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オンボロワーゲンバスはご機嫌に、快晴秋空の下、国道一三五をとばす。
日の出と一緒に神奈川をでて、海を縫うように一路、伊豆へ。
山あり谷あり海ありの国道一三五は、急カーブと急勾配が連続する片側一車線だ。
ほんの百キロ程度で体幹ジェットコースターが楽しめる。
「きゃぁぁぁぁあ!」
カーブや下り坂のたびに、ユリちゃんはうれしそうに、オレにしがみついてくる。
調子にのってスピードもあがる。
「ほらほら、海! 海!」
眼下に臨む駿河湾大パノラマに、
「はい、お茶です! はい、サンドイッチ、玉子焼きの! はい、チョコパイ、わたし、これ大好きなんです! はい、コーヒー!」
助手席で忙しなくオレの口になにかしらをつっこんでくるユリちゃんに、
気持ちが上がる。
楽しい。
ユリちゃんがとなりにいるといつだって世界は、虹色だ。
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