004.5 (第三者視点)ミリア隊長の元職場

 開きたくもない伝令書を貰い、隊長のテントまで歩く。


 テントの中へ入ると背の小さい隊長が抱き枕に抱きついては、小動物のような顔で私を見て来た。


 一応は規則なので敬礼して伝令書の封切り、お読みします! と宣言してからセシリア隊長の前で開け読み上げる。



「セシリア隊長! 西の森へ冒険者グループと共同しての討伐依頼です! ……………………セシリア隊長! 西の森へ冒険者グループと共同しての討伐依頼です! ………………聞いてねえなコイツ。………………セシリア隊長。に――」

「ゆーちゃんうるさいー! 聞こえてないわけじゃないですー」



 だろうね、セシリア隊長、いやセシリアだって耳は二つあるんだから。

 そりゃ仕事はしたくないのはわかるけどさー隊長なんだし少しは動いてほしい。

 私だって忙しいんだ。



 周りを確認する。

 テントから出て周りを確認しても誰もいない。

 もう一度テントに戻って、私は一言いう事する。




「よし、この部屋にも誰もいない。セっちゃん、いい加減に諦めなよ。ミリア隊長は怪我が元で除隊したんだからさー今では行方不明。

 でセっちゃんがミリア隊長、いや元隊長が好きだったのも知ってるよー。そんなに好きだったら一緒に除隊すればよかったのに」

「頼まれたから……」

「何を」

「この使えない・・・・部隊を頼むって」

「ミリア元隊長はそんな事、いいませんー! 舌を出すな舌を。そもそも使えない部隊だったら、せっちゃんも使えないんだけど」



 だってだってーと、抱き枕を体全体でしがみ付きゴロゴロと動き回る。

 その動き回るセシリアの背中を足で止めた。



「足で止めるとか、ゆーちゃん、ひっど」

「とにかく、だったら使えない部下連れて討伐の命令出してください。もっと使えない上層部からの命令なんだし」

「むー……隊長まっていてね。絶対に治す方法見つけて地の果てまで迎えにいく!」



 決意表明をだされてもなぁ。

 とにかく仕事は仕事だ、さっさと冒険者グループとやらと合流して魔物を倒して終わらせよう。

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