第15話 死神

しばしの休息を終え、俺達は再び動き出していた。

「あぁ、いい加減まともな飯が食べたい……」

まだダンジョンに潜って三日目だが、キツくなってきた。

なんでキャンプとかのイベントが大体二泊三日が多いか知ってるか?それ以上だとキツいからだよ。

何がツラいかってダンジョンだとモンスター倒すと光の粒になって消えるから肉が調達出来ないってこと。

今は元々持ってきてたジャーキーみたいなやつと、森から千切った葉っぱ(葉月により鑑別済)で何とか食いつないでいる。

あぁ、パスタ食べたい……焼き肉食いたい……ピザ食いたい……でも何よりも米食いたい……。

「大丈夫ですか?」

先程の泉から調達して水を入れた木製の水筒を渡してくる。

そんなに消耗しているように見えたか?

……まぁ、十日間におよぶ長旅の直ぐ後にダンジョン攻略してるから、それなりに精神的に疲れていたかも知れない。

「あぁ、うん。大丈夫。ありがと」

お礼を言いながら水筒を受け取り、水を飲む。

…あれ?よく考えたらこれ間接キッ…じゃ。まぁ、葉月に気にしてる様子は無いし、特段気にすることでも無いだろう。

「よしっ!少し回復した!行くか!」


◆◆◆


あれから数刻、俺は今、葉月にお米様抱っこされながら向かってくる敵に無心で大雷を打ち続ける簡単なお仕事をしていた。

見た目は気にしない。

気にしたら負け。

まぁ、そんな感じで、二十三層なう。

因みに、二十層のボスは20メートル位の巨大ヘビだ。

周回せずに突破したが、なんとレアドロを落とした。

蛇剣「毒牙」。

いわゆる蛇腹剣だ。

かっこいいが、使える奴が今のとろいないのでお蔵入りかと思ったが、なんか葉月が使いたいんだと。

その証拠にほら、片手で俺を担ぎ、片手で蛇腹剣を振るって比較的近い奴を屠ってる。

いったい君はどこをめざしてるんだい?まじで。

そんな事を考えている内に、大雷のダメージを受けて瀕死状態のスケルトン剣士が蛇腹剣に切り裂かれた。

ん?スケルトンはもう死んでるって?細かいこたぁ良いんだよ。

ピロン

不意に聞き慣れた通知音が鳴った。

「っ!?」

葉月が身体を硬直させた。

通知音聴こえてんのか?と思いつつ、ゲーム画面を開く。

『ダンジョン『深淵の門』に黒の天外が出現しました』

そして、死神は現れた。

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