第22話最終章3 ギレン最後の戦い
ガイオーがジェイガを倒し新たな力を手に入れてから数日が過ぎた。
その間、ゲシェードによる被害も無く守は日常を取り戻していた。
守も追試を含め全ての試験が終了し、日常生活でも落ち着きを取り戻していた。
守が友達と一緒に談笑しながら帰る。
「なぁなぁ、試験も終わったし、今度の日曜日皆でどっか遊びに行かない?」
そう言い出したのは西山だった。
「いいねー、たまには皆で羽根伸ばそっか!」
晴香も乗り気だった。
そんな他愛も無い話をしていると……。
「おーい、桐崎、美山ちょっとだけいいかー?」
声を掛けて来たのは森川教授だった。
森川教授に呼ばれ職員室に向う守と晴香。
職員室に着くと森川教授は2人にパンフレットを渡した。
そして森川教授は2人に説明する。
「それはアメリカの有名な大学のパンフレットだ。夏休み明けの10月から向こうでは新学期が始まる。そこで、10月から2人とも留学しないか?」
驚く2人。
「えっ!?」
森川教授は更に続ける。
「その大学はアメリカでも有数の宇宙工学に長けた大学でね。NASAで働いてる卒業生も多いんだ。そこで、成績トップ2の2人に是非と思ってね」
晴香は興味があり乗り気だった。
もちろん守も興味はあったが、ゲシェードとの戦いに決着も着いていない為、悩んでいた。
「まぁ、夏休みの間に答えを貰えれば9月中に準備を整えておくから考えてみてくれ」
そう言って2人は帰された。
「ねぇ、桐崎君どうするの?」
晴香が聞いて来たが……。
「う〜ん……わかんないよ……まだ、ゲシェードとの戦いも終わって無いし……」
「そっかぁ……」
その後2人は西山達と合流し一緒に帰って行った。
友達と解散すると、守は藤波博士の研究室に向かった。
その頃、警視庁では葛城達が会議を開きそこに藤波博士も参加していた。
そう、守が行っても藤波博士は留守だ。
葛城がまず報告を始める。
「え〜皆さん、本日急遽会議を開かせて貰ったのには訳があります。ここ数日ゲシェードは出現していないですが、有力な目撃情報が入ったからです」
葛城がスクリーンに画像を映す。
それはリラが洋館の中に入って行く姿が写された写真だった。
葛城が説明を続ける。
「この写真は昨日、近くを警ら中の警察官がリラを発見し、撮影した物です」
次に牧田が口を開く。
「ちょっと待て、まさか……この洋館が奴らのアジトだってのか?」
「はい。可能性は十分にあると思います」
葛城が答えた。
また、葛城が話出す。
「この洋館の主は数年前に亡くなってそれ以来空き家になっていました。奴らが隠れるにはピッタリです」
すると、また牧田が喋る。
「なるほどな……空き家なら隠れる以外に奴らが入って行く意味は無い……か。ようやく奴らの潜伏先がわかったんだ。攻め込むなら今のうちだな」
葛城はアタッシュケースから弾丸を取り出した。
「コレは藤波博士と科警研が協力して作った強化型電撃弾です。藤波これの説明をお願いします」
藤波博士が立ち上がり説明を始める。
守が藤波博士の研究室に到着するが、当然誰も居ない。
「あれ?居ないのか……しょうがない……帰るか……」
守が諦めて帰ろうとする。
そこにガイがやって来た。
「あれ?ガイ!」
「おお、博士は?」
「留守みたい」
「そっか……飯食わして貰おうと思ったんだがな……」
ガイも諦めて帰えろうとする。
「待てよ」
守がガイを引き止めた。
「俺も腹減ったし……満腹堂でも行かないか?」
「言っとくが……俺は今金無いぞ」
「あれ?バイト始めたんだよな?」
「日給制だからな……今日は休みで金が入って来ないんだ」
「あのな……もう少し考えて使えよ……。まぁ、いいよ。俺、バイト代入ったから」
そう言って守とガイは一緒に満腹堂に向かった。
−満腹堂−
いつもの如くおばちゃんが料理を大盛りで出してくれる。
考えてみれば守とガイが一緒に食事をするのは初めてだ。
2人はこの食事を通して今まで話せなかった事を色々話した。
そして、守は留学の事もガイに話した。
「その……りゅうがく?ってのはそんなに大変な事なのか?」
「ああ……直ぐに行って帰って来れるような距離じゃ無いし……」
「俺は世界を渡って来たぞ?」
「お前の次元で言うな!」
守は思わずツッコんでしまった。
食事を終え守とガイは別れる。
その頃、ギレンが怪しげな動きを始めていた。
「フッフッフ……みぃ〜つけた……僕をこんな目に遭わせた罰だ……。お前には相当の苦しみを味わって貰うよ……」
また、警視庁での会議を終え、ゲシェードのアジトの洋館には明日突入作戦を行う事が決定した。
藤波博士は急いで帰る。
−翌日−
守は普段通り大学へ向う。
その後を付けるギレン。
警視庁では突入作戦の準備が整い警官隊と自衛隊が勢揃いしていた。
藤波博士の連絡でガイも協力する事になったが葛城は気を回し守には連絡していなかった。
ライフルには強化型電撃弾が装填される。
葛城が代表して話始める。
「皆さん、準備はいいですか?今日は我々人類にとって最大の決戦となるでしょう。気を引き締めて挑みましょう。それでは出発します」
警察と自衛隊が洋館に向けて出発。
ガイは葛城のパトカーに乗る。
その頃、守は大学に到着し授業前に西山達と談笑していた。
そこにギレンがやって来る。
「さぁ、お楽しみの時間だ……」
ギレンは怪人態に変身し、周りの生徒達を襲い始めた。
城北大学のキャンパスでは大パニックが起こった。
騒ぎに気付き守の教室でも皆が外を見る。
「ギレン……」
守は小さく呟いた。
「ハッハッハッ早く出てこい!」
(俺を呼んでる……何で俺がここに居るって……)
守がそっと教室を離れる。
それに晴香だけが気付いた。
晴香も守の後を追う。
守は大学の皆に正体がバレないように変身出来る場所を探す。
トイレ……何かヤダ。
食堂……人が多い。
職員室……どう考えても無理……。
中々いい場所が見つからない。
そこに晴香がやって来た。
「桐崎君!」
「美山さん!?」
「戦いに行くの?」
「うん……。アイツは何でか僕の居場所を知ってた。これ以上皆を危険な目に遭わす訳には行かない……」
そう言うと守はギレンとの戦いに向かった。
辺りはいつのまにか誰も居なくなっていた。
これなら変身出来る。
守は『変身』。
超戦士グレイザーが登場。
大学内に現れたグレイザーに学生達は驚いたがヒーローの登場に大盛り上がり。
「グレイザーだ!」
「でも、何でウチの大学に?」
「まさか……ウチの生徒がグレイザーなのか?」
そんな声が周りから聞こえてくる。
「ギレン……これ以上お前の好きにさせない……。ここで決着を着ける!」
「グレイザー……お前だけは……殺す!」
グレイザーとギレンの戦いが始まった。
ギレンはやはりスピードを活かして攻撃してくる。
ギレンの速さに翻弄されるグレイザー。
しかし、グレイザーは『ブレイブフォーム』にチェンジ。
グレイザーもスピードを上げギレンと対等に戦う。
「何でだ……何でお前なんかに……!?」
グレイザーの急激なパワーアップに動揺するギレン。
そして、グレイザーのハイスピードキックがギレンを蹴り飛ばす。
ギレンはこのままでは勝てないと思い強化薬を使う。
ギレンもまたジェイガと同様に変貌を遂げて行く。
面影を残さない醜い異形の怪物となったギレン。
その頃、警察と自衛隊はゲシェードのアジトの洋館に近付いていた。
こちらも決戦が始まろうとしていた。
アルギルスは人間達が向かって来る事に気付きリラに行かせた。
洋館の前にパトカーや自衛隊の車が数台止まる。
武装し、洋館を包囲する警察と自衛隊の前にリラが現れる。
「まだ、出迎えの用意は出来て無いんだがな……。しばらくは私が相手をする……」
そう言ってリラは警察や自衛隊と対峙する。
グレイザーとガイオー、それぞれの場所で一大決戦が始まる。
続く……。
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