第7話 S級を越える魔物 (表)

ケンゴが10歳になり、私は今、魔法の研究をしていた


ケンゴの使った魔法陣に対して色々と調べて分かった事は、魔法陣が大きければ大きいほど、威力が増す


逆に小さいと威力も弱いが、比較的簡単に魔法陣を出すことができた


そして新しい技術を発見しては、ケンゴに見せる


少し悲しいけど、ケンゴが成長していく姿は、凄く嬉しい


そんな事を思いながら研究中に、ドアノックが聞こえた


私は玄関を開けると、目の前には赤茶の髪にセミショートの女、フィナがいた


「何用ですか?」


そっけなく話す


「・・・仕事の依頼よ」


又討伐の依頼が来た


最近、魔物の動きが活発になってきてる


しかもA級災害の魔物が増えて来て、内部の剣士や魔導士では困難になってきてる


そこで、S級の私に依頼を頼んでる状態だった


報酬と内容を聞いてると、フィナが周りを見渡す


「ケンゴはどうしたの?」


私は何も気にせず返答をする


「ケンゴは、今討伐の依頼をこなしてますよ」


フィナが驚くように話す


「はぁ?」


「10歳の子供に、魔物の討伐に行かせたの?」


「あなたの依頼は、A級クラスの依頼なんだけど」


信じられないと顔をして来た


「そんなこと言うけど、あなただってここに来て依頼するのも変じゃない」


「普通は、ロイスが来てお願いするのが常識でしょ?」


フィナはちょっとムスッとしながら返答する


「それは、あなたのせいでしょ」


「昔、街中で爆裂魔法で暴れたせいで、父さんは、あなたを怖がってるうえに」


「辺境伯だから魔物の襲撃多発で最近は忙しくて、家から出れない状態なのよ」


私は気まずい事を言われてると、遠くから地響きが鳴る


「何?」


私は、外を見る


そこには、巨大な丸い甲羅を背負った魔物がいた


始めてみる魔物に驚愕をしてると、その魔物がゆっくりと町に進んでる


私は、魔法を放つ「エクスプロード」


一瞬だが、動きが止まるだけで、ダメージは受けてなかった


魔物は、口から水溜りの魔力を吐き出す


フィナを抱えて、必死に避ける


かろうじて避けた先は、跡形もなく消し飛んでいた


「4年間住んだ家が・・・」


私はさらに爆裂魔法を連続で打ち込むが、全くダメージを受け付けない


フィナが呆然とする


「何なのよ、あれほどの威力で、無傷なのよ」


フィナが怖がってる


私は、焦りだした


もうMPがもたない


又、魔物は口から水の塊を吐き出そうとしている


しかも先ほどとはけた違いの大きさで


私は、死の恐怖を感じた


避けきれないのが分かり、諦めた瞬間、ケンゴの声が聞こえた


「波動砲」


光線の様なものは、魔物の顔に直撃した瞬間


魔物の顔が大きく振り返り、水の塊が違う方に飛んで行った


目の前にケンゴがいる


「俺の女に何しやがる!」

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