第6話 令嬢フィナ(裏)

翌日、なぎ倒した木をミリスさんが魔法で空中に浮かせて木を型どり、新しい家を組み立てている


「凄い」


繊細な操りで、巧みに操作していた


「ミリスさん、どうして新しく家を建てるの?」


まだ利用できる家があるのに、新しく建築をしていたので聞いてみた


「前の家だとプライベートが無いから、ケンゴの部屋を作る為よ」


「ケンゴも母の部屋と一緒は、嫌でしょ?」


本当にそうなのかな?


なにか目的があって、してるような気がするけど


「それだと今後は、一人で寝る事になるな~」


俺が呟くと、素っ気ない返事が来る


「そうね」


俺はミリスさんを煽ってみる


「俺は、ミリスさんと一緒に寝たいけどな~」


すると集中がそれたのか、浮いてる木が落下する


俺は気になり、ミリスさんの顔を見ようとしたが、背を向ける


「なっ・・・ 何言ってるの!」


ミリスさんの顔が、どんな表情なのか、なんとなく想像ができる


だけど俺は、マインドサーチをしてみた


年齢26歳

体調:普通

感情:熱意

愛情:4500


最近になって愛情が増えて来てる


最初の頃は、1年で100しか上がってなかった


多分、俺の事を意識し始めてるようだった


ミリスさんが建築の作業を再開してた時、後方から誰かが近づいてくる


近づいてきた人物は、20代後半の男と、隣に俺と同じぐらいの年齢の女の子がいた


更に、ちょっと離れた場所に剣士の男2名が、待機していた


20代後半の男が、ミリスさんの所に近づく


「久しぶり」


「元気にしてたかい?」


ミリスさんは振り向き、その男を見た瞬間、口がへの字になりながら汚物を見るような眼差しになる


「えっ!?」


「ロイス」


ミリスさんは、また木を落下させて、不機嫌なお顔になる


「ミリスさん、この人は誰ですか?」


俺は、この男が気になった


「この人は元カレよ」


「何しに来たのロイス」


その質問にロイスは


「昨日、村の住民から森の方で大きな音があったと報告があったので調査しに来たのさ」


「最近、B級の魔物が活発に行動してる為、村の被害が多くなってるのでね」


ロイスの話を聞いて、ミリスの目がさらにきつくなる


「その騒音の原因は私よ」


「木をなぎ倒して、家を作り直してる所」


「それにこの周辺の魔物は、私が倒してるから、森の奥深くまで行かないと遭遇しない」


「それとも、騒音で迷惑をかけた私を、捕まえに来たの?」


こんなに強気な態度を取るミリスさんは、初めて見る


「いや・・・ そんな事はしないよ」


「ミリスには狩のおかげで、一部の村は平穏に暮らせてるから」


ロイスは、怖がりながら後ずさる


その時だった


「やっぱり、破壊の魔女ってのはまんざら間違いではないのね」


女の子が、ミリスさんに向かって声をかけて来た。


「あなたは誰なの?」


ミリスさんが女の子に目線を向ける


「私は、父ロイスの娘、フィナよ」


「父さんが、ここに来るのを怖がる理由が分かったわ」


内容が分かった為、ロイスはミリスに軽く礼をして、すぐに帰った


ミリスは昔の事を思い出したのか、悔し涙をしていた


「ミリスさん・・・ 手伝うから家を作ろう」


お互いの魔法で木を組み立てたので、1日で終わった


とりあえず疲れたので、今日は早く寝る事にした


しかも、自分の個室である


寝静まった頃に、ドワノックの音が鳴る


「起きてる?」


ミリスさんが夜遅くに俺の部屋に入る


「どうしたんですか?」


質問すると、モジモジしながら返答する


「一緒に寝てもいい?」


俺は即答する


「一緒に寝ましょう」


ミリスはすぐに寝てしまった


俺も眠り着く前にサーチをする


感情:寂しい

愛情:6000




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