オタク

「医療物資は...調達...出来た、次は...拠点」

「理想は入り組んでいる路地に面している建物だな」

「しかも...多少治安が...良く無いと」

「この際治安は捨てるとして...どうする」

「...目立たなくて、少し...スペースがある部屋」


幸いスラムには違法建築が溢れているので直ぐに見つかると思うが、物資を運び込むのに時間がかかるので住人達に捕まってしまうだろう


「だから複数用意しておきたい」

「まずは...探索」


スラムの中でもかなり入り組んでいる場所から探し始める

しばらく歩いている内にダクトからしか入れない空間を見つけた


「ここ...めちゃくちゃいい」

「一つ目だな」


途中でフリューデンのメンバーを避けながら進み、似た様なものを最終的に5つ見つける事が出来た


「この内一つは囮として使うから丁度良いな」

「早速...運び込もう」


トラックをスラムの路地に止め、二手に分かれて俺は囮と警戒を、ネルは運搬を行っていく


「人影は見えない」

『了解』


85AMRを展開して出来るだけ離れた所から索敵する


『2つめ完了』

「了解、次はトラックを...隠れろ」


ダクトの出口の近くから少年が出てきた


(うん?)


よく見たらフリューデンのロゴが入った回復薬を握り締めて走っている


『ハルキ』

「どうした」

『フリューデンが近くにいる』


スコープの中で少年とフリューデンが近づいている


「...分かった、狙撃する」


息を止める

視覚情報だけに集中する

フリューデンが少年を見つけて走り始めた

そいつが少年をテーザー銃で狙う

少年が転び、フリューデンがマウントを取り始めた所で85のトリガーを引いた


『お見事』


65口径の弾がフリューデンの肩に突き刺さり

2メートル程吹っ飛んで気絶した


「...ネル、コンテナを黒く塗装してジャンクヤードに投げ入れろ」

『?』

「多分タレコミがフリューデンに行ってる」

『分かった』

「...一応できるのね」


ネルの怪力に驚きつつ装備をスラムを練り歩く


(混乱してくれればありがたいが)


装備を収納してさっきの少年を探す


(いた)


大型犬に回復薬を注そうとしていた


「人間用は動物には危ないぞ」


声をかける


「だれ⁉︎」


ナイフを突きつけられてしまった


「将来有望だな、少年」

「...何が目的」

「その回復薬を拾った場所だ」

「...黒いトラック」


予想通りアレから取ってきた様だった


「そうか...んじゃお礼にアドバイスを一つ...

こちらが有利な時は相手の質問に答えない事」

「...分かった」

「あと、その犬ころ、苦しそうに見えるがバテているだけだから大丈夫だぞ」

「え?」

「じゃあな」


そう言い残してその場を離れ、暫く歩いてネルと合流する


「コンテナの...中身は...どうする?」

「残りは捨てて囮にする」

「分かった...あと、今日は、一日中つけられてる気分」

「...いつからだ?」

「スラムに、入ってから」

「入れ替えるぞ」

「あ...」

「多分Anti"F"だ」

「...ごめん」


《KAWANO製スキルチップ:並列思考

白川テック製アーミーナイフ

クロウ16Nピストルを展開、

Pb社M85AMRを収納します》

《Ba社製3r LMG

Ba社製チタンブレードを展開します》


「取り戻してからでいい」

「おっけー」

「...行くぞ」


ブーツで加速、入り組んだスラムを駆け抜けてダクトに入ろうとしているAnti"F"をつき飛ばす


(5...8人か)


相手もアサルトライフルで応戦してくる

軽くハンドガンで応戦しヘイトを曲がり角から自分に集める


「帰って」


銃撃戦になる事を予想してわざとタイムラグを付けて移動してきた

ネルのLMGが正確にアサルトライフルを弾き飛ばす


(ネルは片手か......片手持ち⁉︎)


小口径の対空砲と同じ口径のLMGをネルが片手で撃っていた


(Ba社のを...嘘だろ)


いつも両手で撃っていたので流石のネルでも少しキツイのだろうと思っていた


『大丈夫か!』


奥から小倉研究所のロゴがプリントされた小型バトルアーマーが出て来た


(クソったれ)


「囮」

「了解した」


ネルがアーマーに突っ込みヘイトを集める


《Pb社85Mr AMRを展開します》


(狙うは脚部の関節)


距離は12メートル程、この程度だったら腰撃ちでいける


アーマーがバトルアックスをネルに振り下ろすが、チタンブレードで軽くいなされる


「流石安心と信頼のBa製品」


そう言いながらアーマーの膝が重なった瞬間にトリガーを引き、機動力を奪う


「ナイスハル」

「追加で14人程度」


足音から人数を割り出しネルに伝える


「んじゃ私が」


器用にアーマーの射撃を避けながらブレードの峰打ちで倒して行く


『ふざけんな!』


アーマーが俺に肩部バズーカを撃つ


「まずっ」


《小倉研究所Ft型レールガンを展開します》


咄嗟にレールガンを盾にしてガード、85でバッテリーとジェネレーターも撃ち抜き完全に無力化する


「終わった?」

「終わった」


ネルの質問に答えてアーマーに近づく


「あー、聞こえるか?」

『......』

「答えないならアーマーごと撃ち抜く」

『やってみろ』

「小倉研究所製バトルアーマーAアサルト2-3.8改修型のDタイプ武装、装甲厚は推定2500mm、俺のレールガンは貫徹力4000mm以上だが?」

『改造済みの6000mmだ』

「...」


《照準対象:バトルアーマー・・・ロック完了:出力2%:発射します》


無言でパイロット脇の計器を撃ち抜く


______________


※装甲の基準は鋼です

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