第25話最終章6 未来をこの手に
アルギルスにガイオーが倒され、今戦いを挑むグレイザーも攻撃が全く通用せず大ピンチに……。
更にはアルギルスの影響で電子機器が使えない状況が世界中で起こり人々は大パニックに陥る。
アルギルスの衝撃波がグレイザーを襲う。
グレイザーはブレイブフォームのスピードを活かしかわそうとするが、それでも捕えられダメージを受けてしまう。
グレイザーの動きが鈍った時、アルギルスは更に衝撃波を喰らわせグレイザーはその直撃を受けて大ダメージを受けてしまった。
更にその衝撃波で『グレイアクセラー』が破壊され変身が解除されてしまった。
「フッフッフ……グレイザーは終わった。人間共、今から24時間の猶予を与えてやる。人生最後の一日を楽しむがいい」
そう言ってアルギルスとバルバは姿を消した。
守は倒れて気を失っている。
牧田が守に駆け寄る。
「守君、守君!しっかりしろ!」
牧田が守を抱き起こし揺すってみると守は意識を取り戻した。
「牧田さん……」
牧田は守を連れて葛城達と合流しようとする。
幸いアルギルスが居なくなった事で電子機器が復活し、電話が通じるようになっていた。
その頃、葛城は動かせるパトカーを見つけ、ガイを後ろの後部座席に寝かせていた。
そこに牧田から電話があり、牧田と守を迎えに行く事になった。
とりあえず全員無事で一安心だが、グレイザーもガイオーの破れアルギルスを倒す手立てはまだ無かった。
避難勧告が出た事により、城北大学の守の友達や教授達も避難所に居た。
「桐崎君……どうしたかな?」
そう呟いたのは晴香だった。
「アイツなら大丈夫だろ……だってアイツは……ヒーローじゃないか……」
そう言って晴香を元気付けるのは金光だった。
「金光……お前、珍しく良い奴だな!」
そう言うのは西山。
「うっせー!」
金光は反論。
しかし、そんないつもと変わらないやり取りが晴香を少し安心させたようだ。
そこに森川教授がやって来た。
「君達……桐崎君が戦う事をどう思う?畑中君は迷惑だと言っていたが、実際彼のお陰で街の人達や大学の皆が助けられたのは事実だ。だが、アレを桐崎君にやらせたのは私の友人でね……私はどうも納得がいかん……」
森川教授もどうやら自分の中で葛藤があるようだ。
「私は、実際に桐崎君に助けられた事がありますから、グレイザーが桐崎君で良かったと思います」
晴香はそう言った。
「俺も!親友がヒーローなんてすげぇし!」
西山もいつもの調子だ。
「俺は……今まで桐崎の事は気に食わなかった……目の上のたんこぶって言うか……でも、アイツはすげぇ奴だと今は思います」
金光もどうやら守を本当に認めているようだ。
「そうか……私も……友人に謝らなければな」
森川教授も皆の意見を聞いて納得したようだ。
その頃、葛城、牧田、ガイ、守の4人は藤波博士の家に集まっていた。
ガイはベッドで横になっているが、大分回復してきたらしく、表情が穏やかになった。
「さて、24時間猶予があると言っても我々は遊んでいられません。博士、何か対策は?」
葛城が先陣を切って喋りだす。
「うん、実はな……さっきの戦いを見て思ったんだが……アルギルスにも弱点はあるはずだ。守君が戦ってる時、衝撃波で全く寄せ付けなかったが、それはあくまで一対一だからじゃないかと思ってね。グレイザーとガイオーが2人戦えば勝機があるかも知れん。」
そう藤波博士は答える。
「そうか、一人一人にしか対応出来ないとすれば確かに……あっ、でも前に既に2人でアルギルスと戦った事ありましたよね?」
そう葛城が返す。
「あの時はグレイザーにはブレイブフォームがなく、ガイオーもパラディンフォームになれなかったからな……。ブレイブフォームはアルギルスと戦う事も想定して強くしてある。2人の最強の力が合わさればきっと勝てる」
確かに藤波博士の言う通り、2人の最強の力が合わされば勝てるかも知れない。
24時間の猶予の内に体制を整えグレイザーとガイオー2人で戦う準備を整える事にした。
藤波博士は『グレイアクセラー』の修理を急ぐ。
その間守は体を休め、ガイも目を覚まし体力を完全に回復する為に食事をする。
葛城と牧田は警視庁に戻り装備を整える。
そうして運命の一日が過ぎて行った。
守が修理の終わった『グレイアクセラー』を装着する。
そして、最後の戦いに向かい始める。
ガイが守の肩に手を置く。
「守……お前に出会えて良かった。お前に出会えて俺は失いかけてた物を取り戻す事が出来た」
それに対して守は……。
「行こう!」
守とガイを葛城が迎えに来る。
「2人共、乗るんだ」
葛城が2人をパトカーに乗せ、アルギルスとの最終決戦に……。
避難所で一夜を過ごした人々は不安な夜を過ごした。
そして、アルギルスが宣言した24時間の期限が迫り世界の運命を固唾を飲んで見守っていた。
そして、24時間が経ちアルギルスが再び現れた。
「さぁ、人間共……お前達の最後の時だ!」
そして、アルギルスの前に守とガイが立ちはだかる。
守が啖呵を切る。
「アルギルス!この世界を、お前の好きにはさせない!」
守は『変身』。
ガイも『変身』。
超戦士グレイザー『ブレイブフォーム』登場。
勇者の騎士ガイオー『パラディンフォーム』登場。
グレイザーがアルギルスに攻撃を仕掛ける。
アルギルスは衝撃波でグレイザーを攻撃。
グレイザーがその攻撃を受ける。
そしてそのスキにガイオーが『ガイソード』でアルギルスを斬りつける。
アルギルスはダメージを受ける。
今度はガイオーに攻撃するアルギルス。
しかし、今度はグレイザーが攻撃。
ブレイブフォームのスピードを活かし間合いを詰めパワーを込めたパンチを喰らわせる。
それを繰り返し攻撃担当と防御担当を入れ替えながらアルギルスにダメージを交互に与えて行く。
2人の連携でアルギルスは追い詰められて行く。
今までならバルバが邪魔に入ったが、そのバルバは葛城と牧田を始めとする警察隊と自衛隊が攻撃を仕掛けていた。
勿論倒すまでは至らないが、足止めには十分だった。
そして、自衛隊が戦車でバルバを砲撃。
バルバにも大ダメージを与えた模様。
そして、グレイザー、ガイオーは……。
「これでトドメだ!」
『ブレイブキャノン』を取り出す。
ガイオーも『パラディンソード』を取り出し。
『ブレイブバースト』
『パラディンブレイク』
2人の必殺技が炸裂し、遂にアルギルスを倒す。
アルギルスは膝から崩れ落ち体が消滅して行く。
「俺が……負けた?……バカな……おのれぇ〜……」
アルギルスは完全に消滅。
アルギルスを倒した事で世界を覆っていた暗雲が晴れ青空が戻った。
青空が戻った事で人々は安堵し、歓声を上げた。
「ああ〜……アルギルス陛下〜……」
バルバはアルギルスが倒された事で肩を落し戦意を失った。
そのままバルバは姿を消した。
「終わったのか……」
牧田が呟いた。
グレイザーとガイオーがアルギルスを倒して数日後。
「やっぱり……行くのか?」
そう守が尋ねる。
「ああ……」
答えるガイ。
この日はガイが元の世界に帰る日だった。
見送りに来ている守、藤波博士、葛城、牧田、そして、まなみ親子。
「お兄ちゃん、家に帰っちゃうの?」
まなみが寂しそうに聞いた。
「ああ……向こうに行って妹の墓に報告もしたいしな」
ガイがまなみの頭を撫でる。
「俺は一度自分の世界に帰るが、また来る。まぁ、流石にしばらくは会えないだろうが……元気でな」
そう言って別れを告げガイは自分の世界に帰って行った。
そして、その後、葛城と牧田を始めゲシェード関連事件対策本部の刑事達は解散。
葛城と牧田は捜査一課に戻った。
守は夏休みを友人達と楽しく過ごしたあと、晴香と共にアメリカに留学をする事にした。
空港にはクラスの友達や、森川教授、藤波博士が見送りに来ていた。
「守君。今まで本当にありがとう。君が戦ってくれたお掛けで未来がある。これからは君自身の未来を手にしてくれ」
藤波博士がそう言って守を送り出す。
「はい。俺、向こうで頑張って来ます!」
こうして、守と晴香はアメリカに渡った。
自分自身の未来を手に入れる為に……。
終わり。
超戦士グレイザー 山ピー @TAKA4414
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