ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語
第12話ダンジョンに生まれて初めて潜ったら、巨大な古代竜がいました
第12話ダンジョンに生まれて初めて潜ったら、巨大な古代竜がいました
2時間くらいかかって、私がダンジョンの近くまで、来た時はもう疲労困憊の状態だった。
ハロルドは私が乗馬初心者にもかかわらず、容赦なしに飛ばしてくれたのだ。
私は落ちたら駄目だと固まってハロルドの腕に必死に捕まっていたのだ。まあ、ハロルドが片手で私のお腹を支えてくれていたが。
お腹に手を回されたことなんて今まで無かったから、恥ずかしいやら、怖いやらで、もうヘトヘトになってしまっていた。
着いて地面に下ろされた時はもうヘロヘロで、地面にぺたんと座り込んでしまった。
「もうダメ」
そう言って私は倒れ込んでいた。
「若、その手の跡、すごいですね」
「どれどれ」
「うわあ、本当だ」
皆ハロルドの腕を手を見ているんだけど。
「えっ、私、何かした?」
私が慌てて起き上がって皆の方に行くと、ハロルドの腕に、私の指の跡がはっきりとついてしまっていたのだ。
「ええええ! 何これ」
「お前の指跡だろう」
「嘘ーーー」
私は唖然としてしまったのだった。
「危ない!」
その時、私の顔の横をハロルドのナイフが通過したのだ。
「ヒィ」
私が息を飲むと
「ギョエーーー」
後ろでは私を攻撃しようとしていたゴブリンが胸にナイフを突き刺されてゆっくりと倒れた。
「敵襲」
「魔物が攻めてきたぞ」
直ちに大声で騎士達が叫んで、戦い始めた。
私はハロルドに抱えられるように、後ろに庇われた。
「ギョエエエエ」
魔物共が雄叫びを上げて攻撃してくる。
それを一刀のもと次々にハロルドが斬り倒していく。
もう、面白いように。
ゴブリンの集団はあっという間に殲滅させられていた。
「さすが騎士の皆さんは凄いんですね」
私は感激して言った。
「お前な、冒険者目指すなら、これくらい軽く倒せないと冒険者になれないぞ」
ハロルドが言うんだけど、まあ、雑魚は前衛に任せて、真打ちはラスボスに登場するのだ。
と心の中で思いつつ、
「いやあ、みなさんの戦っておられるのを見て、とても参考になりました」
私は珍しく、しおらしく言ってみた。
あのピンク頭みたいに可愛らしく言ってみたのだ。
「ふんっ、心にもないことを」
ハロルドが馬鹿にしたように言った。
「何よ、あんたに言っていないでしょ」
私がムッとして言う。そうだ。他のかっこいい騎士の皆さんに言っているのだ。
「ふうん、そうかよ。じゃあ今度からは自分の身は自分で守りな」
ハロルドが言ってくれたのだ。
「ケチっ、それだけ剣が出来るんだから、やれるところはやってくれたらいいじゃない」
私がムッとして言う。
「ケチって・・・・」
何故かハロルドは絶句していた。
何で絶句するんだろう?
「キャサリン様、若。痴話喧嘩はそのくらいにして、ダンジョンに参りますぞ」
「エイブ、これは痴話喧嘩ではないぞ」
「そうです。ハロルドがケチなだけなんです」
エイブさんの言葉に私達が言い返した。
「そうですな。そういうことにしておきましょうか。
若、ダンジョンの外にまで魔物が現れているのです。中は相当の高位の魔物がいるかと」
「まあ、そうだな。気を引き締めていくか」
ハロルドは私との喧嘩を忘れたように、真面目な顔になった。
なんだかな? 私は溜息をついた。
でも、どんな魔物がいるんだろう?
それからは30人が一団となってダンジョンに入っていった。
しかし、まあ、出るわ出るわ次々に魔物が出てきた。
それを皆次々に倒していく。
倒しながら先頭が疲れると次々に交代しながら、前に進んでいくのだ。
どれくらい進んだろうか。
巨大な洞窟の中の広い部分に出た。
そこはとてつもなく広いのだ。
小さな障壁都市が一つ入りそうな大きさだ。
「凄い」
私はその広さに感激したのだ。
そして、その真中には火の山が見えていた。
凄い、噴火している。
「洞窟の中に火山があるなんて凄い」
私が感動していると、
「おい、これはまずいのではないか」
ハロルドがエイブさんを見て言った。
「左様ですな。大変拙いような気が」
何か二人顔が真剣なんだけど、
「ギャオーーーーー」
その時に、巨大な咆哮が聞こえた。
古の古代竜の鳴き声が・・・・
「いたぞ」
それは空を飛んで現れたのだ。
空を飛んでいるそれは騎士達を見つけると、咆哮を上げながらこちらに近付いてきたのだった。
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