第78話 厄ネタ
かつて、とある世界があった。
その世界は、初めて出来た世界だった。
故に、
もしくは、基盤型世界。
端的に、その世界は全ての情報の処理や演算、諸々を含めた世界の全てを、
やがて、
そうして初めて、
そして、己の従者を真似、その世界にあるモノを仕込んだ。
十六人の
理を越えし者。
極一点においてのみ、理を越え、
世界の終始を記録する
そして、
結果、
おそらく、
それは、彼ら権能者でさえも例外には当てはまらず、等しく消えた。
筈だった。
彼ら権能者は、十六の権能全てを一人の権能者に預けて、消えていった。
そして、その権能者は、全ての情報が消え、再構成された世界で生き続けた。
その魂全てが権能に置き換えられた影響か、その記憶を失う事はなく、転生を繰り返し、やがて七十億年が経った頃、
その代の権能者と共に、かつて仲間から託された世界を守るため、彼は戦った。
そして、勝つ、勝つ、勝つ。
やがて数えきれぬ程の
彼が世界に牙を向く
崩壊は一瞬だった。
あれ程繰り返した世界が、これ程簡単に消えるとは。
当然の帰結である。
超越者は興味を失い、無限の
ならば、どうして世界ひとつをやり直す事が出来ようか。
その世界崩壊の際でその
憤怒か、憎悪か、或いは安堵か。
─────けれど、嗚呼けれど、彼が何を思ったにせよ、何の感慨も感じなかったにせよ、結末は変わらず、
幾度に渡る
更に、彼自身の魂の位階も、上がっていた。
結果として、彼は世界が崩壊した後も存在し続けた。
そして、長い長い「有限の泡」での旅の末、彼は新たな世界へと辿り着く。
最新の世界にして、無限に近い、けれど限り無く有限の可能性が広がる世界へと降り立ったのだ。
◆◆◆
「って言うのが私の知ってる「旧き者」についての情報よ」
レイラは一通りを語り終え、因みに、貴方はどう思うの?と聞いてきた。
「まぁ、その旧き者とやらで間違い無いだろうな」
こうなってくると、旧き者の異物、と言うのは、旧き者が持ち込んだ物、と言う意味か?
いや、そうなると叢雲は、
有限の泡と呼ばれる世界を包む不安定な空間は、その外にある無限世界に有限世界が取り込まれないようにある防護膜のようなモノだ。
その中に五体満足で存在し続ける為には、少なくとも世界一つ分の
故に、叢雲は旧世界で作られ、此方に持ち込まれた訳では無く、此方に着いた旧き者とやらが此方で作った物。
それが叢雲、なのだろう。
この世界とは異なる者に作られた「異」物。
そうなると
「なぁ、一つ聞きたいんだが、その旧き者とやらは、世界を思うように移動出来るのか?」
出来ないのであれば、この世界にまだ留まっている事になる。死んでるかも知れんが。
まぁ、俺の予想があっていれば、恐らく移動出来ないが。
「無理ね」
いわゆる、インフレってあるだろ?
最初にいたキャラが後々出てくる概念に付いていけず、置いてかれるアレだ。
「なら」
「えぇ」
「「恐らく、まだ旧き者はこの世界にいる」」
降って湧いた厄ネタは、味方か、はたまた
どちらにせよ、
「まぁた、考えることが増えた……」
欠月はそう言って頭を抱えた。
有限の泡
存在出来る最小単位が「世界」を想定し創られている為、世界未満の
有限世界
言葉通り、有限の世界。
その形態に捕らわれず、いつかは終わる世界。
具体例は種子型世界や基盤型世界。
Q 最小単位「世界」って何?
A それ一つで完結しているモノ。
個人、村、或いは国、或いは星、或いは宇宙。
それ一つで完全に完結していて、他者と関わる必要の無い
観測者によって
Q この世界の北欧神話とかの
A 彼らの神話は彼らが種子型世界に存在していた時までの事です。
他の神話にも共通して言える事ですが、殆どの神々は物理法則やその他
つまり神話の最後は誰かが勝手に補完した訳です。
因みに、旧き者の居場所は明言されてはいませんが、作中には出てます。
有りますね、一つだけ明らかにおかしい所。
例えばそう、それは終焉の外理が展開した世界のような、理を剥ぎ取る場所。
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