第85話 猫目線(23)
ぽかぽかは変わらないし、のどかな音も変わらずにある。
しかし、黒猫の表情は曇ってゆく。
なんか、寂しいにゃ。
黒猫から奪われた新たな感情への気づき、自身だけでは感じられないものを得られない、その理解が深まっているから明るさは奪われてゆくのだ。
耳の動きにも、しょんぼりとした湿っぽさを感じられるしお天気雨のようなちぎはぐさである。
今日も、なんだにゃ。
……線を、引かれたんにゃ。
その距離だったんにゃ……。
朝から輪郭をなるべくぼんやりとさせて、白猫を遠くに感じられるように、この苦しみからの解放へと舵を切る……
ふわふわにゃ─── にゃにゃ!
だめにゃ!
……舵を切ろうとしているようだ。
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