第43話 マ???????

マ???????

か、加入、確かに加入だ!

仮って文字が何処にもねぇ!

なんで!?

なんで今っ!?

お、落ち着けぇ!いったん落ち着くんだ!

…………

ヨシッ!落ち着いた。

……まず、条件はなんだ?

レベルか?いや、それはない。

ステラのレベルは38。

一定以下……例えばレベル40以下が正式加入条件だったら葉月はとっくに入れてる。

同じ理由で、一定レベル以上の線もほぼない。

となれば……なんだ?

神と関係があること?いや、それだと限定的過ぎるしレイラはバチクソ神だ。

えぇっと、後は……スキルとかか?

……うん、検証のしようがない。

うーん後は……好感度レベルとか?

でもステラって今会ったばっかだぞ?

まだ葉月のが高い……い?

ちょっと待てぇぇぇぇぇい!

何で好感度レベル10MAXなんだ!?

おかしいだろ!?

しかもお前ステラチョロイン枠じゃ無かったよな!?むしろ攻略難易度かぐや姫(童話)って呼ばれたよな!?何でもうこんな高いんだよ!?

好感度レベル10ってもう主人公と生命創造(隠語)してる位だぞ!?

葉月ですら好感度レベル2だぞ2!

なんで初対面でんな高いんだよ!怖いよ!

……俺、好感度上昇アイテムとか大量に落としたりしたかな?

いや流石にそんなアホはやらかしてないはず……。

だがまぁ、これで推測くらいはできる……というかほぼ確実に好感度レベルだろ、これ。

それ以外思い付かんぞ。

まぁ、正直正式加入で何が変わるって訳でも無いんだが。

あぁいや、スキルレベルを上げるのとか、主にキャラ強化の方面で格段に効率が上がるか。

レベル上げ素材でレベル上げ出来るようになるからレベル100とか一瞬だしなぁ。まぁ、今の俺はレベル上げ用の素材持ってないからあれだけど。

あれフィールドに出るランダムボスからしか落ちないんだよなぁ。

まぁ、覚醒の宝珠どっかの誰かと違って確定定数ドロップだから良いんだけど。

「あ、ってか、どうしよ」

このまま大戸港のワープポイントに転移して葉月妹のところに直行してもいいな。俺の予想が最悪最高の方面に的中してたら出てくるのは間違いなく「じゃ」だろう。

それも厭らしく人の心を絡めとる、最も質の悪いじゃだ。

正直、どうしたものかと思っていたが、このメンバーならワンチャン狙わなくても全然勝機はある……だろう。実物見てないのでなんとも言えない……と言うか、まだ何かが出てくると決まったわけでもないが。

「どうしたのです?」

葉月が不思議そうに此方を見てくる。

「あー、いや。このままここでしばらく修行レベリングするか、あずまの国に直行するかで悩んでる……あとステラ、お前この後一ヶ月位暇?」

こちらに着いてくるならまぁ、最低そのくらいは拘束することになるだろう。

……何故か好感度MAXなので八割がた着いてくるだろうが。

「はい…ですが、一度教会へ戻って報告してからでもよろしいでしょうか?」

欠月が何かをしようとしていると察したステラがそう返答した。

「ちょっと、なんで私には確認ないのよ。私だけハブにするつもり?」

レイラの瞳がちょっとドロッとした。

「いや、なわけねぇだろ。お前、どうせ暇だろうし、予定確認する必要ないかなって」

「それはそれで腹立つ」

「ごめんて」

そう謝った後、ステラに承諾の旨を伝える。

「あぁ、そうだ。葉月、どっちがいい?修行は東の国でも十分出来るだろうから、今から直行する?」

「はい……それでお願いします」

少し不安そうな色を瞳にちらつかせながら、葉月が頷いた。

「そうか、じゃあちょっと王都の教会よってから東の国行くか」

「「「え?」」」

三人が疑問の声を上げた。

「あぁ、そうか。移動手段言ってなかったな。転移で行くぞ。確認だが、港町バルザックに忘れ物はねぇよな?」

平然と言い放つ欠月。

「転移って貴方……どう考えて無理でしょ。王都って滅茶苦茶遠いわよ。それをこの人数で?流石に無理よ」

「確かにダンジョン内では転移していましたが……王都や東国まずまこくまでとなると……流石に無茶では?」

レイラと葉月が欠月の計画プランに流石に……と言うなか、ステラは、

「あ、私、バルザックに愛馬フラッシュ置いてきたままですね」

(おいおい、確かあの馬、一角馬王隠しボスの一体の子孫って設定だったよな……なんちゅう忘れ物だよ……)

「おけー、じゃあまず、バルザックに転移するぞ」

「「え?」」

四人が光に包まれて、ダンジョンから消えた。


◆◆◆


「む?消えた?」

暗く深い底の底。

黒き龍災厄が唸った。

見定めた挑戦者の消失。

しかも、門から出たのではない。

「我すら見逃す空の術か…」

そんなモノを操る存在ものがいるとしたら、自らの主たる混神こんしんのみだろう。

「ふむ…臭いな」

少なくとも、全盛期の混神と同等と言える実力者は、この世界にいない。

それは、自らも含めての話だ。

「あの挑戦者小僧や…死の理彼奴の事もある……ふむ……封印は解かれているしな……」

久方ぶりに、白龍片割れの様子も見に行きたい……。

「出るか…」

迷宮の、外へ。

とは言え、黒龍本体が出たのでは、最悪また二陣営を相手取らなければいけなくなる。

「本来、このような事はあまり好きではないのだかな」

その女は、不遜にも黒龍災厄の直ぐ側に立ち、顔を上げ、声を出した。

しかし、それを黒龍が咎める様子はない。

「ククク…待っていろよ、我が半身。そして死の理に挑戦者よ」

その女は、上へと向かう。

本来それは、多大なる苦難が待ち受ける道に他ならない。

しかし、女の目には不安などはなく、あるのは純粋な狂気とも言える「熱」だけだった。





あぁ、女の容姿についての説明ですが、暗すぎて分かんないって事で……まぁ、ギリギリ未登場キャラと言えるでしょう。(12月25日にわかる言い訳)

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