第18話 二回目だぞおい(キレ気味)
「「……」」
あの後、商店街へと行き、店を巡っていた少女達は、やがて一つの武器屋にたどり着いた。
そして、絶句する麗しい二人の少女の前には、ある程度の使い手、もしくは武器に詳しい者ならば、一目でとんでもない物だとわかる三つの武器が置かれていた。
(神の気配がしたから寄ったら……とんでもないモノが飛び出したわね…)
それは、スルーズの目から見て、神器と同質の物であった。
おそらくは父のミョルニルの少し下か。
兎も角、とんでもない力をもった神器である事に間違いはない。
かたやメイベルはスルーズと同じような事を内心で考えていた。
(女神様と似た気配がしたのですが……何ですかコレ)
教会に保管されている女神の宝具と同じような雰囲気だ。とても市販の武器ではない。
「これは…」
メイベルがそう言うと、二人の美しさに負け、昨日買い取った業物を出した武器屋の店主が反応した。
「お嬢さん、これがどんな代物かお分かりで?」
「えぇ、はい。教会に保管されている神器と同等かそれ以上…いえ、そこまではないでしょうがそれにしろ……」
教会で保管されている物はきちんとした封印処置が施されており、神代の力をほぼそのまま引き継いでいる。しかし、これにはそう言ったものの痕跡は確認出来ないつまり……
(元々がおそらく、途轍もなく強力な神器だった?)
そんな物があれば聖書だの黙示録だの伝承に書かれそうではあるが、しかし彼女は目の前の武器を知らない。
「あの、差し支えなければ、この武器を持っていた方を教えて頂いても宜しいでしょうか?」
「えぇ、良いですよ。これと言った特徴の無い黒髪の男で、あぁ、となりにこの武器と同じくらい業物の大剣を背負ったあまり見かけねぇ服の黒髪の女がいましたねぇ」
(……ん??)
メイベルはさっきそんな話を聞いたな、とそう思った。
「……あ、あぁ。ありがとうございました。それでは」
「えぇ?買わないんですかい?」
「あぁ、私が買うわ。ここにある三つ全て。どのくらい?」
スルーズが手を上げ、値段を聞く。
「あ、私先に船見てきますね」
メイベルが一人で船売り場へと向かう。
「あぁ、えぇっと、全部で1500万になります」
「面倒ね…これで」
そう言って金塊を複数個店主へと渡すスルーズ。
満足げに三つの武器を抱えて、メイベルの後を追う。
「メイベル、どう思う?」
追い付いたスルーズがいきなり質問を投げ掛ける。
「さぁ…まだ確定と言うわけでもありませんが、可能性は大いにあるでしょうね…」
神の力を持った武具を売る程持っていて、しかも港を出てから行方不明……これでもかと言うほど状況証拠が揃っている。
そして……おそらく、この神器に宿る神の力は、あの光の柱に込められていたモノと同じモノだ。
ならば、その二人組があの光の柱を発生させ、なおかつ『世界を別つ封印』を解いた可能性が高い。
「って言うかスルーズさん…買いすぎでは?懐大丈夫ですか?」
「ふふっ良いのよ!このくらい。最悪父上に仕送りを頼むわ」
「うわぁ、すごく貴族っぽい」
◆◆◆
「オイふざけんな」
「??どうしたのですか?欠月殿」
「いや…今なんか抗いようのない因果によって死亡フラグが形成された気がした」
「は、はぁ…?」
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