第14話 予定変更
まぁ、何はともあれ覚醒の宝珠は手に入った。
良かった良かった。
と、そのままで終わる気にはならなかった。
俺も葉月にあてられたらしい。
今、すごく戦いたくてたまらない。
と言うわけで、少し路線を変えて取り敢えず安全マージンが十分にとれる三十層まで進むことにした。
それに、周回で手に入った唯一の収穫とも言える武器の試し撃ちもしたい。
どのみちダンジョンにもう暫くいるのなら、もう少し深く潜っても問題無いだろう。
と言うわけで今は先程までとはうってかわって森の中。
鬱蒼と木々が生い茂る。
葉月の大剣は木々に邪魔されて思うように振るえず、欠月の雷魔法(弱)は森林火災を引き起こす可能性があるため容易には使えない。それなりの戦力低下ではあるが、二人はそれを感じさせぬ戦いぶりを見せていた。
「ひゃっふう!流石星六!腐っても最高レアリティだねぇ!」
そう言いながらオーガロードからの戦利品である「黎明の杖」を振り回す欠月。
雷魔法は使えないが、それでもそれに迫る火力を風魔法で出している。
「フハハハハ!バフデバフも(笑)じゃねぇんだよ!」
そう言いながら(弱)の消えた神聖魔法を行使し、葉月にバフを、同時に敵エネミーにデバフをかける。
その様子を横目に、冷静にタレントを対処しながら、薪を割るような感覚で
「やはり刀も悪くない……しかし大剣も……悩ましい……」
そんな事をいって即座に隠れていたゴブリンの首をはねる様はちょっとしたホラーだ。
「風魔法って結構殺傷能力あるのな」
辺りの殲滅を手早く終わらせた欠月と葉月は、どんどんと進んでいく。
そして、十五階層のある泉で足を休めていた。
「綺麗ですね。ここの水」
そう言いながら両手で水を掬い、口をつける。
「そりゃまぁな」
ゲーム的には数少ないダンジョン内の回復スポットだ。ゲームだとこの水を口にすると三分間自動回復がついた。
「!美味しいですよ!欠月殿もどうです?」
「へぇ?じゃ、俺も一口」
ふふふ、こちとらミネラルウォーターで舌の鍛えられた元日本人ですぜ?そう簡単には……
なっ!!!!!!
……違いが分からん。
でも疲れがとれてる感じはあるな。
「どうです??」
何かワクワクしたような表情で尋ねてくる葉月。
「……美味しいと思うよ。うん」
この状況で「普通」とか言えるほどダイヤモンドなメンタルしてねぇ俺は。
「そうですか!」
なんか嬉しそうだ。かわいい。
黎明の杖
シリーズモノの武器である黎明シリーズの一つ。黎明シリーズの特徴として、目だった特殊能力を持たないと言うものがある。しかし、その変わり、黎明シリーズの武器には装備に必要なステータスの最低値が無い。その上武器本体の性能は普通の星六クラスなので仮にレベル100に到達したとしても星五以上の武器の大半をステータス的な理由から装備出来ない欠月とかなり合っている。
ゲーム画面のショップから買える星五武器。
見た目は流麗な黒刀であり、それを構える葉月は非常に絵になる。
アタッカー系の武器で会心系を盛れる。
攻撃力もかなり高いのでアタッカーには合う。
武器スキル「会心の一撃」
常時会心率+15%。
残り体力三割以下の相手には更に会心率+15%。
武器スキル「海豹」
初撃をあたえるとカウントダウンがスタートし、時間でダメバフが盛られる。戦闘終了で解除。
ゲーム画面のショップから買える星五武器。
見た目は武骨な大剣であり、柄だけは赤い装飾が少しだけある。耐久、攻撃を兼ね備えた大剣。
武器スキル「針小棒大」
武器の大きさを変えられる。それにともない基礎攻撃力が変化する。
武器スキル「大十字」
一定以上武器の耐久を削られると使用可能。削られた分のダメージを相手に与える(定数)。
その際、回りのエネミーにスタンを付与する
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