119 アイテム合成
次の日もダンジョンまで走る。それでもあかりの”エレベーター”があるのでダンジョン内の移動は楽になった。とりあえず午前中のレベル3を目指す。二階のボス部屋まで移動。
「ボス部屋よ!」
ドカーン。
メイが作った大砲をぶっ放す。続けてドカーン、ドカーン。
レベルが上がった。
「なんか人道に反することをやってるような気がしてならないんだけど」
「シャルロットがうつった?」
「そういうことでは、いや、そういうことかも」
一応ドロップアイテムと宝箱は漁る。
「盾だ!」
宝箱から盾が出てきた。あかりの鑑定によると魔法の品で炎への耐性があるらしい。いま僕たちで盾持ちは僕とシャリだけど、今のところ間に合ってるから後で考えることにしてと。
とりあえず帰ってお昼ご飯食べよう。午後はメイのレベル上げだし。
・・
夕方、メイのレベル上げしてるんだけど、実験テーブルの上で白衣の女の子を組み敷いているって妙にリアル感あるんだよな。ベッドの上よりエロくないですか、このシチュエーション。
メイの白い肌が赤く染まっている。眼鏡越しに見えるトロンとした目がなんかヤバい感じ。それを妹たちに見られているこのシチュエーションなんなんだろう。
『
メイとの間にレベル回路が形成される。
っていうか、正直メイ相手が一番ドキドキするんだよね。黒髪だからかな。
『
メイに手を貸して床に降ろすと、白衣を整えて眼鏡をキュィっと上げる。
「レベルが上がりました」
よくわかってる感ある。
・・
えっと、これでみんな8だな。僕は3になったけど。レベルブーストは効いているからまだ4か。
「それじゃ、シャルロットありがとう」
いやー大変だったなー。
「終わってないですよ」
「え?」
「私の番です」
レベル5から6ってどうやるんだっけ。あ、耳か。
このやりかたもいまいち本当に必要なのかわからないんだけど、やらない理由もないので手順として王女に説明する。
「なかなかマニアックな手順ですね」
「見つけるの大変だったんですよ」
「どうやって見つけたんですか?誰かの趣味とか?」
「いやー、どうだったっけな」
とにかく、さっさとやる。のんびりしてるとレベルブースト切れちゃうし。
・・
二人とも相手の耳を手でふさいだ状態で舌を絡める。頭の中でぴちゃぴちゃと水音がする。唾液を王女の口内に流し入れて、では。
『
完全に力が抜けてぐたっとした王女との間にレベル回路が形成される。
『
・・
「ではこれで終了かな?」
「おにいさん」
「なんでしょう?」
「明日もですよ」
「ですよね」
レベルブーストが切れてレベル2に戻ったところで、シャルロットの
◇
ドカーン。ドカーン。ドカーン。
ダンジョンに響く爆発音。まず一階のボス。続いて二階のボスも。
「レベル3になった」
なんかいろんな意味で米軍になった気分。でもこれでデポジットが切れたら4だからブーストして5なのでOKだね。
・・
『
見た目はシャリにそっくりなんだけど、王女の方がちょっとだけ胸が大きいんだよな。密着していた身を起こすと、実験机にぐったりと横たわる王女の姿が煽情的だ。二人とも脱力してしばらく深呼吸。
荒い息をした王女が袖で口についた涎を拭いながら言う。
「まあまあね、おにいさん」
「ありがとうございます殿下」
(・・ なに喜んでるのよおにいちゃん ・・)
よくわかんないけど褒められたので喜んでいたら、シャリに手をぎゅっと掴まれた。
というところで。
「これで今回のレベリングは終了しました!」
「お疲れさまですー!」
「レベルアップパーティーよ!」
「無礼講ですね」
「ひさびさじゃない?」
「にゃー」
「今回は、全員レベル上がっておめでとう!」
メイの実験室を飾り付けて乾杯する。文化祭の打ち上げみたいな感じがする。飲み物に入っている氷は僕が新しい恩恵で作った。
「しかし、今週はレベリング週間だったな」
思い返すにハードな日々だった。
「おにいちゃんあの後、恩恵はどうしたの?」
シャリに聞かれる。
「さっきの氷と、あとは蜘蛛対策で毒無効と毒消し」
「そういえばそうだっけ」
「一応、準備しておこうかと」
「そういえばメイの恩恵は?」
あかりがメイに訊ねている。
「なんとアイテム合成です!」
「どういうのそれ?」
「えっとですね……」
メイはシャリから小盾を借りる。
「これは防御力強化の付いた盾ですよね」
そして、昨日宝箱から拾った盾を取り出す。
「これは昨日出た盾ですが炎の耐性があります。そしてこれをですね……」
メイはシャリの盾の上にもう一つの盾を乗せる。
「アイテム
上に乗せた盾がシャリの盾に吸い込まれて消えた。
「これでシャリさんの盾が強化されました!」
あかりが鑑定する。
「本当だ。炎の耐性が付いてる」
ソシャゲのカード合成みたいだな。
「これって、違う種類でも混ぜられるの?」
「やってみます?」
メイが作った僕のアダマンタイトの小手に、こないだ宝箱から出て使っていない”ちょっといい皮鎧”を乗せて。
「アイテム
皮鎧が点滅して消えた。小手をあかりが鑑定する。
「ちょっといいアダマンタイトの小手になった」
おっと。
「そういえばちょっといい長剣もあったよね」
これも混ぜられるかな?置いたままの小手の上に乗せて。
「アイテム
長剣は消えない。
「解釈違いかな?」
「っていうかカテゴリーエラーっていうんじゃない?」
「それじゃ私の短剣に混ぜてみて」
あかりが短剣を取り出して置き、上に長剣を乗せる。
「アイテム
長剣が消える。
「ちょっといいよく切れる短剣になった!」
やっぱりソシャゲっぽいぞ。
――
フィン:レベル3(人間:転生者)
・恩恵:レベル判定、レベル移譲、気配察知、槍使い、投擲、格闘、縮地、精神耐性、スタミナ向上、ロケート、手斧使い、スコップ、庇う、耐久力向上、罠スキル、炎、クリーン、テイム(妖精)、言語理解、耐熱、隠ぺい、盾術、力持ち、覚醒、突撃、予知、解錠、反射、恩恵奪取、メッセージ、ライト、騎乗、スイッチ、疾走、跳躍、水、氷(new)、毒無効(new)、毒消し(new)
シャリ:レベル8(人間)
・恩恵:癒し(フィンに効果2倍)、プロテクション(フィンに効果時間2倍)、攻撃力付与、メイス使い、リワインド、状態異常耐性、催眠術、盾術、完全回復、変身、力場障壁
あかり:レベル8(エルフ:転生者)
・恩恵:鑑定、初級攻撃魔法、中級攻撃魔法、隠密、耐寒、マッピング、詠唱破棄、空間転移、アカシック・アクセス、エレベーター
メイ:レベル8(up)(人間:転生者)
・恩恵:衣装製作、アイテム化、投げナイフ/ダーツ使い、エンチャント、形状加工、紙の神、上級錬金術、アイテム合成(new)
シャルロット:レベル7(2 up)(人間)
・恩恵:レベルブースト、[?]、[?]、[?]、レベル預かり、[?]、[?]
――
挿絵は眼鏡をキュィっとメイちゃん
https://kakuyomu.jp/users/yamamoriyamori/news/16817330653496406567
――
次回より新章
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