第4話正義の証明
タバコゲイラーとの戦いから3日後、守は普段通り大学に通っていた。
守が教室にいると西山が声を掛けて来た。
「おはよー守、なぁ、この動画見たか?」
西山はスマホで動画配信サイトに投稿された動画を見せて来た。
それはグレイザーがタバコゲイラーと戦っている動画だった。
西山は興奮気味に話始める。
「なぁ!コイツすげぇよな!いや〜ヒーローって本当に居るんだなぁ」
守は少し困った表情で返事をした。
「あっ、ああ……そうだな……」
しかし、周りを見てみるとこの動画の話で盛り上がってるのは西山だけじゃ無かった。
クラス中いや、恐らく世の中の殆どの人がこの動画に注目しているだろう。
−警視庁−
牧田と葛城はゲシェード対策会議に出席していた。
続々と刑事達が集まり最後に本部長の林田(はやしだ)(56歳)と警視総監の武長(たけなが)(62歳)が会議室に入って来た。
牧田の指揮で刑事達が一斉に本部長と警視総監に敬礼をする。
敬礼が終わり全員が着席すると、早速会議が始まった。
会議の内容は宣戦布告をして来たゲシェードに対してどう対抗するか、警察では正式にゲシェード関連事件対策本部が設置され、24時間体制で街の防犯カメラを駆使してゲシェードの発見及び対策される事が決定した。
また、自衛隊とも協力し、ゲシェードを倒す事も決定した。
そこで、自衛隊とのパイプ役として、派遣された自衛官の桜井(32歳)がやって来た。
自衛隊の協力により警察にもより強力な装備が支給される事になった。
しかし、グレイザーに関しては警察もまだ正式に認めておらず、一応ゲシェードとの戦いに参加して来た場合攻撃は加えないと言う程度の扱いだった。
葛城の進言もあったが、出来たのはここまでだった。
−城北大学−
守は森川教授に呼ばれていた。
森川教授は藤波博士の所はどうだったか聞いて来た。
しかし、グレイザーの事を言う訳には行かず、更に色々あり過ぎて論文があまり進んでいない。
守は返答に困ったが……。
「ええ……とても参考になりました。ご紹介ありがとうございました」
森川教授も機嫌が良かったようだ。
「そうかそうか!それなら良かった!土曜日の夕方頃から藤波と連絡が付かなくてどうなったのか気になって居たんだ。まぁ、君は成績も優秀だし、論文も期待してるよ」
守は苦笑いするしか無かった。
その頃、ギレンが街に出ていた。
ギレンはゲイラーにする素材を探していた。
そして、木に貼られた蜘蛛の巣を見つける。
ギレンはそこに居た蜘蛛にシールを貼り、スパイダーゲイラーを誕生させた。
周りに居た人達は突如現れたスパイダーゲイラーに大パニック。
監視カメラの映像により警察もこの事態を把握。
葛城達対策本部の刑事達が現場に向う。
同じ頃守は大学で講義を受けて居たが、藤波博士から出動のメールが届いた。
メールをこっそり確認した守……。
(授業中だっての……仕方ないか……)
守は仕方なく講師に体調が悪いと仮病を使い教室を出た。
「まったく……仮病なんて初めてだ……」
守は藤波博士に連絡し、大学まで車で迎えに来て貰う。
しかし、その間にも被害者は続出する。
スパイダーゲイラーに糸で捕らわれる人々が恐怖に陥っていた。
それはスパイダーゲイラーと言う怪物に襲われたからだけではない。
何とビルとビルの間に作られた巨大な蜘蛛の巣に捕らわれ宙釣り状態だったから余計恐怖心が増す。
そして、それを見て楽しげに微笑むギレン。
「フッフッフッ……いいねぇ……」
ビル風が蜘蛛の巣を揺らし更に恐怖を煽る。
捕らわれた人々の悲鳴が響く。
警察が駆けつけているが捕らわれた人々は言うなれば人質。
警察は下手に手出しが出来ないでいた。
本部から無線で人命が最優先と言われる。
それはわかってる。
しかし、非道な侵略者に怒りを抑え切れなかった葛城がライフルでスパイダーゲイラーを狙撃。
当然ライフルで倒せる様な生易しい相手ではない。
スパイダーゲイラーは口から糸を吐き葛城の首を締める。
苦しむ葛城。
牧田達が何とか助けようとするが、糸は強固で外す事が困難。
それどころかスパイダーゲイラーは蜘蛛の巣に居る為蜘蛛の巣が揺れ更に人質達の恐怖を煽る。
捕らえられた人々の叫び声が響く。
守は藤波博士の車で現場に向っていた。
車内で2人は今後の事について話ていた。
まず、今の状態では守が現場に行くのが遅くなってしまう為グレイザー専用のマシンを開発中だと言う事。
そして、グレイザーの装備を増やして行くと言う事、藤波博士はグレイザー自身のパワーアップを考えているとの事。
グレイザーに移動手段が出来れば確かにより早く現場に着ける。
守もそう考えていた。
そんな話をしながら守は現場に到着。
現場では相変わらず警察とスパイダーゲイラーの交戦が続いていた。
守は車を降り変身。
超戦士グレイザー登場。
グレイザーがスパイダーゲイラーに攻撃を仕掛ける。
しかし、スパイダーゲイラーは糸を使い空へ上昇。
グレイザーも高くジャンプして追うが、今のグレイザーではジャンプ力が及ばず届かなかった事で一度着地。
スパイダーゲイラーは空から攻撃してくる。
その攻撃をモロに食らってしまうグレイザー。
スパイダーゲイラーは更に攻撃を加える。
防戦一方で為す術もないグレイザー。
そこに自衛隊の陸戦部隊が到着し、ライフルやショットガン、散弾銃なと、様々な武器を駆使し、スパイダーゲイラーに攻撃を加える。
スパイダーゲイラーがグレイザーに攻撃をする為に地上に居るから出来た事だった。
更にその隙に空からはレスキュー隊のヘリが到着し、蜘蛛の巣に捕らわれていた人々を救出し始める。
それに気付きスパイダーゲイラーは蜘蛛の巣に戻ろうとする。
グレイザーはそれを必死に捕らえ逃さなかった。
その姿を見た警察も自衛隊もグレイザーを味方だと確信し始めた。
そして、自衛隊がスパイダーゲイラーの糸を集中攻撃し、糸を巣から完全に切り離した。
その結果スパイダーゲイラーは支えを無くし地面に叩きつけられた。
グレイザーは『グレイバスター』を取り出す。
「トドメだ!」
グレイザーは『グレイバスター』のトリガーを引き、エネルギー弾を発射。
スパイダーゲイラーは爆発し倒された。
グレイザー、警察、自衛隊、レスキュー隊が協力した事で得た勝利だった。
戦いが終わるとレスキュー隊は人々を救出し追え、病院へ搬送した。
警察と自衛隊が並びグレイザーに向って一斉に敬礼。
グレイザーもそれに対し敬礼を返した。
それはグレイザーが警察や自衛隊、そして人々からヒーローと認められた瞬間だった。
それから数日後、藤波博士は国から正式に許可を受けグレイザーの装備開発を行えるようになった。
そして、グレイザーと警察、自衛隊の正式な連携も始まる事になった。
しかし、彼らの戦いはまだ始まったばかりだ。
−ゲシェードアジトの洋館−
リラがギレンを見下す様に喋り掛ける。
「また、ダメだったようだな……」
それにギレンも反論する。
「うるさい!!次は必ず……」
そこにジェイガが割って入る。
「いや、次は俺の番だ……」
ジェイガはパワーアップさせたリボルバーゲイラーを連れて来た。
リボルバーゲイラーは傷は修復され、見た目は変わらないが、確実にパワーアップしている。
果たしてこの強敵にグレイザーは勝利する事が出来るのだろうか?
続く……。
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