朱序2 堅敗
383 年。
「もし苻堅の百万が揃ってしまえば、到底勝ち目がない。奴らが合流しきる前に叩いてしまえば、防衛は果たせるだろう」
そこで謝石は
「堅敗!」
この言葉に前秦軍は大いに瓦解し、朱序もまた東晋に復帰することが叶った。この後朱序は
太元中、苻堅南侵、謝石率眾距之。時堅大兵尚在項、苻融以三十萬眾先至。堅遣序說謝石、稱己兵威。序反謂石曰、「若堅百萬之眾悉到、莫可與敵。及其未會、擊之、可以得志」。於是石遣謝琰選勇士八千人涉肥水挑戰。堅眾小却、序時在其軍後、唱云、「堅敗」。眾遂大奔、序乃得歸。拜龍驤將軍・琅邪內史、轉監揚州豫州五郡軍事・豫州刺史、屯洛陽。
(晋書81-13)
以前篠原悠希『霊獣紀』シリーズの感想を読み回ったときにぶち当たった「符堅の理想は高く立派だったけど、独りよがりだった」ってコメントが本当に好きでしてね、ここでもまさにそうした人間の善性に対するクソ雑な信用が顔を覗かせていて最高なんです。苻堅としては朱序が自身に心酔してると、これ心底思い込んでたよね。勘違いのお化け。
普通の人間関係でも、こう言う粗雑な信用ってちらほら顔を覗かせるものだと思っています。そういうのにすがったあげくに裏切られ、破滅する。信用信頼は美しいものですが、それが独りよがりにならないよう、相手の顔をよく見てやり取りをしたいものです。
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