第6話 神々を成長させる使命
シリウスはヒンズーの神々の中にいた。又、妻を側に置き幸せな日々を送っていたようだった。
アレンとは兄妹である。
シリウスはアレンとの遥か昔一緒に過ごした記憶等は全て私が消し、まっさらな状態でのアレンとの再会をはたす。
アレンは、赤子ではなく、まだ幼い女の子として、ヒンズーの元に降ろされた。
預けたのは勿論、創造神である、ブラフマーである。
アレンは、使命である特徴から、神々を引き寄せた。
ブラフマーはアレンの様子を見ては、神々が如何にして成長を遂げるのかを見守っている。
只々、可愛がっているだけの神もいれば、強烈に惹かれていく神もいた。
私は創造神達とアレンの使命がどれたけ、通用するのかを見届けていた。
そして、私の横には息子のジャンもいた。
ジャンは、シリウスが強烈にアレンに惹かれる様を見ながら、片時もアレンから目を背けなかった。
アレンがどの様な感情を持ち、どうなるのかを。
また、シリウスだけではなかった。神々の中でアレンに特別な感情を抱きながらも、シリウスのアレンを思う感情に自分の想いを重ねる者もいる。
そして、その夫を感じ取る妻達の不安、苦悩。。。
私は、この構図こそ、神々の成長に繋がると考えている。
自分の愛する夫が、この幼きアレンに惹かれていくのだ。
女性同士。。ではなく、相手は自分よりも、遥かに幼い娘。
しかも、彼女達ですら、アレンに惹かれている。
可愛いくて仕方ない。我が娘のようなアレンを巡り様々な感情が交差するのだ。
神々の精神は、人間、人と同じでは、ならない。
人を教え、導く者達が如何にしながら、自分の内側に広がる感情と向き合い、諌め、自分自身を導けるか。
これこそが、アレンが彼らに遣わされた理由である。
だが、事態は、思わぬ方向へと向かうのだ。
そう、シリウスがアレンに傷をつける事に。。。
抑えきれない感情にシリウスは間違いを犯してしまう。
それだけ、シリウスの精神は未熟であり、幼いと言う事。
ジャンは、兄として、横でため息をついていた。
シリウスの間違いにさらなる感情の渦が巻き上がる。
そう、憎悪と言う感情だ。
ジャンは、アレンの中に広がる闇を感じとり、このままでは危険だと察知した。
夫の間違いにより、シリウスの妻はアレンに憎悪を向け続けた。
アレンは、次第に闇に呑まれていく。
ジャンは、とある木に自分自身を一体化させ、アレンを自分の元へ引き寄せた。
限界が来ていた妹、アレンを救うべく、最期にアレンを枯れた自分自身である木に吊るし上げ、父である私の元へと連れ帰ったのである。
目の前で瀕死の状態のアレンを最期にシリウスは勿論、妻である女神は、消えゆくアレンを最期まで見届けた。
その最期は、彼らには強烈なものだった。何より、幼い只の娘の命を奪ったと、女神は泣き叫んでいたのだ。
そこから始まるのである。
彼らの精神の成長と言うべく、アレンの使命がだ。。。
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