ゲシェードの王

第13話起動グレイトフルチェイサー

今日も守はバイクの講習を受けていた。

それを見守る教官の鷲見。

「よし、運転は大分上達して来たな。桐崎君、今日はもう終わろう」

「はい、ありがとうございました」

守はバイク講習を終え、バイトに向かった。

講習を終えた鷲見の元へ葛城がやって来た。

「どうですか?守君は」

「ああ、かなり上達して来たよ。そろそろ試験を受けてみてもいいかも知れない」

「そうですか。ありがとうございます」

この日も守はバイトをこなしてから帰宅した。


家に着くと、そのタイミングで西山からLINEが来た。

見てみると、もうすぐ期末試験だから一緒に勉強しようと言う内容だった。

守も一緒に勉強する事にし返事を送った。


そして、夕食の準備をする。

と言ってもバイト先のコンビニから余った弁当を貰ってきたので、それを電子レンジで温めるだけだが……。


夕食を食べていると、また西山からLINEが来た。

どうやら友達何人か集まって勉強会をするらしい。

その1人に晴香も居た。

守は勉強会が少し楽しみになった。


−翌日−

守は大学で西山達と勉強会の打ち合わせをしている。

西山は自分より成績がいい晴香に勉強を教わりたいと言う口実で誘っていた。

それは晴香と守を仲良くさせる為……。

西山……メチャクチャいい奴……。

勉強会は今度の日曜日。場所は1人暮らしの守の家が提案されたが、5人集まる為、とても狭くてやってられない。

そこで、西山の家でする事になった。

そんな話をしていると金光が声を掛けて来た。

「おい、お前ら勉強会やるんだって?だったら俺も混ぜてくれよ」

金光がそんな事を言って来るとは珍しい。

何か裏がある。

西山も守も直感でそう思った。

「なっ、何で金光が?珍しいじゃないか」

西山が口を開いた。

「ああ、今度の期末試験に、向けて是非頭の良い桐崎君に教えを請いたいと思ってね」

何とも直球の嫌味……。

しかし、ここで断ると面倒なので西山と守は金光も仲間に入れる事にした。

しかし、金光が何で勉強会の事を知ったのか。

それは数分前、たまたま会った晴香から聞いたと言う。

金光は今度の日曜日、晴香を遊びに誘おうとしていたが、勉強会に行くからと断られていた。

内心西山と守は思った。

(晴香……余計な事を……)


そういている内に講義の時間となった……。


その頃、ガイは病院で精密検査を受けていた。

前回の戦いで何故ガイにいや、ガイオーに炎の力が宿ったのかわからなかったからだ。


しかし、レントゲンやCTスキャンを試みたが何もわからなかった。

同行していた藤波博士はある仮説を思い付いた。

それはガイの変身のメカニズムにあるのかも知れないと。

そこで、ガイの事を、知り合いでグレイザーの開発にも協力してくれた佐藤博士に相談してみる事にした。

藤波博士はさっそく佐藤博士に連絡を取る。


佐藤博士もガイに興味を持ち、協力を承諾してくれた。

ガイが検査室から出てくる。

「終わったぞ。腹減った、何か食わせろ」

「君……そればかりだな……」

藤波博士は呆れながらも病院の食堂に連れて行った。

相変わらず大量に食べるガイ。

「いいか、次は私の知り合いの佐藤博士に調べてもらうからな。食べ終わったら付いて来るんだぞ?」

「ああ」

ガイも承諾したようだ。

そして、会計……。

「8700円!?何で病院の食堂ってこんなに高いんだ……」

その金額に目を丸くする藤波博士。


その後、藤波博士はガイを連れて佐藤博士を訪ねる。

佐藤博士の家は都内から離れた郊外にあった。

佐藤博士が2人を招き入れる。

佐藤國男(さとう くにお)博士(64歳)は痩せた白髪の男性。

余談だが、緑と白のボーダーのポロシャツにチノパンを履いていた。ボーダーシャツを良く着る為、ボーダー博士と呼ばれる事もある。

早速、佐藤博士は準備に取り掛かる。

ボーダーシャツの上から白衣を着て、ガイを研究室に案内する。


そして、ガイの変身のメカニズムを探り始める。


守はその頃、大学が終わりバイク講習に来ていた。

今日、早速バイクの試験をする事に。

守はすっかりバイクを乗りこなせる様になり、難なく試験を合格した。

「あーあ……期末試験もこれくらい簡単だったらいいのに……」

何気にそう呟いた。

すると、それを聞いた葛城が……。

「期末試験?そうか、大学でもそろそろ試験の時期か!」

「はい、そうなんです。それで今度の日曜日友達と勉強会をする事になって」

「そうか……その間ゲシェードが現れなければいいが……」

「あっ、でも、何かあった時は遠慮なく言って下さい!俺、すぐ行きますから!」

「そうは行かない、学生の本分は勉強だ。何かあった場合は我々が対処する」

「はぁ……」

「まぁ、心配するな。今はガイ君も協力してくれるだろう」

「はい!」

改めて心強い仲間が出来た事を確認する2人……。


そして、守はバイトへ向かう。

その頃、ガイも一通りの検査を終えた。

佐藤博士の見解はこうだ。

まず、ガイの変身のメカニズムだが、ガイの心にその力が宿ってるとさせる。

つまり物理的な物ではない為、医学的観点からは調べようが無かった。

そして、ガイの心の奥底に宿る復讐心によって漆黒の鎧であるガイオーの姿になる。

今回の炎の鎧に関しては恐らくダイナマイトゲイラーの爆発で起きた炎にガイの心に宿った力が反応し吸収した物と思われる。

それが、ガイの体が無傷だった原因だ。

そして、その吸収した炎がガイの闘志に宿った時、『バーニングフォーム』になれるようだ。

つまり、ガイの精神次第という事になる。


まだ、あくまで仮説の為、今後も調べていく事になりそうだ。


ガイと藤波博士は帰る事にした。

「腹減った。何か食わせろ」

「またかよ!?」

ガイ……本当にメチャクチャ食べる……。


バイトしている時、守は今度の日曜日とテスト期間の一週間前からの休みを店長にお願いした。

店長も学生のテスト期間ならと快く休みをくれた。

もっと休んでもいいとは言ってくれたが、それ以上休むとお金が足りなくなる為、それは断った。

ただでさえ来月も既に赤字が決定している為、冗談じゃ無かった。


守はバイトが終わりに藤波博士の家による。

バイクの試験に合格した事を知らせる為だ。


しかし、その途中騒ぎが起きた。

守が行ってみると、公園でゲイラーが暴れていた。

その姿は足が無数に生えたとても嫌悪感漂う百足をゲイラーにした怪人。

センチピードゲイラーだった。

「げっ……今度は百足かよ……気持ちわりぃ……」

守はブツブツ言いながらも『グレイアクセラー』のボタンを押して『変身』。

超戦士グレイザー登場。

センチピードゲイラーと戦う。

しかし、『グレイバスター』が修理中の為、使えず苦戦。

隙を突かれたグレイザーはセンチピードゲイラーに逃走されてしまう。

そこで、グレイザーは一度変身を解除。


守は藤波博士の家に急ぐ。


守は藤波博士の家に着くと、藤波博士にバイクの試験に合格した事を報告し、センチピードゲイラーを追う為にさっそく『グレイトフルチェイサー』を用意して貰う。

そういえば、ガイの姿がない……。

守が藤波博士に尋ねると……。

「ガイ君なら帰ったぞ。まぁ、そうしてもらわないと食費が掛かってしょうがない……」

守も納得……。


そして、遂に『グレイトフルチェイサー』が起動する。

守は再度『変身』。

『グレイトフルチェイサー』に股がりエンジンを掛ける。

轟音とともに『グレイトフルチェイサー』のエンジンがかかり、発進の準備が完了。

グレイザーはアクセルを入れ『グレイトフルチェイサー』発進!

逃走したセンチピードゲイラーを追跡する。

センチピードゲイラーは逃走を続けている。

途中で、帰宅途中のサラリーマンを襲い殺害した。

グレイザーが倒れているサラリーマンを発見。


グレイザーが『グレイトフルチェイサー』から降り、周囲を警戒する。


すると突然背後からセンチピードゲイラーが襲い掛かって来た。


グレイザーは必死に抵抗し振り払う。

グレイザーが反撃。


グレイザーとセンチピードゲイラーの戦いを見て不敵に笑みを浮かべるギレン。


「フフッ……グレイザー……僕達の王が現れればお前ももう終わりだ」


続く……。

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