第17話守りたいモノ…。

ガイオーは『バーニングフォーム』にチェンジして、ハンマーゲイラーを瞬殺した。

しかし、そこに現れたジェイガによって攻撃を受け大ピンチに陥る。

誰が大ピンチだって?

ジェイガのロケットランチャーによる爆発を吸収したガイオー。

「何っ!?」

驚くジェイガ……。

だが、ジェイガも気付く。

「はっ!しまった……」

ガイオーのバーニングフォームは元々爆発のエネルギーを吸収して生まれた物。

爆発によるダメージを受けるはずがない。

「誤算だったな……コレで終わりだー!!!」

ガイオーは吸収した爆発のエネルギーを今度は放出し、ジェイガに返す。

ジェイガは咄嗟に姿を消す。

ジェイガは取り逃がしたが、この勝利は確かなモノだった。

ガイオーは確信したからだ。

バーニングフォームの力があればジェイガに勝てると……。


その頃、守を連れて逃げる晴香……。

「ここまでくれば……大丈夫よね?」

守は俯いたままだ……。

守は情けなく思えた、今まで戦ってきた敵であっても恐怖を感じ晴香を守る事が出来なかった自分が……。

「あんなになるなんて……まぁ……昨日みたいな目にあったらそうよね……」

しかし、その言葉に守は声を震わせながら返答した。

「違う……昨日の怪我が怖かったんじゃない……。あの……あの目を思い出すとどうしても……震えが止まらないんだ……」

晴香は首を傾げながら言った。

「あの目?何?何の事を言ってるの?」

また守が声を震わせながら答える。

「アイツの目を見たら……なんか……物凄いプレッシャーを感じて……動けなくなったんだ……。もう、戦うのに慣れたつもりでいたのに……そうじゃ無かった……アイツが恐ろしかったんだ……」

守は遂に本音を漏らした。

守の言葉を聞いて晴香はある予感がしていた。

とにかく晴香は守も連れて大学に戻る事にした。

大学に戻ったはいいが、今の守をどうしたらいいかわからなかった。

守は晴香と別れ、大学から去って行く。

その様子を見ていたのはギレン。


ギレンもまた、アルギルスに恐怖を覚えさせられた1人……。

彼は今、何をしようとしてるのか……。


そして、ガイは考えていた。

ジェイガをどう倒すか……。

ジェイガはガイの妹を殺した張本人。

ガイの復讐心が滾る……。


家に向う守の前にギレンが現れた。

驚く守だが、今の守は戦う事が出来ない。

すると、ギレンが口を開いた。

「やぁ……君のガールフレンドを預かったよ……助けたければ、あのビルの屋上まで来なよ……」

そう言ってギレンはあるビルを指差した。


それは大学の近くのある企業の本社ビル。

何故そんな所に……。


そして、ギレンは姿を消した。


守は焦った、自分が行かなければ晴香が危ない。

だが、『グレイアクセラー』は今持ってない。

そもそも、守はまともに戦えるのか、それすらもわからなかった。

守自身にも……。

だが、このままと言う訳には行かない。

守は拳を強く握りしめ、自分を奮い立たせる。

「俺は……戦う……俺に戦える力があるなら!守れるモノがあるなら、俺は、もう一度戦う!!」

守はもう一度戦う事を決意し、藤波博士の家に向う。


その頃、ガイの前にもジェイガが現れていた。

ガイがジェイガを睨み付ける。

「お前……」

ジェイガもガイに対して口を開く。

「さっきはやられたが、今度こそ、貴様を倒す」

ガイが『変身』。

復讐の騎士ガイオー登場。

ジェイガは自身も怪人態になり、更にカッターゲイラーを呼び出した。

ガイオーがカッターゲイラーと戦う。


同じ頃、リラも街に出ていた。

リラが立ち寄ったのは宝石店。

キラキラとした鮮やかな宝石が並ぶなか、リラが目を付けたのはダイヤモンド。

すると、店長らしき男がリラに話し掛けてきた。

「そちらは当店自慢の一品でして……。お値段は少々お高くなってしまいますが、お客様の様なお美しい方に身に着けて頂けるとそのダイヤも喜ぶかと……」

いかにも煽てて買わそうとするゴマすり具合いだがリラは……。

「気に入った。コレを貰おう」

店長らしき男は大喜びで対応する。

「ありがとうございます。そちらはお値段3000万円になりますがお支払いはどうなさいますか?」

リラは答える。

「コレで……」

出したのはシール。

リラはダイヤモンドにシールを貼りダイヤモンドゲイラーを誕生させた。

パニックになる店内。

目の前にいた店長らしき男は腰を抜かす。

リラはダイヤモンドゲイラーを連れて店を出た。

店の非常ベルがなり、警察に連絡が入る。


葛城がゲシェード出現の連絡を受け現場に向う。


最悪の事態になった。

ギレン、ジェイガ、リラが同時に動き出したのだ。

しかし、何故リラまで動き出したのか、それは数時間前に遡る……。


数時間前のアジト……。

ギレンがアジトから逃げ出してジェイガも次は自分の番かも知れないと焦り始めていた。

リラもそれを見ていたが、今まで通りマイペースで行くつもりだったが……。

アルギルスがリラに話し掛けてきた。

「リラ……お前も他人事では無いぞ……。忘れるな……お前達の命は俺が預かって居る事を……」

その一言でリラも顔色を変えた。


リラもアルギルスに発破を掛けられていたのだった。

リラの前にパトカーが止まりリラを包囲した。

数十人の警察官がリラに向けて拳銃を構える。

更に葛城とSATの隊員達は雷撃弾の入ったライフル銃を構える。

「撃て!」

葛城の指揮で一斉射撃が始まった。

ダイヤモンドゲイラーがリラの盾になる。

ダイヤモンドゲイラーに雷撃弾が効いていない。

ダイヤモンドゲイラーの体が硬すぎて弾丸でも貫けず弾丸は地面に落ちて行く。

雷撃弾は体の中に入らなければ意味が無い。

そして、リラが反撃。

怪人態に変身し、無数の蛇で警官隊を襲う。


その頃、ようやく守が藤波博士の研究室に到着した。


「藤波博士!」

勢い良く扉を開け叫んだ為藤波博士はビックリ。

飲んでいたお茶が喉に引っ掛かり咽てしまった。

「ゲホゲホッ……ま……守君?」

守は藤波博士に歩み寄り頼み込む。

「藤波博士……俺に……もう一度グレイザーをやらせて下さい!」

守は深く頭を下げる。

藤波博士は優しく微笑みながら、机の上に置いてあった『グレイアクセラー』を持ってきた。

「ああ……私も君しか居ないと思ってる……。頼んだよ、守君」

守は『グレイアクセラー』を受け取り左腕に装着。

藤波博士は続ける。

「すまん……まだパワーアップは出来て無いが、葛城さん達を助けてくれ。ゲシェードが街で暴れてる」

え……?

守は一瞬考えた。

晴香を助けに行くはずだったが、別の場所でゲイラーが暴れていてそっちも行かなければならない。

必死に戦って居る警察官や街の人達と大事な友達、どちらを助けに行くか究極の選択を迫られる。

ヒーローとして街を守るか大事な友達を助けるか……。

「ちなみに、ガイは?」

守は思わず聞き返した。

藤波博士は少々困り顔で答える。

「それが……連絡が取れなくてな……。病院にも居ないようだし……」


その頃ガイ、いやガイオーは……。

勿論カッターゲイラーと戦っていた。


守は遂に決意して、『変身』。

超戦士グレイザー登場。

グレイザーが『グレイトフルチェイサー』に乗り込む。

そして発進。


グレイザーは果たしてどちらに向うのか?

そして、今も戦ってるガイオー。


ガイオーは『バーニングフォーム』にチェンジして、カッターゲイラーと戦う。


その頃、ゲシェードのアジトではバルバが怪しい行動を取っていた。

バルバはある部屋に閉じこもり何かを実験していた。

「フッフッフ……出来た……。コレでアルギルス陛下もお喜びになるだろう……」


走り続けるグレイザー……宿敵と戦うガイオー……

晴香を人質に取るギレン……ガイオーの戦いを見ているジェイガ……警察を相手に攻撃を繰り返すリラ……そのリラに対し一歩も引かず戦う葛城……

何かを実験するバルバ……全てを支配するアルギルス……。


今、それぞれの思惑が交錯し新たな局面を向えようとしている。


続く……。

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