第21話 じゃーん!
てみには、枝や葉っぱと下に生えていた草もきっちり抜かれ、こんもりと集められている。
元々、隙間の形が山みたいだったのもあり、富士山のような隙間が完成した。
「うん。これで良しかな」
彼女は満足そうな声を聞くとベンチから離れた。
「完成?」
優しい声で後ろから覗き込んでくる。
「じゃーん! うん。完成」
「ふふっ、雪を降らせたくなる見た目ね」
「富士山みたいって私も思った」
「でも、自然にこうなったのよね?」
「最後にそう思ったよ」
彼女は、隙間に手を入れて葉っぱや枝が引っ掛かりはしないかとくるくるなぞっている。少しすると、安心した様子で手を引っ込める。
「今日は長い一日にしましょう」
彼女の望みを知り私は、部屋から裏庭が一番見える窓に椅子とサイドテーブル、片手で食べるような夕食の準備……他には、何が必要かな?と考えはじめた。
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