第18話激闘の果に…。

ギレン、ジェイガ、リラがそれぞれ同時に動き出し、対応に向うグレイザー。


既にガイオーはジェイガとカッターゲイラーを相手に戦っているが、ギレンは晴香を人質に取り、グレイザーを誘き出す。

だが、それと同じ頃、リラはダイヤモンドゲイラーを誕生させ、警官隊と交戦していた。


戦意を取り戻し復活したグレイザーはギレンとリラ、どちらの対応に向うのか……。


ガイオーは『バーニングフォーム』にチェンジして、カッターゲイラーに猛攻を仕掛ける。

ジェイガはガイオーをワイヤーで捕らえ動きを止めた。

「何っ!?」

流石のガイオーも焦る。

カッターゲイラーがガイオーを攻撃。

ガイオーは攻撃を喰らいダメージを受ける。

「フッフッフ……ガイオー。貴様如きでは俺は倒せん。残念だったな……妹の仇を取れなくて」

その言葉にガイオーの怒りが爆発。

バーニングフォームの力も増す。

「貴様は……絶対に……倒す!」

ガイオーの体は全身が炎に包まれ捕えていたワイヤーをも焼き切る。

「チッ……」

ジェイガがワイヤーを切り離す。

ガイオーの新たな必殺技『ヘルダイナマイト』が炸裂し、カッターゲイラーを焼き尽くす。

しかし、その威力はそれだけに留まらず爆発は周囲を次々に巻き込んだ大惨事となった。

ジェイガは慌てて距離を取るが、爆発の衝撃で吹き飛ばされる。


その爆発はグレイザーからも見えた。

「アレは!?」


周囲を巻き込みながらの爆発は収まったが、ガイオーのダメージは相当な物だった。

変身が解除され、ガイは倒れた。


吹き飛ばされたジェイガは……。

「くっ……これ程の力とは……」

姿を消し一時撤退。


その頃グレイザーは現場に到着。

グレイザーが選んだのは……。

晴香とギレンが居るビル。

しかし、屋上に居る2人の元に辿り着くにはグレイザーのジャンプ力が足りない。

仕方なくグレイザーは変身を解除し、ビルの中から屋上を目指す。


ちなみにこのビルとある企業の本社ビルで、部外者が屋上に行くのは難しかった。

ビルに入っても直ぐに警備員に止められる。

「ちょっと君、一体なんのようだ?何階のどこに用があるのかな?入館証は?」

当然だ。

全くの部外者の大学生をアポも無しに入れてくれる訳がない。


仕方なく守はある奴に協力を頼む為に電話した。

「もしもし?桐崎?何の用だ?」

電話の相手は金光。

守は金光に頼み込んだ。

「金光、頼む。力を貸してくれ。君のお父さんの会社の屋上で、ゲシェードが晴香を人質に取ってるんだ。助けないと……」

そう、このビルは金光の父親が経営する大企業金光コーポレーションの本社ビルだった。

事情を聞いた金光は……。

「なるほどな……事情はわかった。協力してやってもいい。ただし条件がある」

こんな状況でも条件を突き付ける金光って……。

「条件?」

守が一応聞くと……。

「今後一切晴香に近付くな。それと、ゲシェードから晴香を助けたのは俺だと言え。俺の力で父さんの会社に入れるんだ。嘘はついてないだろ?」

金光、やっぱり嫌な奴……。

しかし、晴香を助ける為にはその条件を飲むしか無かった。

守は渋々承諾。

「わかった……。だから力を貸してくれ」

電話を切ると金光は早速父親に電話をし、守を会社の屋上に入れてくれる様に頼んだ。

父親からの了解を得られ屋上に向う事が出来た守。

本当なら金光に感謝する所だが、それも癪に障る。

そしてようやく屋上に到着すると……。


ギレンが待っていた。

晴香は縛られていたが怪我はないようで意識もハッキリしていた。

むしろ気を失ってくれてた方が都合は良かったが、金光の嘘は直ぐにバレる。

考え方によっては好都合だ。

だが、それは晴香の前で変身する事を意味していた。

「やっと来たか……待ちくたびれたぞ……さぁ、来いよ……」

ギレンが挑発する。

守は『グレイアクセラー』のボタンを押して『変身』。

超戦士グレイザー登場。

晴香は守が変身する所を目撃したが、驚いては居なかった。

「桐崎君……やっぱり……」

ギレンはカマキリゲイラーを呼んだ。

カマキリゲイラーは両腕の鎌を研ぎ澄ましグレイザーに襲い掛かる。

グレイザーは攻撃をかわし反撃。

グレイザーも今更ただのゲイラーに負けるつもりは無い。

『セイバーフォーム』にチェンジ。

『グレイトソード』を手にカマキリゲイラーと戦う。

『グレイトソード』とカマキリゲイラーの鎌が激しくぶつかり火花を散らす。

しかし、セイバーフォームでいられるのは1分間のみ、グレイザーは一気に仕掛ける。

『ライトニングスラッシャー』

カマキリゲイラーは倒された。

しかし……。

「掛かった!」

背後から別のゲイラーが現れグレイザーを捕えた。

更にセイバーフォームの時間が切れ元の姿に戻った。

そう、カマキリゲイラーは囮だった。

そして新たに現れたのはタコの姿をしたオクトパスゲイラー。

オクトパスゲイラーは触手でグレイザーを捕える。

「うわっ!?なっ、何だコイツ!?」

更にギレンも怪人態に変身し、爪を伸ばしグレイザーを切り裂く。

ギレンの攻撃はまだまだ続く。

グレイザーはギレンからの攻撃でダメージを受け続ける。

だが、身動きが取れないグレイザーはかわす事が出来ない。

「ハッハッハッハッ苦しめ……苦しめ……俺が味わった恐怖を……お前にも味あわせてやるよぉ!!」

グレイザーは聞き返す。

「恐怖……?」

ギレンは続ける。

「そうか……お前も味わったんだったな……アルギルス陛下からの恐怖を……。だがな……俺は……お前さえ居なければ……そんなモノを味わう必要無かったんだよ!!」

ここでグレイザーは初めて知った。

アルギルスの恐怖に怯えたのは自分だけでは無かったと。

そして、何故ギレンがこんな手段を取ったのかを感じ取った。

ギレンは拭いきれない恐怖を戦う事で晴らそうとしているのだと、グレイザーに執拗に迫るギレンは自分と同じで恐怖とプレッシャーに押し潰されそうになっているのだと……。

だが、だからと言って負ける訳には行かない。

守には、いやグレイザーには守りたいモノがあるから……。

グレイザーは自分を奮い立たせた。

そして、力いっぱい抵抗し、オクトパスゲイラーの触手を引き千切った。

そして、ギレンにも渾身のパンチを一撃喰らわせる。

グレイザーのパンチはギレンの顔面をクリーンヒットし、ギレンがよろける。

そしてすかさずオクトパスゲイラーにも回し蹴りで攻撃。

オクトパスゲイラーを蹴り飛ばした。

グレイザーは『グレイトバスター』を手にオクトパスゲイラーに向かって構える。

「俺だって……負ける訳には行かない!守りたいモノがあるから!!」

『グレイトフルバースト』オクトパスゲイラーを強力な必殺技で倒す。

「何っ!?」

グレイザーの怒涛の反撃にギレンも焦る。

グレイザーは更にギレンに飛び掛かり馬乗りになり、殴る、殴る、殴る……。

グレイザーはギレンを殴り続けた。

ギレンは吐血しもう戦意は喪失しただろう。

だが、グレイザーは攻撃を辞めない。

ギレンを立ち上がらせ今度は腹に強烈なパンチを叩き込む。

「辞めてー!!」

そう叫んだのは晴香だった……。

その声に動きを止めるグレイザー。

ギレンを離すとギレンはその場に倒れ込んだ。

「もういいよ……私、確かに怖い目にあったけど……どこも怪我してないから……大丈夫だから……いつもの桐崎君に戻ってよ!」

グレイザーも晴香の言葉を聞き入れた。

「わかった……」

グレイザーは晴香を開放して変身解除。

守が晴香を連れて帰って行く。

「待てよ、グレイザー……僕を……殺さなくていいのか?僕は……お前の敵だぞ……」

ギレンがいつになく弱々しい口調で言う。

守はそのまま去って行く。

「桐崎君、ありがとう。でも……優しさを無くしちゃダメだよ」

晴香の言葉で守は自分を保ったままもっと強くなる事を決意した。


「ごめん、美山さん。俺、まだ行かなきゃいけないんだ。ここで……」

そう言うと再び『変身』。

グレイザーは『グレイトフルチェイサー』で次の現場に向う。


そこに金光が現れ晴香に声を掛ける。

「晴香、無事で良かった!いや〜危なかった……助けられて良かったよ。俺が居なかったらヤバかったぜぇ〜」

晴香は金光を引っ叩く。

「えぇ!?何でー!?」

金光、ちょっと可哀想……。


そしてグレイザーはもう1つの現場ダイヤモンドゲイラーの元へ向う。


続く……。  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る