第12話仲間として…。

ガイはダイナマイトゲイラーとの戦いの後、倒れた。

それから3日後……。

ガイは病院に運ばれ眠り続けている。

ここまでの3日間、守は大変な日々を送っていた。

ダイナマイトゲイラーとの戦いの後、ガイを病院へ運び、病院の公衆電話からバイト先に電話を掛けた。

勿論、無断欠勤になるので、店長にはメチャクチャ怒られ、バイト代もその分減らされ来月まで赤字が確定してしまった。

その上、大学、バイク講習、バイトと忙しい日々を送っていた。

そして、今日守は病院に居た。

ガイを見舞うのは守、藤波、葛城の3人。

心配そうにガイを見る守……。

「彼……どうですか?」

守の質問に葛城が答える。

「どうやら、爆発で負ったダメージにしては外傷が殆ど無いらしい。ただ、ここに運ばれた時はかなりの高熱だったらしいが……それも今は落ち着いている」

それを聞いて少し安心する守。

そして、守はその後バイトへ向かった。

バイト中も普段通り仕事をする守。

店長も普段通りの守を見て安心している様子。

いつも通りに接してくれた。

この日はそのまま無事にバイトを終え帰宅する守。

家に帰ってテレビを点けると夜のニュースが流れていた。

ニュースではダイナマイトゲイラーによる爆発の被害状況が流れていた。

あちこちで爆発は起きたが、守とガイが人手の少ない所を選んで逃げていた為、人的被害は出ていなかった。

しかし、建物や道路への被害は甚大で、世間ではゲシェードに対する不満が限界に近くなっていた。

これまで、ゲシェードの怪人が暴れた事で繁華街では人が減り各店も経済的に厳しくなり、地下鉄で起きた事件では数万人の足に影響が出たり、国も経済が厳しくなっていた。

一刻も早くゲシェードの撲滅が求められる……。

このニュースで守は思った。

(早く……終わらせなきゃ……)


−翌日−

今日もいつも通り守は大学へ行き、その後、ガイの入院する病院へ向かった。

すると、入院して4日目のこの日、ガイが遂に目を覚ました。

ガイが目を覚ますと、周りには守、葛城、牧田、藤波博士が居た。

「ここは……?」

守達はホッとした表情を浮かべた。

牧田がここは病院だと説明すると、ガイは起き上がった。

「あ〜……腹減った〜」

すると守は……。

「お前、そればっかだな!」

しかし、周りでは笑いが起きた。

夕食までまだ時間がある為、守が売店で弁当を買って来てやった。

しかし、一個では足りずもっと食わせろとガイは言う。

仕方なくまた売店へ行きいくつか纏めて買って来てやる。

ガイはその全てたいらげた。

「あー、食った食った」

ガイは満足そうに腹を擦る。

「お前金返せよ!」

そこへ、看護師が夕食を持ってくる。

しかし、大量の空の弁当箱を見てお腹空いてないか聞くと……。

「食べる」

まだ食うのかよ……。

全員がそう思った。

ガイは夕食も食べ終えると、残ってたお金で守に支払った。

「お前……まだ、食堂での立て替えもあるんだからな!忘れるなよ!」

まだ、ガイはこれ以上のお金を持っていないので、また後日と言う事になった。

その頃、ジェイガが暗躍を始めていた。

「次は……コレにするか」

時刻は既に20時を回り、病院の面会時間が過ぎた為、守は葛城に送ってもらい帰る事に。

しかし、車中でゲシェードが暴れていると無線が入った。

「葛城さん、俺行きます!」

「ああ……頼む」

葛城が車の屋根にサイレンを出し現場に急行する。


現場はなんと、閑静な住宅街。

多くの家族が団らんを楽しんでいる中、それに水を差すように、チェーンソーゲイラーが暴れていた。

チェーンソーゲイラーは両手のチェーンソーで、家を破壊したり、人々を襲ったりやりたい放題だった。

先に現場に到着していた警察隊が交戦するが、通常の拳銃では歯が立たず、警察隊にも死者や重症者が続出する。

チェーンソーで斬り刻まれた警察官達の遺体が転がり住宅街はまさに惨劇という状態だった。


後から現場に到着した葛城と守。

「俺、行きます!」

守がパトカーから降りようとする。

葛城が声を掛ける。

「守君、今度はかなり危険そうだ。私も全力で援護する」

守も大きく頷き戦いに向かう。

『グレイアクセラー』のボタンを押して『変身』

超戦士グレイザー登場。

グレイザーは『グレイバスター』を手に距離を取って戦う。

しかし、チェーンソーゲイラーの両手のチェーンソーに弾かれ攻撃が通らない。

更にチェーンソーゲイラーは一気に距離を詰め、グレイザーに襲い掛かる。

グレイザーは必死に攻撃をかわし、反撃のチャンスを伺う。

しかし、チェーンソーゲイラーの攻撃は隙が無く反撃に出られない。

チェーンソーの刃がグレイザーを襲う。

グレイザーがチェーンソーゲイラーに蹴りを入れ、一度距離を取る。

そして、必殺技の『グレイバースト』を放つ。

しかし、チェーンソーゲイラーはその必殺技さえも弾く。

グレイザーは驚き動揺する。

「えぇー!?ウソッ……」

チェーンソーゲイラーがグレイザーを追い詰める。

更にチェーンソーが振り下ろされる。

そして、『グレイバスター』が切断される。

「ウソだろ!?」

グレイザーはかなり焦った。

グレイザーはセイバーフォームになろうとするが、チェーンソーゲイラーの攻撃が続きフォームチェンジの隙を与えない。

「このままじゃ……まずい……」

グレイザーが追い詰められる。

葛城がライフルで援護射撃をする。

しかし、チェーンソーゲイラーには全く効かない。

チェーンソーゲイラーが大きく振りかぶりグレイザーにトドメを刺そうとする!

「待て!」

そこに現れたのは……。

ガイ。

ガイは『変身』

復讐の騎士ガイオー登場。

ガイオーは『ガイソード』を手にチェーンソーゲイラーに斬りかかる。

そして、ガイオーはグレイザーからチェーンソーゲイラーを引き離す。

ガイオーはチェーンソーゲイラーに斬りかかるが、チェーンソーゲイラーに反撃を受ける。

まだ、完全に回復していないガイオーにはそれだけでかなりのダメージだった。

ガイオーが膝を着く。

すると、グレイザーがガイオーの肩に手を置き言う。

「一緒に戦おう」

すると、ガイオーは素直に……。

「ああ……仲間として!」

グレイザーがガイオーに手を貸しガイオーは立ち上がる。

すると、ガイオーは体の奥底が熱くなってきた。

ガイオーの体の、奥底から湧き上がってきた闘志が燃える。

いや、ガイオー自身が燃えている。

紅蓮の炎がガイオーの体を包み込みガイオーは新たな力が覚醒した。

ガイオーの黒いボディに真っ赤な炎が彩られ炎の鎧となった。

ガイオーは燃える闘志を力に変え『バーニングフォーム』となった。

「えぇ!?スゴっ!?」

グレイザーは驚く。

「コレは……?」

ガイオー自身も驚いていた。

そして、ガイオーの目の前に炎を纏った剣『バーニングブレイド』が現れた。

ガイオーはそれを手に取り構える。

チェーンソーゲイラーが襲い掛かって来る。

ガイオーは『バーニングブレイド』を一振りすると、炎の壁が現れチェーンソーゲイラーの攻撃を防いだ。

「凄い……」

その力を見て唖然とするグレイザー。

そして、ガイオーはチェーンソーゲイラーに近付き『バーニングブレイド』を振るう。

炎がチェーンソーゲイラーを包み込む。

『ヘルフレイムインパクト』

ガイオーの新たな必殺技がチェーンソーゲイラーを燃やし尽くす。

そう、それはまさに地獄の業火のように……。

チェーンソーゲイラーが倒されたのを見て近くで見ていたジェイガが引き上げる。

グレイザーとガイオーはお互いに変身を解除。

「さぁ、病院へ帰ろう」

守がそう言うと……。

「いや、もう大丈夫だ」

ガイは去って行く。

葛城が守に近付き肩に手を置く。

「ようやく、仲間になれたね」

「はい……」


アジトの洋館に戻ったジェイガは個室に籠もり誰かと通信をしている。

「はい……はい。わかりました。ではお待ちしております」

そして、ジェイガはギレンやリラと合流。

「ギレン、リラ、いよいよお越しになるぞ、我らが王が」

ジェイガ、ギレン、リラ、ゲシェードの3人にも緊張が走る。


続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る