閑話その1 『ヴィットヴェーン』各種ジョブについて(上位1次ジョブまで)





 この閑話では、ゲーム『ヴィットヴェーン』における各種のジョブについて解説いたします。本小説を読むにあたり、フレーバー程度に認識していただければ幸いです。



 ◇◇◇



【下級ジョブ(基礎ジョブ)】


『ソルジャー』

 前提ジョブ条件無し、というか前衛系最下級ジョブである。

 効率は悪いがVIT、STR、AGI、DEXが伸びる。ファイターやウォリアーに届かなかった者が就くジョブと認識されていた。

 だがレベルアップの軽さと、基本的スキルが手に入るため、新時代冒険者は一度はコンプリートしておけという常識が生まれた。


『メイジ』

 前提ジョブ条件無し。後衛系最下級ジョブ。

 DEX、INT、WISが上がる為、ウィザードやプリーストの腰し掛にはなる。

 これまたウィザード、プリースト、エンチャンターの下級スキルを得られるため、取っておいて損はないジョブだと認識されるようになった。



【初級ジョブ】


『ファイター』

 剣士系ジョブの基本。盾も扱え、冒険者と言えばこのジョブ。最初に選択する者が4割近くになるらしい。派生としてソードマスター、サムライがあり、それが人気の所以でもある。


『ウォリアー』

 マルチウェポンタイプの初級ジョブ。ファイターが前衛ステータスを満遍なく伸ばすのに対し、ウォリアーはVITとSTR特化になる。こちらも前衛ジョブの基本で、力自慢が就くことが多い。


『カラテカ』

 意外かもしれないけど、初級ジョブだ。基本は無手、もしくはナックル、手甲を武器とする。

 近接前衛ジョブであるため、これまでほとんどいなかったが、ターンがこのジョブを選択したことで、一躍脚光を浴びることになる。特徴的なのは自己バフ系スキルが多彩であることだ。特にMINを上げる『芳蕗』のおかげで、新世代冒険者は一度は取っておくジョブと言われるようになった。


『シーフ』

 AGIが一定値以上で就けるジョブ。サワの提唱する新世代冒険者は、このジョブを必須とする。AGIとDEXの上昇率が高く、INTも手に入る。それに加え、索敵、罠解除系のスキルに優れているため、パーティ全員がシーフ経験者であれば、まずバックアタックは避けられると言われる。


『ウィザード』

 言わずと知れた後衛の花形ジョブ。特に柔らかいが数の多い敵が出現した時に、猛威を振るう。

 以前まではパーティに一人か二人が基本だったが、新世代冒険者必須ジョブとされて以降、パーティ6人が全員ウィザード経験者というのが、当たり前となっている。


『プリースト』

 後衛人気ジョブのトップを誇る。冒険者でなくとも、外科医として活動することができるからだ。

 20層から30層、つまり物語当初の深層探索では、パーティに1名は必須とされていた。だがそれと同時に攻撃参加しないジョブであるため、取り分などについて揉め事が多く、それがプリースト互助会設立の原因にもなった。


『エンチャンター』

 誰もが認めるヴィットヴェーン最不遇ジョブ。ゲームでも経由はすれどメインにすることはない。

 現実世界はターン制ではないため、サワがやってのけた早口詠唱により光を見せた。魔法の通りにくい相手の場合、ウィザードよりエンチャンターを入れる方が効果的となる。

 事実、エンチャンターがいるだけで、パーティのアベレージレベルを2から3上げるという証言も存在する。



【上位ジョブ(上位1次ジョブ)】


『ナイト』

 前提ジョブ無しで就くことのできるジョブであり、貴族やその護衛たちが好んで選択する。実態としては固いファイターである。正直なところ、ファイターかウォリアーを経由した方が、明らかに楽であるし、強いナイトになることができる。貴族のプライドというのは御しがたい。


『ソードマスター』

 ファイターを前提とする上位ジョブ。剣士とも呼ばれる。盾装備にマイナス補正がかかり、両手剣で戦うことが多い。様々な剣技を有し、剣を扱う者ならば経由して損の無いジョブである。代名詞の『切れぬモノ無し』は大人気スキルでもある。結構切れないモノがあるのが切ない。


『パワーウォリアー』

 ウォリアーを前提とする上位ジョブで、前時代冒険者の一つの到達点でもあった。

 マルチウェポンファイターであり、様々な戦い方ができる上に、もちろん盾も持てる。高レベルのパワーウォリアーは、冒険者としてひとつの究極形と見なされていた。サワが来るまでは、だが。


『グラップラー』

 レアジョブ。と言っても条件が難しいわけじゃない。前提ジョブはカラテカ。

 ただヴィットヴェーンでも、このジョブをメインにしている冒険者はほぼいない、はず。サワの推奨する新世代冒険者ですら必須ジョブにはされていない。

 近接で相手の行動を阻害するスキルを豊富に持つ。だけどカエルにサブミッションしたいと思う?


『ニンジャ』

 みんな大好きニンジャだ。忍ばないタイプ。前提ジョブはシーフであり、かつクナイかシュリケンを使用することで就くことができる。上位1次ジョブではオーバーエンチャンターと並び、アイテムを必要とするジョブだ。

 性能としては、AGI、DEXの伸びが良く、ターン制の無いこの世界では速いは正義を体現するような存在になる。何故かセリアンに大人気。


『サムライ』

 前提条件はファイター。勘違いされがちだけど、ジョブチェンジにカタナは必須ではない。なので結構いる。

 一応刀剣系は全部使えるけど、本質は刀を持ってナンボ。MIN依存の各種攻撃スキルが光る。


『ハイウィザード』

 前提ジョブは勿論ウィザード。前時代冒険者としては、究極のウィザード扱いだった。

 確かにレベル22のハイウィザードなら30層までは楽勝だろう。代名詞の『マル=ティル=トウェリア』は全てを焼き尽くす。

 ただ、サワの登場と失言により、上位ジョブが発覚することで、時代は変わっていく。


『オーバーエンチャンター』

 なんでこれが上位1次ジョブなのか、謎ジョブ筆頭。前提ジョブはもちろんエンチャンター。そしてアイテム『祝福の笛』が必要だ。これがまたレアアイテムのため、ヴィットヴァーンで経由したのはシーシャのみというのが現状だ。

 ただし、エンチャント能力は強大で、アベレージレベルを5上昇させ、さらにコンディションバフまで可能という、中々強力なジョブではある。


『ビショップ』

 前提ジョブは無し。INTとWIS次第で直接なれる。実はこっちがプリーストの正統進化系になる。

 プリースト、ウィザード、エンチャンターの中級クラスでのスキルが使用可能であるが、深層では器用貧乏の感はぬぐえない。が、実はここから上のジョブに意味がある。最近すっかりご無沙汰の、プリースト互助会会長、ウェンシャーがこのジョブだった。今は不明。


『モンク』

 もちろん前提ジョブはプリースト。その実態は完全なる殴りプリースト。新たな回復魔法など一つも覚えない。ただ攻撃と捌きスキルがあるだけだ。

 サーシェスタ名誉男爵の代名詞でもある。ハイプリーストなどいない。そこにあるは前衛の鬼だ。



 ◇◇◇



 上位1次ジョブはここまでです。

 2次ジョブ、そしてまだ見ぬ3次ジョブについては、また機会がありましたら『これから』設定します。


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