第9話 レジェンド (表)

【宿屋】


魔物に家を壊された為、宿屋で寝泊まりをしている


そして、ケンゴの言葉を思い出す


{俺の女に何しやがる!}


あの言葉で私は、ケンゴの事を異性として意識してしまった


だけど、近くにはフィナがいた


もしかしたら彼女の方に言ってたのかもしれない


それに、私の中で母親としての壁がある


その壁を壊してしまったら、私の感情を抑える事が出来ない


だから、ケンゴから距離を取り、落ち着こうと思った


「ケンゴ」


ケンゴがこちらに振り向く


「ミリスさん、何か様ですか?」


私は、意を決意して話す


「来週から学園に行きなさい」


ケンゴが困惑をする


「ほとんどの魔法が扱えるのに、学園に行くの?」


ケンゴが不思議そうに聞いてきた


「そうよ」


「でもケンゴが行く所は、戦士部よ」


「あなたの戦闘スタイルが、接近魔法タイプだから」


ケンゴがすぐに理解した


「分かったよミリスさん」


そんな事を話してると、フィナが部屋に来ていた


「ケンゴいる?」


ケンゴがフィナに近寄る


「何だい?」


すると、ケンゴの腕を取りながら、フィナが話す


「大事な話があるから、家に来てほしいだけど良いかな」


フィナは、ケンゴの腕を引っ張り、歩きだす


ケンゴを家に連れていく


凄い大胆な行動をしてくるなんて


私は、気になりフィナに質問した


「大事な話しって何かな?」


顔をひきつりながら、聞いてみた


「それは・・・ 色々よ」


フィナが言いたくなさそうな素振りだったので、私も付いて行くことにした


【ロイスの家の前】


私は、ケンゴとフィナの後方で歩いていた


「・・・」


「何で付いてくるのよ!」


来られると困るのか、イラついていた


「ケンゴの人生に関わるのなら、私にも聞く権利があると思うけど?」


言い返せないフィナの顔がムスっとしていく


何も言えなくなったフィナから


「分かったわよ」


そして客室に案内されて10分ほど待つと、ロイスが入ってくる


「お待たせしてすまない」


ロイスが座ると、真面目な顔で話してくる


「この前の大型魔物の退治してくれて感謝する」


「あの時、倒してくれたのがケンゴ君だって娘から聞いた」


「そして、娘を助けてくれてありがとう」


私は、ロイスに質問する


「ケンゴが倒した魔物は、回りの人々には伝えてしまったの?」


ロイスが返答する


「いや、一部のギルドと、王族しか伝えていない」


「だが、あれだけの騒ぎが起きたので、魔物の事は隠しきれなかった」


「あの魔物を、S級第2災害:アースドラゴンと、記載された」


あの魔物が、S級?


あれはそんな強さでは無かった


はるかに超えた存在である


「あれはS級とは言えない」


「私の魔法では、全く通用しなかった」


ロイスが分かってたのか話し出す


「実は国王から言われた事がある」


「S級を超える災害が発生した時、神からの使者が現れる」


私と、ロイスがケンゴを見る


さらに、内容を知ってるフィナもニッコリと微笑んで、ケンゴを見つめてた


「その使者の事を、R級レジェンドと」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る