第11話 グループの覚醒に向けて①
私が長年に渡り、注目してきた日本の神。アレンを将来託す神。
それが中筒男命である。
彼は力こそ弱い。
他の外国の神々に比べても戦うなどできず、汚れにも弱い。
ただ、学者のような頭脳を持ち、何かについてはかなり集中して知識を取り入れ、実践している。
また、内側にあるあの精神の強さは、稀に見るくらいな男だった。
シリウスが初めて中筒男命に会った時の姿は私も正直驚いた。
また、さすがだとも。
シリウスは表面の中筒を見たのではなく、内側にいる自分にはない類稀な強さに圧倒されたのだ。
それが分かるのがシリウスだけだった。他の神々は、全くわからないようだった。
また、ジャンからも同じく、中筒がただならぬ者ではないと感じていたようだった。
早速、我々が用意したグループ覚醒に向けての取り組みが始まった。
アメと夫婦だった中筒の記憶を一部消し、1つ下の階層にて取り組みが始まる。
ひかりとアレンに出会うのだ。
二人で1つのひかりを中筒は大層可愛がった。だが、その可愛がりは普通とは違い、「育てる」「教育」と言うものに近かった。
私達はまずは狙い通りだと見守っている。
次第にひかりからアレンに代わると中筒はアレンに特別な感情を持ち始める。
アリオスも中筒の元に登場させ、感情の渦が巻くのがわかる。
中筒の中で起こる嫉妬や、独占欲、恋心。
それまで経験した事のない感情に中筒は冷静さを失っていく。
それらをじっと見ては次々に開花する中筒の感情を観察していた。
アリオスとの仲は険悪だった。アレンとアリオスの絆が中筒を刺激し、さらなる感情を開花させていく。
その様子を妻であるアメもまた見守っていたのだ。
自分の知らない夫がそこにはいたのだ。。。
アメの内側にも変化が見られていた。
嫉妬らしき感情。そして幼き娘達からの感情。アリオスの感情。
全体を冷静に見ながら、中筒の変わりゆく姿を妻アメは只々見ては、自分自身の感情と向き合うのだった。。。
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