第4話 光の中にいた頃 3

信じない 信じたくない

絶対 見ない

絶対 聴かない

張りさけそうな心を押さえながら

震える体を抱き締めた


雨は私の体に降り注ぎ

凍り付いた心を溶かしていく

体に付着した異物を落としていく

涙は雨と混じって地面に吸い込まれていく


雨と一緒になって消えることが出きたら

どんなに幸せなんだろう

どんなに楽になるんだろう


もう 終わりにしたい

この長い「生」にピリオドを打ちたい


私の瞳は何も映らない

私の耳は何も聴かない

私の体は全く動かない

でも 心臓はまだ「生きよう」としている


「生きる」ということは

なぜこんなにもこんなにも辛く苦しいのだろう

ただただ忙しく毎日が過ぎていく


こんな世界の幸せって何?

朝起きて 学校に行く

勉強して 御飯食べて

毎日が何かの儀式のように繰り返し行われる


だから こんな世界の幸せなんて

信じない 絶対信じない

絶対 見ない

絶対 聴かない

雑踏は 何も見ない

雑踏は 温かい心を知らない

雑踏は 人々の感覚を奪っていく


土に還りたい・・・・・・


雨と一緒に・・・・・・

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