第13話 渾身の力を振り絞って竜を障壁で張っ倒しました

古代竜は私達の方に向かって飛んできたのだ。


「危ない。散開しろ!」

ハロルドが皆に命じていた。


慌ててみんな、てんでバラバラに駆ける。


そこに今まで私達がいた所に龍が吐いた炎が襲ったのだ。


「アチッ」

逃げた私の傍にも炎の熱風が襲いかかってきた。


散り散りに逃げた、皆を襲おうとするが、龍は大きすぎて、小回りがきかない。騎士達のほうが素早いのだ。


それでも、二三人が遅れて竜が起こす飛行時の突風に弾き飛ばされていた。



私は古代竜の強さをカウンターで見ようとした。



「お願い神様」

相変わらず、ふざけた言葉だが、こう言うと私の頭の中に古代竜の戦力が出てきた。


攻撃力10000・・・・


うーん、何か間違えか。


もう一度ゼロを数えてもやっぱり1万とある。


「ウッソーーーー、こんなの勝てるわけないじゃない」



ダーーーーー


私達の上空を大音響を響かせて古代竜が通り過ぎた。


なにこれ、スター・ウォーズのスターデストロイヤー並みの迫力だ。


戦艦と同じってなんだよ。


でも、攻撃力1万って・・・・おそらくここにいる騎士全員の攻撃力足しても1万には到底届かない。


これは絶対に勝てない。


でも、思考力は5しかないんだ。超単細胞だ。


馬鹿なんだ。そこを突けばなんとかなるのか。


でも、待てよ、思考力5って、私より上なんだげと、


竜っておそらく、爬虫類だ。爬虫類なのに、私の上っていうか、爬虫類ですら負ける私の頭ってどういう事なの?


思わず他のことを考えてしまった。


「危ない!」

棒立ちした私が弱く見えたんだろう。


古代竜が一目散に私目指して飛んできたのだ。


私は慌てて地面に伏せた。


しかし、古代竜は私の真横に着陸したのだ。


伏せている私は完全に馬鹿なのか。


フゥーーー


鼻息を竜がかけてきたのだ。


「ギャッ」

私は風で5メートルほど吹っ飛んでしまったのだ。


地面に激突して激痛が走る。


慌てて立ち上がろうとして目の前に古代竜がニヤリと笑っているのが見えた。


こいつ遊んでいやがる。


私は恐怖に震えた。


「キャサリン!」

その時大声とともにハロルドがこちらに向けて駆けてきたのだ。


「来ちゃ、駄目、逃げて」

私は叫ぶが、ハロルドはそんな声関係なしに、氷魔術を発動して、氷の槍を古代竜に次々に叩きつける。


しかし、古代竜はビクともしない。


氷の矢が古代竜に当たる前に溶けてしまうのだ。


「ガオーーーー」

今度は古代竜が、叫び声をあげるや、炎をハロルドに吹き出したのだ。


凄まじい炎の光線がハロルドを襲う。



しかし、それをハロルドがジャンプして躱すや、剣を大上段に構えて、古代竜に切りつけようとした。


だが、古代竜は目の前に飛んできたハロルドをハエでも叩き落とするように、前足を叩きつけたのだ。


次の瞬間、ハロルドは地面に叩きつけられていた。


私はその叩きつけられるハロルドの姿が、スローモーションのように見えた。


そんなバカな・・・・


私は一瞬目の前が真っ白になった。


あのハロルドがやられるなんて!




古代竜は雑魚を始末したとばかりに、あっさりとハロルドを無視して、私を料理しようと目を私に向けたのだ。


そこには震えて命乞いする私を想像していたのかもしれない。


単細胞だから。




しかし、私は完全にプッツン切れていた。


「もう許さない。私のハロルドに、よくもやってくれたわね」

怒りの私を見ても最初は古代竜は余裕だった。


怒りの障壁パンチを食らうまでは。




私は思いっきり古代竜の横っ面に障壁で殴りつけたのだ。


一瞬だった。


ズッコーーーーン!


古代竜は横の崖を破壊しながら頭から突っ込んで行った。





初めてまともな反撃を受けたのだろう。古代竜は戸惑ったように頭を振って立上った。


しかし、次の瞬間、私にやられたのが判ったのだろう。


「ガォーーーー」

怒りのあまり、目を怒らせ、頭を振りながら古代竜は私に突っ込んできたのだ。


「よくも、よくもやってくれたわね」

でも、切れているのは私も同じだ。


私は障壁のアッパーを古代竜にもろに食らわせて、上体を起こすと、左右に障壁を展開、

左右からパンチを浴びせてサンドバック状態にしたのだ。

古代竜は全く反撃できなかった。


最後は頭の上から渾身の力を持って古代竜を地面に叩きつけたのだ。



ドカーーーーン


古代竜は次の瞬間地面に頭から叩きつけられて、埋め込まれていた。


そこで私の意識も途絶えたのだけど・・・・。


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