犯罪都市
シュティーカ
ポーン
『当車両は犯罪都市に入りました
ここから先の事故、窃盗、車両内の乱闘が原因の負傷には一切責任を取りません』
『繰り返します
当車両は犯罪都市に入りました
ここから先の事故、窃盗、車両内の〜』
「いきなり物騒だな・・・」
「たし、かに」
さっきのアナウンスで車両内の空気が一瞬でピンと張り詰めた
そう言う俺も警戒を怠らない
一応警備ロボットもいるがここからは人命ではなく車両優先になるだろう
「注意する分には変わらないか・・・あとネル、寝ようとするな」
「ゔ・・・」
_________________
『シュティーカ〜シュティーカ〜』
『《対象を鎮圧、現行犯逮捕します》』
『おい!警備員がいない列車だろ⁉︎』
『チッ・・・ハァ、警備員はな』
『警備ロボットは居たわけか・・・』
『なっ・・・ふざけんじゃねえ!』
「・・・やってる、ねぇ」
「リニアジャックって馬鹿かあいつら・・・」
『だいたいお前が計画出来たとかでロボット用のハック装置を持ってきたと思ってたんだが』
『あ!?コイツが警備は居ないとか抜かしてたろうが!』
『ニュースで完全自動化試験運行と流れてただろォォ!』
『俺が覚えてると思うか!』
『『・・・』』
「掠り付け合ってるねぃ」
「あれは、ない、わー」
その馬鹿トリオを尻目に改札へ向かう
「『ナビゲーション』、最寄りのリーグに案内して」
《了解、ユーザーのログインが確認できませんでした、
中間を駅改札のFbkユニットに設定します》
「ネル、
「1560」
「・・・ギリ出られるな」
その言った俺の目線の先にはホログラムの料金表があり、その右下の片隅に小さく
【表示された運賃の他、防衛費、治安維持費、整備費、電気代、その他諸々の経費をお支払いください】
と、書いてあり、ご丁寧に『ご理解、ご協力の程よろしくお願いします』などといった言葉は一切書いて無かった
(要するに基本ぼったくってくるのか、やべーな、この街)
「ハルキッ」
「ん?」
『あ、ラダリ組だ、あいつら終わったなぁ』
ネルに右袖を引っ張られ目を向けると二人組の
いかにも〜なオッサンがネルを誘拐しようとしていた
まあBa社製品を振り回すネルには赤子同然だが
「ん?じゃねえよボンクラ、この兎ちゃんもらつてくからな」
そう言って改札の方に向かおうとする
「ハァ・・・ネル、やるぞ、『インパルス』」
「リョウ、カイッ」
右足のブーツを起動、左足を捻りそのまま右足を振り上げ、ネルを掴んでる奴の後頭部を狙う
ドォォォン
この音は頭を蹴り飛ばした音ではなくネルの背負い投げが生み出した音である
「・・・衝撃に備えろぉ〜!」
声を大きくしても多分周りの奴らは反応出来ないと思うが
ドゴォォン
「ネル」
「なに?」
「ぐ・・・・・・あ?・・・ひっ!あぁぁ・・・」
ネルが背負い投げた男だったものは見事に血飛沫を飛ばして見る影も無く、形が残っているのはネルが掴んでいた左腕ぐらいである
「やりすぎ」
「え?あ・・・ハイ」
ネルもこのスプラッタな現場を見て少し引いている
やったのお前だからな?
「そんなネルに良いニュースと悪いニュースがあります」
「良いニュースからで」
「ここはシュティーカ、つまり犯罪都市なので罪に問われません」
「うん」
「悪いニュースは・・・周りを見てみろ」
「?・・・・・・ッ」
「行こうか」
コクリ
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