第22話 張り込み
猫はまだ来ていない。
我々は、夕食……夜食ともなるようなおつまみセットをサイドテーブルにのせて、白ワインも用意した。
「飲み過ぎ注意」
のみ、の後はふたりで同じ言葉をお互いに注意するように声にした。
「ふふっ、生ハムとかチーズの食べ過ぎも注意ね」
彼女は、どちらかというと自分に言い聞かすようにそう付け加えた。
私が、拡張した隙間は家の灯りと街灯に照らされていて通過する影を見逃したりすることはない。
「明るすぎるのも良くないかな?」
猫に警戒させてしまうのは、良くないけれどいつもより家の灯りを多めに使っているのを気にしてしまう。
「答えはないから、こちらの都合でいいわよ」
明るいのを気にしない、むしろ好きな猫が近くを通ればこの選択が正解となるわけだが、彼女の取捨選択はいつも気持ちいい。
「ふふっ、美味しい」
「ありがとう」
今日の夕食とおやつの境界線は、かなり曖昧だが私が夕食と思っているものから彼女は、食べている。
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