王恭5  皇室との対立

王恭おうきょうは国政への抗議を宣言する上表をものしたとき、その後の展開でトラブルが発生した時に備え、王廞おうきん王導おうどうの孫)を吳國內史ごこくないしとし、三呉の兵力をまとめ決起するよう命じていた。しかし司馬道子しばどうしによって王国宝おうこくほうがあっさり殺されてしまう。そこで王恭、すみやかに軍を解散するよう王廞に命じる。王廞は怒り、集めた兵でもって王恭討伐に立ち上がる。王恭は劉牢之りゅうろうしを派遣し、この決起を潰した。その後こうした動乱を引き起こしたことを理由に、降格もしくは解職を願い出たが、却下された。


一方、中央では司馬尚之しばしょうしが司馬道子にむけ、地方長官の兵力が高く宰相の権力が低いのは危うい、信頼できる存在で周囲を固めるべきだ、と説く。司馬道子も同意し、その副官であった王愉おうゆ江州刺史こうしゅうししとして任じ、もともと庾楷ゆかいが赴任していた豫州よしゅうの南部四郡を王愉に統治させようとした。


庾楷は怒り、子の庾鴻ゆおうを王恭のもとに派遣し、言う。

「司馬尚之は人事権を握っておるのをいいことに、地方官たちの兵力を削らんと画策しています。いままでの成り行きからすれば、いちどこの人事が成立してしまえば、その後の趨勢は予断を許せぬ状況となりましょう。確定してしまう前に、早めに動くべきです」


王恭はその通りだと判断し、再び決起の謀議を殷仲堪いんちゅうかん桓玄かんげんに持ちかけた。両名もこの謀議に呼応。王恭を盟主とし、タイミングを合わせて建康けんこうになだれ込もうと画策した。




恭之初抗表也,慮事不捷,乃版前司徒左長史王廞為吳國內史,令起兵於東。會國寶死,令廞解軍去職。廞怒,以兵伐恭。恭遣劉牢之擊滅之,上疏自貶,詔不許。譙王尚之復說道子以籓伯強盛,宰相權弱,宜多樹置以自衛。道子然之,乃以其司馬王愉為江州刺史,割庾楷豫州四郡使愉督之。由是楷怒,遣子鴻說恭曰:「尚之兄弟專弄相權,欲假朝威貶削方鎮,懲警前事,勢轉難測。及其議未成,宜早圖之。」恭以為然,復以謀告殷仲堪、桓玄。玄等從之,推恭為盟主,克期同赴京師。


(晋書84-5)





楽しそうですね。(たのしそうですね)


外がガチャガチャやってるのをいいことに、中でもガチャガチャするとかもうね。まぁ、国としての機能が末期症状を呈していたってことなんでしょうけど。ただこの辺、そういったガワの話はできても、じゃあそれが具体的に何なのか、は語れません。ぐぬぬ。

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