第5話 潜在能力(表)

ケンゴが来てから6年が過ぎた


正直、ケンゴの育児に手間がかかってない


言葉も理解して、話せる段階で普通の幼児とはかけ離れてる


しかも最近は、私が書いた魔導書を読んでいる


私の魔導書を理解してるのかは分からないが、大人でも理解できないほど高度な魔法になる


その理由として、一般的な魔導士は、言葉で形を作る詠唱型魔法である


だけど私のは、心の中で形を作る思念型魔法と詠唱魔法の複合型魔法にする事で、魔法の威力が高まる事が出来る


ケンゴを見つめながら思う


でも毎日読んでるのよね・・・


それに、隠れて何かしてるような感じもするし・・・


「ケンゴ、私の魔導書で試し撃ちしてないよね?」


ケンゴの顔を見つめる


「・・・」ケンゴが目をそらす


ミリスは渋い目線を送る


「したのね」


ケンゴは諦めて白状する


「自分なりの考えた方法で試しました」


私は不安になる、魔法は型が崩れると暴発するか、不発になる


「ケンゴ、外に出てちゃんと発動してるか見せてちょうだい」


「うん、分かったよ」


ケンゴは素直に返答する


外に出て、ケンゴが魔法の力を込め始める


ミリスがドキドキしながら眺める


ケンゴが思念と詠唱を発動する直前、手の先から光の文字が見え始めた


「えっ!?」


ミリスが何が起こったのか理解できない状態だった


その光は形を作り、魔法陣になったのだ


そしてケンゴが放つ


「エアロ!」


放った空気は、大量の木をなぎ倒し崩れる


ミリスは口を開けたまま放心状態だった


「はっ!」


ミリスは数秒がたち、我に返る


「ケンゴ! 何をしたの?」


ケンゴが、にっこりと話す


「えっと、詠唱と思念で2倍になるのなら、魔法陣で増やせばさらに威力が上がるのかなって」


私の魔導書を超える理念であった


さらにケンゴはとどめを刺してくる


「しかも魔法陣なら、重ね掛けが出来るから、さらに威力の増幅が出来るんだよ」


私のプライドがへし折られたような気がした


そして森に向かって、魔力を力任せに魔力を込めて放つ


「エアロ・・・ エアロ・・・ エアロ・・・」



その状況を見たケンゴは


「ミリスさん、ちょっと何してるの!」


「森がダメになるよ?」


だがミリスの返答は


「お母さんと呼びなさい」


ケンゴが慌てる中、私はストレスを発散した

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