました」


「そのほとんどが魔力が高い事が前提の魔法で、魔力の低い魔法が一部だけしか在りませんでした」


「なので一部の魔法を紙に記録して持ち帰り、私が試して見ると、すごい威力が有ることが分かり、ミリス先生を欲しがるのがわかりました」


ザウナが言い終えるとリリスが質問してきた


「でも、ルガール先生から魔法の模範をしてもらった事があるんだけど?」


するとザウナが返答する


「それは、俺が変身して魔法を教えていた」


なるほどね、だから私の魔法に似てたのか


これで私の勝利で決まりだと思ってると、ルガールが少し間を空けて言葉をする


「この試合の全てを無効とする」


何でよ!


弟だからルガールをかばうつもりなのかしら


ムカムカしてきて、魔力を込め始めた時に、ルガールが周囲に話す


「兄とザウナは収容所に移動してもらう」


「その後調査をした上で貴方たちをどうするか決める」


収容所、そこは犯罪を犯した人を調査と判決を取り締まる所である


生徒が学園で学び、力を付けてくると犯罪を行う人がたまにいる


その為、学園内に収容所がある


一般人などは、騎士団の収容所に収容することになり、その後に調査の判決を言われる


それよりも私はルガールに話す


「結婚の話や、家の請求はどうなるの?」


ルガールが今の状態に困惑しながら返答してきた


「結婚に関しては無効になるが、家に関しては兄に権利がある」


「だが、兄の爵位と土地の権利を剥奪される可能性がある」


「そうなると家は国で買い取り賠償の件は無くなる事になるだろう」


私は安心しながらつぶやく


「それは良かった」



【3ヶ月後】


ルガールが収容所で1週間の調査の結果、3か月の禁固刑と家の売却で得られた資金を国に返納する事で国からの追放で収まった


そしてザウナも同じ刑罰を受けて間もなく出所してくる


ルガールはザウナの暮らしてた隣国の村でザウナと一緒に住むことなったらしい


「それにしてもミリス先生が見送るとは思わなかった」


しゃべってきたのはハイナムであった


「ちょっと気になることがあるから来たのよ」


ルガールのスキルに関して気になった


ルガールは魔力が低く、属性適正もなかった為、魔法スキルを使うことができなかった


昔にルガールと似たステータスの人物が似ていたので、あのスキルなら使えるはず


しばらく待つと、城門の内側からザウナが現れる


「ミリス先生なぜここに?」


私は、ザウナに紙を渡す


「あなたにこれを渡そうと思って来たのよ」


ザウナが紙を見て驚く


「これは本当ですか?」


私は頷く


「あなたなら理解出来ると思うから、教える事はできると思うし、私も家を破壊したお詫びをしたいの」


「でも悪いことに使ったら、おもっきり家を破壊しに行くから守って下さい」


私から距離をとっているルガールにザウナが駆け寄り話している


するとルガールが泣きながら私に向けて一礼をしながら泣き始めた


そしてゆっくりと歩き始め、遠ざかって行く


「ミリス先生、何を渡したのですか」ハイナムが驚きながら話す


「あれはルガールの使える魔法テイマーの内容を記載した物です」


今まで私に怖い顔をしてたハイナムが優しい顔に変わる


「もし兄が若い頃に素直にミリス先生に教えてもらえたらこんな事にはならなかったのでしょうか?」


「多分学生の頃は私は歪んだ性格だったから、教えないと思います」


「周りに馬鹿にされて周りに仲間がいませんでしたから」


ハイナムが苦笑いをする


「確かに」


「あの時のミリス先生は、人を殺すオーラみたいな殺気がありましたけど、今はケンゴ君のおかげですかね」


学園生徒だった頃、幼馴染のロイスがいたが、学園では私と距離をとっていた


それはAランクから私を虐めに守れる強さが無く、怖かったと理解した


そして私と同級生で、私と同じ最下位ランクの落ちこぼれ生徒、ハルトも同じ様に虐めを受けていた


私と共通のハルトは、私と一緒に魔法を勉強していたが、学園から行方不明になった

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