第29話 ふたつ? みっつ!

 ホームセンターでの行動は、必要な物を必要なだけというシンプルなものなのだが、バラ売りされてある猫草の絶妙なサイズ感に……。

「ふたつかな?」

「そうね。でも、新しく植えるのは?」

「みっつ?」

「あまり人を気にしないように壁から離しても良いと思う」

 外壁側の花壇だと割合としては、余裕がないのだが富士山の隙間から垣根沿いに移動して中間地点くらいに猫草だけのスペースを新たに作ることを決めた。

「みっつ!」

「ふふっ、そうしましょう」

 花壇のスペースは、また考えるとして今日のお買い物はこれで終了。

 彼女はあいた方の手を差し出すとまた、いたずらに微笑んだ。

 久しぶりに日中のお出かけであったが、彼女の表情は明るいし私もすごく楽しめた。外的要因のイレギュラーな行動を好まない彼女だが、動物や自然が魅せるものは全て受け入れるし、最近は私のことも受け入れていってくれているようだ。

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