第11話 学園生活 (表)

【学園入学日】


私とケンゴは宿屋から、学園に向かっていた


「ミリスさん、なぜ一緒に来るのですか?」


ケンゴが不思議そうに質問してきた


「それは私も学園に行く必要があるからよ」


不思議がさらに増えて困惑するケンゴ


詳しく言えば多分行けなくなると思い、ケンゴには伏せていた


そして学園前にたどり着く


「ここが学園か」


ケンゴが好奇心を寄せていた


「実はね、ここの学園の卒業生なのよ」


ケンゴが驚く


「えっ そうなの?」


私は生徒だった頃の話をする


「私は入学の頃は、下級クラスの魔導士だったの」


「ロイスも一緒に入学したけどその頃は、ロイスの方が上級戦士で強かったのよ」


「魔力が低かった私は悔しくて、魔力を高める訓練をしたけど、結果は思ってたよりも効果は得られなかった」


「魔力は一般並みの能力しかなかったけど、魔法の技術は他の魔導士を圧倒していた」


「卒業の時には、S級魔導士としてギルドに入ったのよ」


私の過去を話し終えると、フィナがいた


「ケンゴ」


「これから学園長に会いに行くけど、一緒にどう?」


ケンゴが笑顔で返事をする


「ああ 一緒に行こうか」


フィナが喜ぶ


私の事は無視ですか・・・


フィナがドアをノックする


「失礼してもよりしいでしょうか」


奥から返答が来る


「どうぞお入りください」


私も中に入る


フィナが不思議そうに話す


「なんであんたも入ってくるのよ」


その質問に答える


「それは、私もこの学園に通うからよ」


「先生としてね」


私は学園長を見つめると、ニッコリとしながら目線を送ると、ちょっと怯えている


実は、ケンゴの入学前に学園長に無理やり先生として、お願いをしていた


破壊の魔女・・・ 今となっては便利なあだ名だと思う


学園長が声を掛ける


「ようこそ入学していただきました」


「私は、学園長のガドリックと申します」


「この学園では3つのクラスに分かれて3年間学びます」


「クラスは戦士部・魔導士部・回復術士部になり、自分に合ったクラスを選ぶ事になります」


「もちろんクラスを途中で変更もできますので、自由にお選びください」


学園長の説明が終わると、魔導士の先生から寮の案内をあされる


「では寮の道案内をするから、付いてきて来い」


態度が悪い


しかも私を怯えてない、むしろ憎んでる?


それにどこかで会った記憶もある


思い出せないまま通路を進むと、魔導士の先生が止まる


「この部屋の左がフィナ様になり、真ん中が君の部屋だ」


「まったくどうして君がここの部屋を使えるのか不思議だ」


私とケンゴを見ながらつぶやいて帰っていく


何が不満なのかしら?


ケンゴが部屋の中を見る


「すごい」


「どこかの宮廷なのかと思うほど広く、綺麗だよ」


普通は男女の部屋は階が違う


しかもここの階は部屋が3つしかない


つまり、ここの階は特別な部屋になる


私、そこまで部屋の強要したかしら?


そのような事を考えながら部屋に入ろうとするとフィナが制止する


「ちょっと待った」


「なんであんたも中に入るのよ」


フィナが焦りだす


「なぜって」


「私もケンゴと一緒の部屋で過ごすのよ?」


フィナが反論する


「いや、まずいでしょ」


「一応先生と、生徒で一緒の部屋で過ごすのは問題でしょ」


私は言い返す


「一応私はケンゴの保護者であるのよ」


そんな事を言い争うと右側のドアが開く


その人物は金髪のロングで身長が高く、私は顔を見上げる状態だった


私の身長の低さが引き立つほどである


その女性が急にケンゴに近寄る


「あぁ やっと会えた」


「あなたを探していたのよ」


金髪の女性がケンゴにキスをした


「え?」


私とフィナはその光景に硬直してしまった

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