ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語
第14話 古代竜が私のペットになってしまいました
第14話 古代竜が私のペットになってしまいました
私は犬にペロペロ顔を舐められている夢を見ていた。変だな、前世も含めて、ペットなんて飼ったこと無かったんだけど。考えが急に現実的になる。
「うーん!」
私が目を覚ますと現実でも私は顔をペロペロ舐められていて、私は目が覚めた。
ぼんやりと目を開けると、何か目の前には緑色の犬がいた。尻尾を振っている。
「あなた、どこから来たの?」
私が聞くと
「ピーーー」
と喜んで鳴いて私に擦り寄ってきた。
「まあ」
私は可愛いものに目がないので、されるに任せている。ついでにナデナデする。可愛い!
前世ではマンションだったので犬は飼えなかった。今世では前世の記憶を戻してからまだ犬を飼う暇なんて無かった。
やっぱり犬は可愛い!
私は喜んでもふもふを思いっきり堪能した。
「気付いたか?」
よく見るとテントの中にはハロルドもいたのだ。
「は、ハロルド! 大丈夫だったの?」
私は起き上がって無意識に緑の犬ころを落として、ハロルドを見た。
「何とかな」
ハロルドが私に返事した。
私はホッとした。
「古代竜はどうなったの?」
「いや、まあ・・・・」
そう、聞くとハロルドは言葉を濁した。
「ピーーーー」
緑の犬ころが私の体によじ登ってくるんだけど、
仕方なしに、私はその緑の犬を抱きかかえた。
「この子はどこから来たの?」
私は不思議そうに犬ころを見る。
「ピイ」
何故か犬ころが頭を振って頷いているんだけど。
「そいつがおそらく、古代竜だ」
「えっ」
私はハロルドが何を言っているか理解できなかった。
「だから、そいつが古代竜だと思う」
「ええええ! だって大きさぜんぜん違うじゃない。似ているのは緑の色だけよ」
私が言い張るが
「古代竜は俺たちが気づくと影も形もなくて、代わりにこいつがお前の周りをぴょんぴょん飛び跳ねていたんだ」
「そんなバカな」
私は改めてその緑の犬ころを見た。
犬は長い尻尾を振っている。
「確かに犬にしてはしっぽは長いし、形も変だけど、あの古代竜がこんなに小さくなったの?」
犬は私の言葉に嫌そうな顔をしたり変な顔したけど、最後はしっかり頷いた。
「あなた、古代竜な訳?」
「ピーーーー」
緑色の犬ころは頷いたのだ。
「でも、何で?」
「おそらく、お前に一方的にやられたから、家来にでもなったつもりなんじゃないか」
呆れてハロルドが言うんだけど。
「そうなんだ。じゃあ、これから宜しくね・・・・ええええと、名前がないと不便ね」
呼び掛けられないし、
私は元気に尻尾を振っている犬ころを見ていたが、
「じゃあ、あんたは龍ちゃん!」
私はあまりにもそのままの名前を龍ちゃんにつけたのだ。
「おい、それはあまりにも工夫がなさすぎでは」
可哀想な者を見るような目で二人をハロルドが見るが
「ピーーーー」
龍ちゃんは喜んで返事したのだ。
龍ちゃんが喜んでいれば良いだろう。
「飼い主と並んでペットも単純なのか」
何かハロルドがムカつくことを言ってくれるけど。
ふんっと顔をハロルドからそらすと、龍ちゃんは私の胸に飛び込んできた。
「おい、そこのエロ竜、何をしていやがる」
何故かハロルドが文句を言ってきたんだけど、
私は可愛いのでギュッと龍ちゃんを抱きしめていた。
龍ちゃんはハロルドを見下したように見て、私の胸に顔をスリスリしてくるんだけど、とても可愛い。私はモフモフを堪能した。
私はもう一度龍ちゃんをギュッと抱きしめていた。
龍ちゃんは自慢するようにハロルドを見て、胸に顔をスリスリしてくる。
「おい、ボケ竜、貴様、キャサリンの胸に顔をうずめるな」
何故かハロルドは必死に怒っているんだけど、何か大人げない。
たかだかペットに怒ってどうするんだ。
私はそのペットの龍ちゃんが古代竜だとはもうすっかり忘れてしまっていた。
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