15話 最高の相棒~鋭い嗅覚~

 ――ワンワン!


 今度は何よ。


 私は、尻尾を振りながら駆け出して行く犬の後をついていく。すると、ここの建物の裏手にある地面に埋められた金庫に案内してくれた。


「こんな所に金庫……見逃してたわ」


 危うくこのまま去る所だった。犬に感謝だね。


「って……開けれないじゃん」


 金庫の鍵の上に浮かび上がるように、文字列Easyが表示された。

 鍵開けには種類があって、ゲーム通りならLockpickロックピックのランクによって、開けられるものが決まっている。


 どうやらここの金庫は、まだ私の技能じゃ開けられないみたいだ。


 ぬか喜びか……。


「はぁ~じゃあ町に行くか」


 私は金庫を開ける事を諦め、ここからすぐにあるはずの街……というか酒場に行く事にした。


 酒場にはNPCがいて、物の売買をしている人もいる。たまに酒場や町以外でも、そこら辺の小屋とかでばぁさんが売買してる時もあるけど。

 でもまぁ、ほとんどは酒場とか町に商人はいるかな。


 このゲームは、その商人が持っているキャップ以上には取引出来ない。

 まぁ当たり前っちゃ当たり前だけど、ほとんどのゲームでは持ち金とか関係なく、いくらでも売る事が出来る。


 でもこのゲームは違う。


 基本何でも買い取ってくれるけど、その商人の所持金を確認しないと、えらい目に遭う。


 自分のいらない物を売って、その商人の持ち金を増やして、ほしい物を買う。これが基本。

 ブラドパックは見つけたら絶対買った方がいいね。

 あって困るって事ないし、無くなる事はあっても、有りすぎて困るって事はないと思う。


 ちなみにキャップというのはこの世界の通貨。

 こんな世界になった今、札束なんて何の意味もないのだ……。稀にコレクターが、戦前のお金として買い取る場合があるが、そこまで価値はない。


 みんなプッカコーラのキャップを通貨として使っているのだ。

 その中でもプッカコーラ・クリムゾンというレアなプッカコーラは価値が高い。他にもプッカコーラ・ベリーやプッカコーラ・メロンなど、様々な種類がある。

 そのレアプッカコーラのキャップを集めているコレクターが存在のだ。

 その人の所にレアキャップを持っていくと、通常のキャップやアイテムと交換出来たりする。


 まぁ、この世界・・・・では存在するか定かではないが……。




 ――発見 リアの酒場 EXP10




「着いた、着いた~」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る