第4話 名前 (裏)
病院から帰ってからミリスさんが悲しげに本を読んでいる
俺は励ます為、名前を呼んだ
「ミリス」
するとミリスは驚きながら笑う
さらに俺の名前を考えている
そして、名前が決まった様だ
「あなたの名前は、ケンゴ」
俺は生前の名前が出てくるとは思わず、笑ってしまった
そして寝静まった頃、俺はミリスさんに向かって魔法を放つ
ミリスのステータスパネルが浮かぶ
ミリス20歳
体調:良好
感情:やや不安定
愛情:250
これは通常の鑑定とは違う
このスキルは心の鑑定なのだ
相手が俺に対してどの様に思っているのか分かる
特に重要なのが、愛情値
この数値が高いほど、俺の基本ステータスが高くなる
最強スキル、マインドサーチとラブパワーなのだ
これを選んだ理由には、生前の記憶もある
生前の時はプロゲーマーで有り、いろんな仲間と情報交換していた為、知識もたくさん有る
もちろんこの世界とゲームでは違いはあるが、共通点はある
とりあえず今後の方針を決める為に、ミリスさんの事を調べる必要がありそうだ
翌朝になりミリスさんが村で買い物しに行くようだ
俺はお留守番になり、ミリスさんの本棚を見渡す
すると、日記と書かれた本がある
俺は気になり本を読む
《13歳の秋》
ブルードラゴンが国を破壊していた
私は全力で戦い倒した
そしてS級魔導師になり、嬉しかったが、人々が私から遠ざかる
なぜだろう?
《13歳の冬》
付き合ってた彼から婚約破棄をされ、別れ話をしてきた
理由を聞いても、教えてくれない
《14歳の春》
ある日、伯爵家の男性と強制に婚約された
私の親はヘラヘラと笑い、私が嫌がっているのを気にもしなかった
私は理解した
伯爵の男は悪い噂を流し、S級魔導師の私を利用して、爵位を得ようとしていた
私はキレて、伯爵の邸宅を破壊した
国王からドラゴンを倒した功績によって罪には問われなかった
その後、親から家を追い出されて、村外れに家を建てた
《15歳夏》
噂で、元彼が結婚した
どこかの令嬢と結婚したらしい
私には誰もいない
孤独だ、寂しい
本を読んでいると、玄関のドアが急に開く
ミリスさんが買い物を済ませ、戻ってきたのだ
俺が本を見てる事にミリスさんが気がつく
「あぁ・・・まさか・・・読んでる?」
気まずい空気になった
「いや~、見ないで~」
物凄い恥ずかしがってた
その後、ミリスさんの日記には、鍵付きになった
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