第21話最終章2 勇者の鎧

ジェイガとの決戦に向かったガイオーだったが、ジェイガにまなみ親子を人質に取られガイオー自身も大ダメージを受けてしまう。


ジェイガの剣がガイオーの腹を貫く。

「ぐっ……き……さま……」

ガイオーは倒れる。

更にジェイガはガイオーにトドメを刺そうと迫る。

「フンッ……終わりだ……死ねー!」

ジェイガが剣を振り降ろす。

しかし、その瞬間エネルギー弾がジェイガの剣を弾き飛ばす。

「何っ!?」

振り向くとそこにはグレイザーが『グレイバスター』を構えて立っていた。


「グレイザー……どうして?」

葛城が呟く。


「へっへっへっ……。やっぱり……気になって来ちゃいました」

「くっ……おのれ……デスサイズゲイラーその親子を処刑しろー!!」

ジェイガがデスサイズゲイラーに命令する。


デスサイズゲイラーがまなみ親子に向けて鎌を振り降ろす。

「させるか!」

グレイザーは『グレイバスター』でデスサイズゲイラーを攻撃しそれを阻止。

更にグレイザーはデスサイズゲイラーに接近戦を挑みまなみ親子からデスサイズゲイラーを離そうとする。


「チッ……」

ジェイガが舌打ちをする。

「ガイオー!こんな所でやられるお前じゃないだろ!ここで負けたら誰が妹さんの仇を取るんだ!立てよガイオー!」

グレイザーが必死にガイオーに呼び掛ける。


すると……。


ガイオーはゆっくり起き上がる。

「んな事わかってんだよ……誰が負けるって?」

ガイオーは再び立ち上がった。

「何っ!?」

ジェイガも驚く。

更にガイオーの腹の傷が塞がって行く。

「なんという回復力だ……」

これにはジェイガも呆気に取られる。


その隙に葛城達もまなみと母親を救出し保護。

「こっちは大丈夫だ!遠慮なく思いっ切りやれ!」

叫んだのは牧田だった。


「形勢逆転だな……覚悟しろジェイガ!!」

ガイオーの全身を炎が包む。

『ヘルダイナマイト!!』

ガイオーはジェイガを巻き込んで大爆発。

ジェイガに大ダメージを与えた。


「ぐぁっ!?くっ……お……おのれ……」

ジェイガはダメージを受けながらも生きていた。


「こうなったら……コレを使うしか無いな……」

ジェイガはバルバから渡された強化薬を飲む。


すると、ジェイガは苦しみ出し、少しずつ姿を変えて行った。

「何っ……!?」

ガイオーも呆気に取られる。


グレイザーも攻撃の手が止まる。

そのすきにデスサイズゲイラーが攻撃。

「危ない!!」

気付いた葛城が声を掛けたが遅かった。

デスサイズゲイラーの鎌がグレイザーを襲った。


そして、ジェイガは全く面影を残さない異形の怪物の姿に変貌した。


「なんだと!?……なんだ……この醜い姿は……おのれ……バルバめぇ……」


変貌が終わるとジェイガはとても醜い怪物の姿となり、何本もの触手が背中に生えた茶色い姿となった。


「なんかヤバそう……」

グレイザーはデスサイズゲイラーと距離をとり『セイバーフォーム』にチェンジ。

『グレイトソード』を手に1分間で怒涛の攻撃を仕掛ける。

『ライトニングスラッシャー』デスサイズゲイラーを破壊。


デスサイズゲイラーの正体はロボットだった。

「何っ!?ロボット!?」


その様子は離れた場所からバルバが見ていた。

「やれやれ……彼らの力を見る為に作ったんですが……やられてしまいましたか……」

どうやら、このロボットはバルバが作った物らしい。

バルバは更に……。

「まぁ、いいでしょう……もう1つの方は成功したみたいですからね……」

そう言ってジェイガの方を見る。


ジェイガは自分の意思とは関係無く暴れ始めた。

触手が縦横無尽に暴れ回りガイオーにも襲い掛かる。

グレイザーもガイオーを助けに向うが、1分が経過し、元の姿に戻った。

「しまった……時間切れか……」

『グレイトソード』も消えグレイザーは丸腰になってしまった。

触手がグレイザーにも襲い掛かる。


葛城達もグレイザーとガイオーを援護しようとするが、触手に阻まれ下手に動く事が出来ない。


ガイオーも先程の『バーニングダイナマイト』でエネルギーをかなり消耗していた。


その頃、藤波博士は研究室で強化電撃弾の開発を急いでいた。

そこに葛城から電話が入る。

「もしもし?」

「藤波博士!ジェイガが姿を変えてグレイザーとガイオーに襲い掛かっててピンチなんです!強化電撃弾の完成はまだですか?」

葛城が慌てた様子で言う。

「すまん……まだ時間が掛かる……」

「そうですか……わかりました……」


葛城は電話を切って今ある武器で戦う。

ライフルをジェイガに向け電撃弾を撃つ。

命中し一瞬動きが鈍った。

「ぐっ……邪魔をするなー!」

ジェイガの触手は葛城に向かって伸びる。

「危ない!!」

グレイザーが気付いて叫ぶが……。

触手が葛城を貫く。


と思った次の瞬間……。

牧田が拳銃で触手を撃ち軌道を変えた。

お陰で葛城は怪我をせず事なきを得た。

「牧田さん……」

「へへっ……俺はこれでも射撃には自信があるんだ!」


牧田の活躍で葛城は無事。

一安心したグレイザーは『ブレイブフォーム』にチェンジして、反撃に出る。

グレイザーはブレイブフォームのスピードを活かして一気にジェイガとの間合いを詰める。

そして、グレイザーの渾身の一撃。

グレイザーのパンチがジェイガを殴り飛ばした。

「ガイオー立て!妹さんの仇を撃つんだろ?ジェイガを倒すのはお前の役目だ!」

グレイザーがガイオーに叫ぶ。

「ああ……そうだな……俺は……ジェイガを……倒す!!」

ガイオーは立ち上がり『バーニングブレイド』を右手にもち更に『ガイソード』を左手に持った。

「えぇ!?そんな事出来たの!?」

驚くグレイザー。

「ああ……ジェイガを倒す為に編み出した新たな必殺技だ……」

ガイオーは二刀流でジェイガに攻撃を仕掛ける。

ジェイガも触手を伸ばし応戦するが、2本の剣でジェイガの触手をことごとく切り裂いて行く。

「ジェイガ……お前との因縁もここまでだー!!」

『ヘルツインストライク』

2本の剣からの斬撃がジェイガの体を破壊していく。

そして、最後に爆散しガイオーは遂にジェイガを倒した。

「やったな!」

「ああ……」


しかし、次の瞬間ガイオーの鎧が砕けた。

「何故っ!?」

ガイも驚いた……。


すると、どこからか声が聞こえて来た。

(ガイ……もうお前に復讐の鎧は必要ない……)

「その声は……父さん!?」

そう声の主はガイの父親だった。

(お前はリアを殺した相手を倒す為に復讐の鎧を身に纏った。しかし、その相手を倒した今、その鎧も役目を終えたんだ……)

「しかし、父さん……。俺にはまだ力が必要なんだ。奴らと戦う力が!」

(フッ……お前も、その世界で大切な人達が出来て変わったんだな……。一時は復讐心に駆られ敵を倒す事しか考えて無かったお前が……)

「そんな事はどうでもいいから!俺にもう一度力をくれ!」

(そうだな……今度は復讐心ではなく大切な人達を守る為に戦うと言うなら……お前に新しい鎧を与えよう)

そう言ってガイの父親の声は消え光と共に新しい鎧がガイの身を包んだ。

今度は復讐の鎧ではなく、勇者の鎧『パラディンフォーム』の姿となった。

ガイオーの黒を基調にしつつ銀を加えた西洋の高等騎士の様な姿をしていた。

「ありがとう父さん……」


「ガイ……君のお父さんは……」

グレイザーが声を掛ける。

「ああ……あの様子なら元気そうだ」

「えっ……?」

驚くグレイザー。

「ガイのお父さんって……生きてるの?」

そう、グレイザーはガイの父親は死んでるものと思っていた。

「ああ。確かに妹は奴らに殺されたが……父さんは怪我はしたものの生きてるぞ?もう大分怪我の具合いも良いみたいだな」

「え……じゃあ今の声は?」

「ん?普通に通信してただけだが?」

えぇー!?

ここに居る全員が驚いた。


そう誰もがガイの父親もゲシェードに殺されたと思っていた。

「いや、驚き過ぎだろ。妹が殺されたとは言ったが父親が殺されたなんて一言も言ってないぜ?」

うん、確かに言ってない。


意外な事実に一同ア然とする。

ガイはそんなグレイザー達をよそにまなみの元へ行く。


「怖い思いさせてごめんな……。もう大丈夫だ」

まなみの頭を撫で去って行くガイ。


その後、リラはギレンを見つけ出していた。

ギレンは廃工場の中で身を潜めていた。

「こんな所に居たのか……」

リラが話し掛ける。

「リラか……何しにきた?」

ギレンも返す。

「ジェイガが死んだ。次は私かお前の番だ」

「クソッ……グレイザーめ……アイツさえ居なければ……」

ギレンはグレイザーを酷く恨んでいた。


続く……。

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