第5話 鏡


「今回はあなたがどんな心の持ち主か試してあげるわ」

「いきなりラーの鏡気取りか。心なんかどうやって試す?」

「ひぎぃいいおっおほぉおおお!」

「なんだなんだ」

「今の何だと思う?」

「気が触れたんだと思う」

「わたしは正気よ」

「正気でそのスペックだから困る」

「もう一度いくわ。ひぎぃいいおっおほぉおおお!」

「二次元ドリームコミックスのアフレコ?」

「ドスケベだわ」

「おまえが変な声出すからだろ」

「わたしは秘技ぃいいおっおほぉおおお!

と言ったのよ」

「ひぎ隠しておほ隠さず!」

「完成型は秘技ぃいいオッオ砲ぉおお!よ」

「オッオ砲ってなに」

「端的に言うと口からビームよ」

「汚えアラレちゃんだ」

「このように、失楽天や永遠娘やメガストアαを愛読している者には言葉がエロく聞こえてしまうの。実像を捉えてない的外れな解釈はその人間が生み出した鏡像という事ね」

「おいあたしが古今東西のエロ本読んでるみたいに言うなよ。だいたいひぎぃおほぉは普通にエロい言葉だろ」

「そうかしら。一般のお子様やお年寄りがエロマンガを連想するほどとは思えないけど」

「むぐぐ」

「まだ試験は続くわ。

メロンブックスの奥の方キングと呼ばれたくなければ挽回してみせなさい」

「くっ、メロンブックスの奥の方をスラム扱いしやがって…確かに臭くて汚い時もあるが、それは臭くて汚い奴がいる時だけなんだぞ」

「いくわ。ん〜はむっ。んじゅるじゅるっ…んふ〜っジュプッジュプッジュプッ!あむえろれろふはぁ〜っ」

「うわーもうアレにしか聞こえねー…。

でもまあ流れ的には排水溝の掃除とか?」

「わたしがチョコバナナにむしゃぶりついてる音よ」

「そのまんまじゃん!」

「引っ掛けだけでは試験として成立しないでしょう。カマトトでやり過ごそうなどとは考えない事ね」

「想定の3倍めんどくさいな…」


「次。くぱぁ」

「えーと牛乳パック開けた?」

「わたしのイソギンチャクが獲物を探して蠢く音よ」

「しまえ!その陸釣りの外道をしまえ!」

「ほーらほーらぬーらぬーら」

「しまえっつってんだろが」

「はいお守り」

「キエーッ!ボカッ!」

「痛いわ」

「殴られた実像を捉える程度には理性を残していたか」

「わたしは正気よ」

「狂気であってほしかった」

「次。ザザンザーザザン、ザザンザーザザン、ザザンザーザザン、ザザンザーザザン」

「電波障害かな?」

「快楽の波が高まるさまよ」

「よーし怒られろ」

「オ〜ウイエ〜ス…ザザンザーザザン!

ザザ、イエスッイエスッ!ザザーン…!」

「用例を示さんでいい」

「メロスはザザンザーザザンした」

「激怒しろ。なんで圧政くらってギンギンなんだ」

「次。ぶひぃいいありがとうございましゅうう!」

「直球で…調教!」

「部費ぃいいありがとうございましゅうう!よ」

「モンスターペアレントの弊害がモロに出ているな」

「下校時は『生徒の帰投守護いのほぉおおお!』よ。生徒のために全てをなげうった気高き姿だわ」

「水が清すぎるとヘンなのが住みつくんだなぁ」

「次。ドビュッドビュッ!

ドビュルルルルルッ…!ふう…」

「今度こそ直球だ。射精!」

「ドビュッシーの曲で興奮してる人よ」

「落ち着いて聞けよ!あとドビュッはわかるけどドビュルルルルルッってなに!?」

「ドビュッシーの鑑賞を通の間ではドビュると」

「絶対言わねえ。じゃあ最後のふう…は?」

「果ててるわ」

「落ち着いて聞けと言ったのに…」

「まあ△をあげるわ。

次。(グポンッ)おうっ!(グポンッ)おうっ!」

「()の中は効果音か。…あーもうエンジェルコミックス的な映像しか出てこねえ〜…。アナル拡張!」

「歩くジムと酔うパイロットよ」

「これは正直ジムが悪い」

「結果発表よ。あなたは体裁を気にするむっつりドスケベ女だわ」

「普通だな」

「普通だわ。こんなメロンブックスの奥の方キングどまりじゃだめ。

もっとエロんエロんになりなさい」

「あれっ、そっち方面に怒られるの?」

「スーパースケベ人間ゴッドスーパースケベ人間になれるまで精進なさい」

「地球人でいさせてくれ」

「今回は以上よ」

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