第2話 クラスメイト

二年生になった私たちは奇跡的にも、奈々と羽美と綾乃の三人は同じクラスになった。

そして、なんとクラスで三人とも同じ班にもなったのだ。そのため、放課後に教室に残って班活動をしていた。


その頃、私たちは先輩が嫌で班活動を言い訳に部活をサボったりしていた。教室が閉められたら、トイレでおしゃべりしていた。とても楽しい時間だった。


体育の着替えの時に一緒に着替えたり、体育大会の出る競技が一緒だったりとても仲良くしていた。


学校で特に覚えていることが、音楽の授業で映画を見た時私と羽美は隣に座っていたことだ。見た映画はとても有名で人気な映画だった。しかし私は、見たことがなかった。そのため、より深く記憶に残ったのだ。私は何故かドキドキしていた。その時は、映画にドキドキしているのだと思っていた。しかし、後に分かることだがそれは違っていたのだ。


ある日、私はとても落ち込んでいた。理由は今度演奏する曲がまだ吹けなかったことを先輩や顧問の先生から怒られたからだ。

クラリネットはメロディーを担当することが多く、指使いが細かいのだ。トリルなんていう指使いもある。手先が不器用な私はクラリネットが向いてなかった。16分連符が練習をしてもできなかった。しかし、途中で楽器を変えることなんてできなくてどうしようもなかった。


合奏が終わった。お昼休憩になり私は早々にお弁当を食べ終わり、屋上への階段で泣いていた。屋上には入れないから滅多に人が来ず、私の泣き場所だった。


そんな時、羽美に声をかけられた。

「奈々?そんな顔してどうしたの?」


私は心底驚いた。ここに人が来るなんて思いもしなかったのだ。泣き顔を見られることが恥ずかしくていつもここで泣いていたのに、羽美が来た。

私は泣いていたことがバレないようにごまかした。

「どうもしてないよ?」


羽美は優しい顔でこう言った。

「目、赤くなっているよ。さっきの合奏での顧問の先生怖かったもんね。出来が悪かった所を一人一人に吹かせるなんて酷いよね。大丈夫だよ。奈々がちゃんと練習していること、私知っているから。奈々は何も悪くないよ。」


その言葉で羽美が来てから我慢していた涙があふれだした。私は吹けない私をずっと責めていた。先輩たちや顧問の先生からもっと練習しなさいって言われて、それでも私は私なりに練習していた。土日の練習が午前までの日とかはお昼を過ぎても残って練習していた。


ちゃんと見ていてくれた人がいたんだ。その事実からの安堵の涙。


「ありがとう。本当に……。」


羽美は私が落ち着くまでずっと側に居てくれた。



羽美が側に居てくれるだけで楽になる。なんだろう?この気持ちは。

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