第20話 あったかい

 まず、楽しい気持ちになろう。


 私に必要なものを教えてくれる彼女ならではの伝え方だなっと、私はそう受け取っている。

 白黒猫やキジトラ、三毛猫……沢山のねこさんがこの隙間を通ってくれたら─── この想像は楽しい気持ちにすぐさせてくれた。

 折りたたみのこぎりでまずは、高さを出すために枝を幾つか落としてゆく。


「んー、んっ」


 順調に作業は進み、剪定挟みで丸みをつけてゆく。尖った枝先などを残さないように色々な角度から見て確認を怠っていない。


 彼女は、その作業を静かに見て背中が左右に揺れると同じように頭で追いかけたりしている。

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