005.5 (第三者視点)元仲間達、合同クエストで騎士団と接触する
森の中から大量に現れる魔物。
多くはシャドウウルフという
先に突入した先行部隊が森全体に魔物が嫌いな煙玉に火をつけ投げる、それに耐えきらないシャドウウルフが森から飛び出てくるのだ。
私達アスカルラ騎士団七部隊は、それを冒険者と一緒に駆逐する。
といっても私達第七部隊は後方支援、冒険者が打ちのがしたシャドウウルフを倒すだけの簡単なお仕事だ。
私の見ている前でも一人の冒険者が狼型の魔物の前足がスパッと切り落とした。その冒険者の男は剣を構え直し次の敵へと向かっていった。
私はその姿を見て記憶に留め紙にメモする。突然に視界が暗くなった、暖かい物体が私の目をおおっているのだ。
「だーれーだー?」
「セシリア隊長、勤務中ですので離れてください」
「ねーそんなメモとってつまんなくない?」
私は
記録しなければ困るのに、視界は暗いままだ。
「いいですから、手を離してください」
「ゆーちゃん、すぐあててつまんない」
「あの、離してくれませんか? ってかさっさと離さんかい!」
私の視界が明るくなると、いくつかの冒険者が私を見て動きを止めている。
はいはい、戦闘中よそ見をして危なくなった冒険者は減点、減点っと。
この作戦で活躍した冒険者には報酬が出るというのに、そんな体たらくでいいのかねーっと。
「さて、セシリア隊長も働いてください」
「えっ……やだ」
「働いてください」
「ゆーちゃん、顔が怖いよ」
「怖いのは元々ですので、お気になさらずに」
「ゆーちゃん! ゆーちゃん! あの人強いね」
話題を変えて来て意地でも戦わないつもりか。
でも、その強いと言われるパーティーを眺める。強ければ上に報告しなければならない。
一人は鳥型の亜人だな。背中の羽を大きく羽ばたかせ飛び、確か刀と呼ばれた剣で敵を斬り付ける。その下からは金髪の若い男が攻撃をしていて連係がうまい。
うまいけど、少し反応が遅いかな。
急に体が遅くなった。そういう魔法にかかったような動きで二人とも首を動かしては手足の確認をしている。
ほう金髪の男は下がって魔法を唱えたか。
魔法戦士という珍しいタイプか、しかし全身が細かい傷だらけ、あれじゃポーション代だってかかるだろうに、今回の作戦で出す報奨金じゃ赤字確定って奴ね。
さて金髪冒険者の後ろで若い女が大きな杖を振り回している。
あの若さで魔法使いか、才能が羨ましい物だ。
いやちょっとまって! 男の傷が回復した。
あれってヒーラーっ!
冒険者は山ほどいるしヒーラーだっていないわけじゃないけど、あの若さで珍しいっ。
「セシリア隊長! あの子! っていない。うわ、もうあっちにいるし!」
セシリア隊長はヒーラーのいる冒険者グループにいって先ほどのヒーラーのズボンを引っ張っている。
あまり引っ張らないであげたい、たぶん……あっ。
破けるよねー。
それに、よそ見したら危ないでしょうに。
シャドウウルフがセシリア隊長に襲い掛かっていく。
セシリア隊長はそのシャドウウルフの頭を拳一つで粉砕すると、周りに血が飛び散る。
その間にようやく追いついた。
「あーあーあーあーもう! セシリア隊長、周りの冒険者が引いています。ええっとグループBの冒険者さんですね。
グィンさん、ツヴァイさん、そしてサーリアさん。と」
私が近づくとセシリア隊長がサーリアさんのズボンをひっぱり下着が見えている所だ。
「ちょっと兵士の人! 自己紹介は後でもいいから、このガっ子供を離してっ! ズボンが全部脱げるからっ! ねぇ! きいてる!?」
「離してもいいけど、ヒーラーだよね? あのお願いがあるんだ、ミリア隊長の怪我治して欲しいんだ、いいよね? いいよね?」
「誰か知らないけど治すわよ! 治せるならね! グィンさっさっと隠すもの持ってきてよ!」
周りにはまだシャドウウルフがわんさかいるのに、良く喋る女性だ。
場数も踏んでいるのだろう。
でも、これは私の感なんだけど。
性格がクッソ悪そう。
私も悪いからよくわかる。
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